見せてよ君の恥ずかしいとこ
喫茶店の季節のパフェは美味しい。
ふんだんに使われた旬のくだもの。くだものに合う、甘さ控えめのクリームとゼリー。食感の違いが楽しいパフやフレーク。
どの季節に来ても大当たりだってんだから、その企業努力たるや感服する。
お店の席はいつも埋まっていて、今日もカップルや友だち同士、家族、あるいはお一人様など、様々なお客さんたちが、おやつタイムを楽しんでいた。
見渡す限りの笑顔。うん。いいね。
私も笑顔。
美味しいパフェと、目の前には恋人。
恋人は、こちらを熱く見つめている。
最高だね。
私の話にも、熱が入るってもんだ。
「っつーわけで、今の私は格ゲー最弱王ではない」
「うん」
「修練に修練を重ね、格ゲー最強王に生まれ変わったのだ!」
「ふむ」
「ついでに、ゲーム前筋トレタイムが増えたために、身体も仕上がってる」
「それは最高。後で堪能する」
「……話聞いてる?」
「聞いてる。お前の筋肉が更に良くなったから、後ですみずみまで確認するって話」
「……そこじゃない、そこじゃ」
相変わらず、彼女はジーッと私を見つめている。
だがしかし。何故か微妙に視線が合わない。
返事も、最後以外は生返事だった気がするし。
「どこ見てんの?」
そんな妙に真剣な眼差しでさぁ。
「んー……ま、そろそろいっか」
大社は頷くと、おもむろにこちらへ手を伸ばし。
「あ」
「ん。んまい」
指で私の口元を拭って、そのまま己の口にそれを運んだ。
「クリームが付いてたんだよ」
「……そんなん、さっさと教えろよなぁ」
恥ずかしい。
「さっさと教えたら、お前取っちゃうでしょ。目に焼き付けとかんと」
ニヤッと彼女が笑った。
「何だよそれぇ……そんなんで人の話を上の空で聞いてたんかよぉ」
「ええ? ちゃんと話も聞いてたって」
「本当にぃ?」
「うん。……格ゲー最強王になったって?」
何だよ、本当に聞いてやがった。
「そうよ」
それが、嬉しい反面。
「はっはっはっ、返り討ちにしてやんよ」
不敵にそう笑う彼女の余裕さとあいまって。
「ぐぬぬぬぬぬ」
何だか非常に、悔しい気持ちになったのだった。
「ぜってぇ負かす……!」
「ははっ、楽しみにしてる」
END.




