ハッピーのためにラッキーを使う。
ギリリリ、ガシャコンッ
ガチャポンのレバーを回すとき、いつも、すげー音だなあと思う。
出て来たカプセルを取り出して、後ろの大社に手渡した。
彼女は、緊張した面持ちでそれを受け取り、厳かな手付きで開け……目をかっぴらいた。
誇張でなく、本当にカッと目を見開いたのだ。
「え、マジか! すげぇ! 伽羅、やっぱお前すごいわ!」
どうやらカプセルの中に入っていたのは、大社のずっと欲しかったシークレットの蛙さんだったようだ。
良かった、と安堵の息を吐く。
代わりに回して良かった。
「ふふふ、そんなことも……まあありますか」
「謙遜しないのかよ。だが、そこがいい」
大社がそう言ってくれるってわかってるから。同じように緊張していたことなんて、さっと隠してしまう。
「いやでも本当、ありがとな。いいの? これ全部もらっちゃって」
彼女の鞄の中には、今日の戦果……私の代理レバーで手にした戦利品の数々……が入っている。
「いいよ。私はレバー回しただけだし。お金は大社のだし」
私は、言葉通りレバーを『回した』だけなのだ。
何故か私がガチャを回すと、被りがゼロだったり、シークレットが当たったりすることが多い。だからこうして、度々ガチャの旅に駆り出される。
主に大社に。
「うわー、マジありがと。嬉しー!」
そう言って笑う彼女の顔は、子どもみたいだ。
きらきら眩しい。
その笑顔、大好き。
私は目を細める。
「いくらでも、やってあげる」
どれだけお店を周ろうとも、お安い御用というやつだ。
END.




