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そういうところが好き過ぎて。

 他の誰かが居ても。

 例え、話が盛り上がっていたとしても。

 伽羅《きゃら》は、私が困っていたらこちらを優先する。

 今も、そうだ。

「……貸して」

 ペットボトルの蓋に苦戦していたら、すっと横から手が伸びて来た。

 つい今し方まで、涙流して笑い転げてたよね?

 そんなツッコみを入れる暇も無く。

 彼女は、パキリと。いともたやすく、固い蓋を開けた。流石の筋肉。飾りじゃない。

「はい」

「さんきゅ」

 話の邪魔をしたはずなのに、私がお礼を言えば、

「ん」

 本当に嬉しそうに、伽羅は笑う。

 桜のつぼみが、一斉に花開いたみたいだ。

 その笑顔が可愛くて可愛くて。

(そういうところが、ほんと好きなんだよ……)

 私は今日も、必死にポーカーフェイスを保たせている。


 END.




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