剣聖の過去2
――そうして5年の修行を得て
『カァン!』
ライナスの剣がアスラの剣を弾き飛ばした。
「よくここまでついてきたもんだ。ヒュムの身で俺の剣を弾き飛ばすまでになるとはな。」
「よくいうぜ。全然本気じゃないくせによ。」
「まぁ俺が本気出したらお前なんか一瞬で剣ごと真っ二つだ。」
「笑えねー冗談だな全く……。」
「今日で修業は終わりだ。それだけの力があればお前の言う守る力には十分だろう。約束は覚えているか?」
「……その時が来るまでは森には近づかねーよ。」
「いいだろう。ライナス。100年の後にもしこの地に変革が起きようとしたときお前の力が必要になる日が来るかもしれない。それまで更に腕を磨いておけ。」
「言われなくても!」
「ふっ。それと俺のことは他言無用といったが……。もし……。もしも竜族の男がお前の前に現れることがあったならこれを渡してくれ。」
アスラはそういうと小さな丸い石のようなものを手渡した。
「これは……?」
「いまはただの石ころのような物だ。だがいつか必要になる。そしてその石をその竜族の男に渡したらこう伝えてほしい。『我々は待っている』とな。」
「よくわからないが竜族の男に会うことがあったら渡せばいいんだな?」
「頼んだぞ。では私は行く。じゃぁな。」
そういうと男は魔方陣を出してライナスの前の前から消えてしまった。
「最後まで謎バッカの師匠だったけど俺は俺の信念をもって手の届く範囲は必ず守れる男になって見せるぜ師匠。ありがとう……。」
――ギルドマスター執務室
ライナスの過去の話を聞いた。
「ってなわけでな。こいつをお前に渡しておく。」
イザはライナスから石を受け取った。
するとイザ手の中で石が光始めた。
手を開くといままでただの丸い石だったものが光を帯びている。
「やはり師匠が言ってた竜族の男ってのはお前だったか……。」
「この宝石は……?」
「俺は『我々は待っている』と伝えてその石を渡してくれと言われただけだ。それ以上に事はわからねぇよ。ただ、あんたの記憶を取り戻すカギになるんじゃねぇか?」
「わかった。受け取っておくよ。」
先ほどまでただの石だった宝石は強い魔力を帯びている。
(この宝石が何なのかわからないし待ってるって言われても俺には何のことだか……。そのうちわかるときが来るか。ライナスの師匠の剣士……何者なんだろうな。)
「んじゃ確かに俺は師匠からの約束は果たしたぜ。俺はちょっと行くところがある。お前はシアたちと合流して港をあたってくれ。頼んだぜ。」
「ああ。任せてくれ。」
イザはライナスと別れ港へと向かった。




