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いつのまにかドラゴンでした  作者: すなる
2章 
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剣聖の過去1

「イザ。前にも言ったがお前にはちょっと話がある。」


「シアには手を出してません!」


「本当だろうな……?っとその話もあるがここからは真面目な話だ……。」

ライナスが真剣な顔をしている。


(その話もあるのはあるんだー……。)


「俺はお前に会う以前。一人だけ竜族の男と会っているんだ。その人は俺よりも強い剣士だった。そして俺の剣の師でもある。」


「ライナスさんよりも強い剣士…」


「いまから100年近く前の話だ。俺はレイネとシアを救えなかった自分の非力さを嘆いてがむしゃらに自分を鍛えていた。強く…もっと強くってな。そんなときだ、師匠に会ったのは――」




――100年程前のアルフヘイム


雨の降る中アジーウッドの森の前で一人の青年が叫んでいた。

「くそっ!俺にもっと力があれば!!」

地に伏せ青年は地面を叩き嘆いていた。


そこに通りがかった黒いローブを身にまとった男は青年に語り掛けた。

「ヒュムの青年。力が欲しいのか?」


「誰だ…。まぁ誰だろうと関係ないな。俺は誰にも負けない力が欲しい!!」


「……。」

男は青年を見下ろし何かを見定めるような目で見ていた。

「なぜそこまで力を欲する。ヒュムの魔力は乏しい。寿命も短く力を磨いたところで一人の力はたかが知れている。」


「それでも大切な人をたった数人守れるだけの力が欲しい……!!」


「……ふむ。お前ヒュムにしてはかなり高い魔力と強い意志を持っているな。」


「…?あんたは……この辺じゃ見かけないが一体だれだ?」


「そのうちわかる。ついてこい。力が欲しいんだろう。」


そういうと男は歩き出した。


「待ってくれ!」

青年は不審に思いながらも悪意は感じず不思議な雰囲気を醸す男についていった。


――しばらく歩き男の住んでいると思われる小屋に着いた


「……。」

男は無言で雨に濡れたローブを脱いだ。


青年はローブを脱いだ男の風貌を見て驚いた。

「……竜族!!」


「あぁ……。ここじゃ俺の見た目は珍しいだろうな。だが俺は竜族ではない。お前名前は?」


「ライナス。ライナス=フォン=ルーメス……。あんたの名前は?」


「俺の名前か……。そうだな……アスラと呼んでくれ。」


アスラと言う男の姿は角と羽、尻尾を宿しうわさに聞く竜族そのものの見た目をしていた。



アスラは再度ライナスに尋ねる。

「もう一度聞く。なぜそうまでして力を欲する。」


「妻を……俺の子を身ごもった妻を攫われた!……妻はエルフだ。宝玉の力を宿す次の森の精霊にするためにエルフの里へ連れ戻された。妻はこうなることが分かっていたんだ…俺に寿命と魔力を半分託し、産れてくる子にも残った力を全て託すといい。これから産れてくる子のことを俺に頼んで自ら里へ帰っていった……。エルフが混血を嫌うのも分かっていた。でも俺らは愛し合っていたんだ。種族の壁なんか関係あるか!俺にもっと力があれば…。」


「種族の壁か……。一人の力でどうにかなると思っているのか?いくらエルフの寿命と魔力を得たとしても所詮は人一人。数の前ではどうにもならんぞ。」


「手の届く範囲の妻と子だけを守り抜く力が欲しい!それ以上は何も望まない!」

ライナスは透きとおった瞳に強い意志を宿しリトを見て言った。


「いい目をしている。いいだろう。俺が修行を付けてやる。多少剣には覚えがあってな。」


「ありがてぇ!すぐ始めてくれ!」


「まぁそう焦るな。それと修行を付ける代わりに条件と約束を守ってもらおう。」


「条件?約束?何だっていいさ!どんな条件だって飲んでやるよ!」


「まず俺のことは他言無用。決して誰にも言わないこと。そしてお前は今後100年間は森には近づくな。」


「!?冗談じゃない!森に近づくなだって!?これから俺の妻と子供を助けに行こうってのに!!」


「図に乗るな!!」

常に静かに話していたアスラが大きな声を出した。


「すぐに行ってお前に何ができる。お前は妻と約束したんじゃないのか?子を守ると。それはすぐに行って果たせる約束なのか?自分の愛した妻さえを信じられない男に教えることなんてない。俺の見込み違いだった。帰れ。」


「……。本当に人を守れるだけの力を手に入れることが出来るのか?」


「お前次第だ。」


「わかった。覚悟を決める。100年間森には近づかない。あんたのことも誰にも話さない。」


「いいだろう。今日はもう休み。修業は明日からだ。それと俺は見ての通りだから買い出しなどはお前に行ってもらう。並の修業じゃないから覚悟しておけ。」




翌日からライナスの創造を超えた修業が始まった。


「どうした?そんなものか?この程度じゃ魔獣ですら手に負えんぞ?」

「くっ!」

アスラの剣は鋭く早く重く。とても人の打つ剣と思えないほどだった。


「師匠……。あんた一体何者なんだよ……。いくらなんでも強すぎるだろ……。」


「ふむ。遥か昔……。全盛期は剣聖と言われたこともあったな。」


「剣聖って。嘘ばっかし。そりゃ古の時代の六大龍王の一人ブリトラかミズガルズを救った十英雄の一人アーサーくらいのもんだろ。どっちももう生きてたら数千歳超えてるじゃねぇか。」


アスラは笑った。

「ふっ。そうだな。」


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キネノベ大賞3 ESN大賞3
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