095 しらすと紫陽花
海は港にはなっているけれど小さな船しか入ってこられない地形。
販売所があるようなので朝食後に行ってみた。
「しらす!!」
アイク「好きなのか?」
アビー「ずいぶん小さい魚だな」
生しらす、釜揚げしらす、しらす干し、ちりめん、しょうゆ漬け、オイル漬け。
たくさん購入。
近くに食事処が1つあり、働く人たちの朝ごはんと観光客のランチとの間くらいの時間なので空いていた。
しらす料理がメインだけれど、小ぶりな魚も獲れるみたい。
生しらす、釜揚げしらす、海鮮丼をシェアする。
パールとコハクは海鮮丼にシラスをのせてもらった。
思い出のシラス丼はほのかな甘みと、新鮮な磯の風味で美味しかった記憶だけれど、ここのは甘みがしっかり感じられて舌触りもすごく滑らかで美味しい。
港は小さいけれど砂浜は遠くまで続いていたので、食べ終わった後は砂浜を散歩。
砂浜が終わるところまで到着すると、たくさんの紫陽花が咲いていた。
水のシャワーを少しかけるとツヤツヤと光る紫陽花が綺麗。
「すごい、紫陽花がこんなに。綺麗ね」
アビー「初めて見る花だ」
「紫陽花の花言葉は移り気、浮気」
アビー「そんな恐ろしい花があるのか?」
アイク「持ち帰るのは駄目だぞ」
「ふふふ。この花は時期や土壌によって色が変化する特性があるから移り気なんて花言葉もあるけれど、小さな花が集まる姿から「家族団らん」という花言葉もあるのよ 」
ポジティブな花言葉を聞いても、やはり持ち帰りは却下されてしまった。
有毒植物であり、料理の添え物として使えないから写真に収めて満足しておこう。
ティータイムなので、コンサバトリーを出して3人でピアスや首輪をつくる。
シンプルなやつなのですぐ終わり着け合ってキスをする。
「2人共似合う!!」
アビー「ありがとう。ミツキもかわいいよ」
アイク「ああ、似合っている」
「パール、コハク、これつけていい?」
2匹共尻尾が揺れている。気に入ってくれたようだ。
「うん!すごい似合う!」
2匹をぎゅーってすると2人が私達を抱きしめてくれた。
アイス、ウインドにも真珠を付ける。
「似合う!家族みんなでお揃いだよ♪」
2頭をナデナデするとフヒフヒと鼻を鳴らして喜んでくれた。
夕飯まで少し時間があるから、浜辺で遊ぼう。
花火をしたくなったので、ネットショップで浴衣を購入。
双子はシンプルな黒地の縞模様。
私は藍色で流水模様。
鮮やかな花が描かれている浴衣も可愛くて惹かれたけれど、昔おばあちゃんが着ていた浴衣に似ていたものを選んだ。
流水模様は日本でも最古の部類に入る、歴史の長い伝統的な柄の伝統文様。
古来より水は「すべてを清めるもの」とされ、不浄なものや災難、苦難を洗い流してくれると考えられていて、絶えず流れる水は澱まず腐らないことから、絶え間ない繁栄、途切れない縁、魔除け、永遠の未来を表す縁起の良い吉祥文様とされていて、おばあちゃんが好んで手ぬぐいとか、のれんとか、お皿を集めていて、よく見ていた懐かしい模様。
2人の前に出ると、パチパチと目を瞬きさせる2人。
シンプルな黒の浴衣なのに格好良い。
浴衣や着物は日本人体型の方が似合うデザインだと思うけれど、この2人は何でも着こなしてしまう。
アビー「綺麗だ。肌は全然出ていないのに艶っぽいのは何でだ?」
アイク「こんな格好で夜に出歩いてたのか?拐かされなかったなんて奇跡だ」
「同じような格好の女性が何千人と集まってるから歩くのも大変で、拐かされる心配は無かったよ」
花火大会は病気になる前に数回、成人してから1度しか行ったことがなかったけれど、楽しい記憶。
音が体に響く打ち上げ花火は目が離せなくて時間が過ぎるのはあっという間で、屋台の綿飴が大好きで大事に持ち帰ったのに、小さくしぼんでいて凹んだり。
アイク「なんか涼しいな?」
「袖や脇、裾があいてて通気性が良いからかな」
アビー「生地も軽くていい」
こっちには花火そのものがないから、打ち上げ花火は無理でも手持ち花火はいつか作ってみたい。
ネットショップで花火セットを買って私が見本で一本やってみる。
シュー!!と音を立てて光り出した花火にびっくりしたコハクが高くジャンプして距離をとった。
「ふふふ、びっくりした?これは凄く熱いから気をつけないとダメよ」
薄暗い中で鮮やかな火花を出す花火はとても綺麗。
アイク「こんなにたくさんの色が出るのは凄いな」
アビー「ああ、素材で色彩を変えるのは凄い」
締めは線香花火。
「これは同時に火をつけて最後まで長く光っていた人が勝ちよ」
パチパチと小さな音と光の線香花火を真剣な目で見ているみんな。
私の塊が大きくて一番先にポトリと落下して、2人はその1分後くらいに同時に落下。
流石双子。
花火が終わってしまうと寂しい気分になるのはなぜだろう。




