087 峠道
街へ入り海や人里だと狩りが出来ないので、5日間くらい山に留まりコハクの狩りをメインに採取したりもして過ごす。
地球の豹サイズとは言わないけれど、子供とは思えない大きさになった。
自然界ではあり得ない栄養満点の私が作る食事と、私の魔力に影響されて急成長しているので、あの親豹より大きくなると思う。
子供特有の丸みのあるボディーは可愛かったけれど、しなやかなボディーラインは綺麗でかっこ良い。
コハクは大きな木でもスルスル登り、木の上に生っている木の実や果実を落として音もなく着地する。
豹は森の忍者と言われているのが理解できた。
【名称】アケビ(食:可)
【レア度】小
【特徴】ビタミン、カリウムが多く含まれる
【名称】サルナシ(食:可)
【レア度】小
【特徴】皮ごと食せる
熟すと甘味が強くなる
ビタミン、ミネラル、ポリフェノールが多く含まれている
アケビは甘く、サルナシは毛のないミニキウイのような感じで甘酸っぱくてどちらも美味しい。
私はインテリアの続き。
アイクかアビーがコハク達の付き添いと交代で、コテージに残ってくれる。
1階ウォークインクローゼットに棚やワードローブ、2人くらい座れるフラットソファ、スタンドミラー。
シューズクロークにもワードローブ、棚とスタンドミラー。
システムキッチンのワークトップより背が少し高い、細長いバーカウンターテーブルをシステムキッチンのダイニング側に置き、背の高い椅子を置く。
手伝うことが無くても私の隣に立って調理を見ている事が多いから、これで私が料理中、2人は目の前の椅子に座ってお茶やお酒を飲みながら近くで過ごせる。
カウンターテーブルの近くにワインセラーキャビネット。
キッチン奥壁側にキッチンボードやカウンターを設置。
一時的な置き場や作業スペースが更に増えたから便利になる。
1階ワークスペースに置く大きめなデスクとイスは寝室にも置こう。
2階寝室にはワードローブ、お酒の用意やちょっとしたおつまみが作れるようにバーカウンターテーブルとここにもワインセラーキャビネット。
アビー「ただいま。だいぶ部屋も整ってきたな」
アイク「これは?どんなトレーニングに使うんだ?」
「これはバレエのポータブルバー」
高さは120センチくらいのバーで、足をかけて見せてみる。
アビー「確かバレエというのは習い事でやってたやつか。ミツキは身体が柔らかいよな」
昔は耳の横まで上がって、病気になって大人になる頃には柔軟性が弱くなってきていた。
今も柔軟を殆どしていないのに女神様仕様なのか、やってみると手で押さえれば頭の少し後ろまで足が上がった。
アイク「えっ?そんなに上げて大丈夫なのか?」
「もともと小さい頃は耳の横までは上げられてたのよ」
少しバレエの動きをしてみる。
アイク「美しい動きだな」
アビー「ああ、美しい水鳥みたいだ」
今度シューズを買って本格的に身体を動かそう。
コハクはパールと一緒にアイス、ウインドと並走したり馬車の屋根にいるが、眠くなると馬車の中に入り丸くなってお昼寝するのでかわいい。
コハクは急成長だけれど、アイスとウインドも少し大きくなった?ような。
軍馬だから普通の馬より大きいし、元からがっしりしていたけれど。
食事の種類も量も増え、お気に入りのオヤツは人参、サツマイモ、リンゴのパウンドケーキや蒸しケーキで砂糖を入れなくても少しの蜂蜜と野菜や果実の甘さで美味しい。
コハク用にネットショッピングで猫用ブラシと猫の舌のようなザラザラしたブラシがあったので両方買ってみた。
どちらも気に入り交互でブラッシングしている。
もちろんパールも犬用ブラシ、アイス、ウインドは馬用ので頻繁にブラッシングしていてきれいな毛並みを維持している。
クリーンをすれば綺麗になるけれどトリマースキルを持っている特性なのか、すごくシャンプーしたいのに2匹とも1度泡まみれになった後から体を洗うのを嫌がってしまった。
お湯自体は嫌いではないようなので、時折お湯で身体を綺麗にする程度にして基本はクリーンとブラッシング。
馬は体の油が落ちすぎると良くないのでシャンプーはもちろん、お湯は使わない。
走ったあとや暑い日のクールダウンは良いことなので、水魔法でシャワーしてあげると喜ぶし、ミスト、強弱、としながらすると私の魔法の練習にもなる。
フラシルは熱帯雨林、湿地帯、大きな木に緑も深い感じだったけれど、このあたりまで来るとガラッと違う森になる。
スラッとした背の高い針葉樹に囲まれた道は、天然の石で作られた石畳で懐かしく思えるような見た目と空気、雰囲気。
馬車では通れない道になり、乗馬で移動しているけれど、馬でもなかなか険しそうな道で陸路ではなく海路が選ばれるのがわかる。
それなのにアイスとウインドは私達を乗せながら、なんてことないようにパカパカ軽やかに散歩しているかのような足取り。
少しひんやりとした空気は深く吸い込むと美味しく、静かでゆっくりとした時間が流れているようで、心地よい空気、懐かしい森林の雰囲気を沢山感じられて嬉しい。
峠道の一番標高が高そうな場所に来ると大きな岩があった。
その先にかすかに海が見える。
「わぁ、海が見えた!」
アビー「もう少しだな」
アイク「今日の移動はここまでにするか」
あまり広い場所がないのでタイニーハウスで野営。
☆☆☆☆☆☆☆
『馬越峠の石畳』
伊勢神宮(三重県)と熊野速玉大社(和歌山県)を結ぶ約170kmの熊野古道伊勢路の一部、江戸時代に整備された石畳が残る馬越峠、ヒノキ林などの一部が「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されている。(2004年)
現在は綺麗に整備されているが、馬も越えるのが大変なほど険しい道という事から馬越峠と名付けられた。
「道」が世界遺産に登録されているのは世界でもスペインのコンポステーラと熊野古道の2例だけ。




