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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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85/126

085 ブルーベアと黒豹 

挿絵(By みてみん)


緩やかな山道が続くけれど天気も良く、馬車と乗馬、切り替えながら進む。


深い森の中にある国境には特に門もなく、簡易的な印があるだけでエリアとしてはアシア連合国に入った。


獣はフラシルでは見たことない種類も多くなってきて、薬草も家の近くにはなかったものが多い。


激しい雨に降られた次の日には晴れたけれど、道が不安定そうなので移動はせずにコテージの屋上を整える事にした。


吹き抜け階段の出口用の部屋と繋がる部屋は岩盤浴の部屋と客室。


野外にサウナとジャグジー、サマーベッド、カウチソファ、テーブルを設置。


早速サウナとジャグジーを使ってみる。


「はぁ~~♪気持ちいい~~」


アイク「くくく」


アビー「本当に気持ちよさそうな声だな」


だって森林に囲まれながら入る露天ジャグジーは本当に気持ち良い。


パールは森へ探索に行ったので、きっと帰りは泥だらけになっているだろう。


翌日はランチ後に移動開始して、しばらく進むと馬車の屋根にいたパールが話しかけてきた。


パール「まだ先だが魔獣がいて魔法を使っているから、おそらく戦闘中だ」


馬車をインベントリにしまい乗馬で移動する。


あと200メートルくらいの距離まで来ると、もう魔法は使っていないようだから戦闘は終わったのかもしれない。


かち合ってはいないので無理に狩らなくてもいいけれど、道から遠くはない位置に出没した魔獣はなるべく狩ることをギルドから推奨されているのと、時間的にも野営の場所から近くになるから討伐してしまおうとなった。


馬から降り小型の厩舎を出し私達は徒歩で近づくけれど、まだ見えていないのに私でも感じる嫌な感覚。


少し広場になっているところを見られる位置までくると、大きなベア、私の知っている熊より更に一回り以上大きいと思える青毛の背中が見えた。


こんなに離れていても怖い。


立ったまま動かないので不思議だけれどチャンスだ。


そーっと近づく。


ベアは前に餌があるのか手をゆさゆさ動かしている。


攻撃開始。


(20万ボルト!!)


ドーン!とベアの頭に稲妻を落とす。

火竜の時の威力だと強すぎて黒焦げにしそうなので少し威力を落とした。


ベアがまっすぐ立ったかのように背筋が伸びビクッと痙攣する。


数秒後、こちらに振り向く。


アビーが両目に氷の矢を、アイクが氷の刃を飛ばし足首を切断しようとするが、硬い筋肉なのか傷がつくだけだ。


片目には矢が刺さったがもう片方は手で叩き落とされ、怒り狂ったベアが私達の方へ風の刃を飛ばしてきたので、氷の壁を作る。


刃を飛ばしながらこちらに向かって来るが切られた足首が痛いのか遅い。

パールがフェンリルサイズに戻り、風の刃を避けながらベアに向かって行き飛び蹴りをすると、よろめいて手をついた。


ゆっくりと起き上がろうとした所で、アイクとアビーが喉を狙って走り抜けながら剣を当てに行くが、手で邪魔されて喉には届かない。


パールが飛び蹴りして、顔を蹴られたベアは仰向けにバタンと倒れた。


アイクが身体強化をかけ飛び出し、氷魔法を刃にまとわせ喉を切ろうとするが、手で喉を押さえてて硬い皮膚や爪が邪魔で上手く切れない。


アビーも駆けつけ、もう片方の手を切り落とそうと切りつける。


私は怖くて近づけないし、2人とパールが近くにいるから魔法も放てない。


パールが手に噛みつき喉からどかす。

バタつかせていた足首をアビーが切り落とし、動きの弱まったその隙にアイクが喉に刃をあてた。


深く突き刺さったのが見えて安心できたけれど、パールがその場から離れてベアに襲われていた獣の方へ。


動いてないようだけど怖くて私は2人の後ろに隠れながら近づくと、豹の体には抉られた傷や毛に血がべったりついていて息をしていないのがわかった。

その豹をパールが前足で優しく体を押してずらすと、下に小さな黒豹がいた。


血で全身びっしょり濡れていながらも微かに動いている。

血は殆ど親の血みたいだけれど、この子は足に抉られた怪我がある。

私が体に触れてヒールとクリーンをかけると手に頭をすり、眠ってしまったのでタオルに包みこんで抱っこする。


「お母さんが命がけで守っていたのね」


アビー「あのブルーベアから子供を体に隠して守ったんだ。子供が助かって天国で喜んでいるさ」


「ねぇ、ここに放っておけない。連れて行っていい?」


アビー「ああ、この年齢だと単独では外敵に襲われてすぐ命を落とすだろうしな」


アイク「親は埋めてやるか」


豹の毛皮は貴重みたいだけれど、売ったりはしたくなくて、埋めることに。

クリーンをして綺麗にしてあげ、尻尾の先の長い毛先を少し切らせてもらった。

この毛を子豹の側に置いてあげたい。


籠をだしタオルを敷いて黒豹を入れ、土魔法で獣が掘り返せないくらい深くして母豹を埋め近くの花を摘んで上にお供えした。


パールが籠の取っ手を口で咥えて運んでくれ、アイス、ウインドのところへ戻り広めの道まで出て馬車を出して出発すると、パールも珍しく馬車の中にいて黒豹の様子を気にしている。


スヤスヤ寝ていてかわいい。


日が落ちる前に広い場所が見つかり、コテージを出してご飯を食べ終わった頃、黒豹が起きたようだ。


私達を見渡し、パールの方へ行きくっつく。

パールが舐めて毛づくろいをしてあげるとナンナン小さな声でうれしそうにしている。


かわいい!


ネットで買った猫用ミルクを皿に入れて置くと美味しそうに飲み、パールが黒豹をかごに入れ寝床へ連れて行く。


疲れたので私達も寝室へいき、ゆっくりお風呂に入る。

やっぱりお風呂は大事よね。

リフレッシュ感がヒールやクリーンと違う。


2人に抱き締められて寝る、とはならず、戦闘はアドレナリンが出るからなのか、ギラギラした目の2人に襲われてしまった。



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