077 海中散歩
「ねえ、この辺りの海の上を散歩したい」
馬小屋には餌とオヤツ。
エンジン付き小型ボートを購入。
小型といってもパールも乗れるようなサイズにしたので免許が必要なサイズ。
ガソリン式ではなく音が静かな電動船外機を選ぶ。
こちらの世界では電気ではなく魔力になるけれど。
説明書を読んで2人に説明しながら私がテスト運転してみる。
魔道具化してるからなのかわからないけれど、車より簡単かもしれない。
2人と交代して運転してみても、すぐに理解でき私より停止操作が上手。
いくつかの島の周辺をボートで散策。
私には景色を楽しめ、と運転はアイクとアビーが交代でしてくれるそうだ。
一番沖合にある小島の方へ行くとイルカの群れが近くに。
「凄い数のイルカ。あっ!凄いジャンプ!」
数匹のイルカが競うように高くジャンプして回転もしている。
ショーで見るような宙返りではなく、ひねるようなドリルのような回転。
「フィギュアのジャンプみたい。しかもセプタプル(7回転)」
アビー「フィギュア?確か小さい頃やっていた習い事だったか?」
「うん。3回転半のああいう回転ジャンプをするのが憧れだったの」
アイク「えっ?氷の上を滑るだけでも驚いたのにジャンプ?危ないだろう?」
「ふふふ。うん。何度も何度も転んだ」
でも、今のジャンプを見て3回転半できるような気がした。
高く跳ぶ事ばかりに気を取られていたけれど、高さと同じくらい回転速度を意識しないと駄目だと思えた。
強く捻りながら踏み切って、素早く身体を細い軸にして、回転軸に重さが集まるようにすれば回転速度が劇的に上がると思う。
比較的大きな島の一部に砂浜があり、ボートを着岸させてランチタイム。
「本当に綺麗な海」
アビー「ここまで沖合に来ても海の底まで見えるくらい透明度が高いな」
海の中を見たくてネット検索。
海の中を長く移動はしないので本格的なスキューバセットではなく、ペットボトルくらいのサイズのボンベを腕に巻きつけて必要なときに酸素を取り込めるタイプを購入。
「手軽なのに5分~10分くらいは潜れそう」
アビー「海の底の貝を採るのに便利そうだな」
「浮上する時は肺に負担がかかるから、呼吸し続けるか吐き出すかして、止めないでね」
アイク「なるほど。深さがあるから圧力があるのか。俺達は川でしか潜った事はないからな。でも小さい頃に川で遊んでたが10分近くなら潜れるぞ?」
「えっ!?魔法?」
アイク「風魔法で口近辺に空気の層を作って呼吸するんだ。層を安定させる為に、その間動けないが」
迷子にならないように島の周囲を沿う感じに泳ぐ。
映像や写真で見た事のある海の中よりも何倍も綺麗な海の中。
波が弱い所や止まれる時は風魔法で呼吸を確保し、緊急時用にボンベは温存しながら泳げたので、30分近くは潜れていた。
岩場が多くなった箇所に来ると少し先に小型の沈没船が沈んでいた。
カラフルな小魚達の住処になっているようで幻想的。
大きなウミガメとイルカもいて自分も魚になったような気分を楽しめたので、砂浜に戻ってきて一休み。
パールは島の小さな森を探索していたけれど、小動物しかいなくて獣はいなかったと残念がっていた。
ボートで拠点に戻り夕飯はバーベキューにした。
海岸でのバーベキューはいつものバーベキューより美味しく感じるのはなぜだろう。
☆☆☆☆☆☆☆
『フェルナンド・デ・ノローニャ島』
ブラジル、ペルナンブーコ州沖合の大西洋に位置する島
ノローニャ島を含む約20の島とロカス環礁は「フェルナンド・デ・ノローニャとロカス環礁の保護区群」として世界遺産に登録(2001年)
ノローニャ島は観光可能だが、環境維持のため1日の入島者数が制限され、 ロカス環礁は厳格な海洋生物保護区であり、学術調査以外は立ち入り禁止。
この保護区は、西大西洋で最大の熱帯海鳥の営巣地であり、絶滅危惧種の保護においても重要な拠点。
大西洋で唯一の環礁であり、干潮時にはラグーンや潮だまりが天然の水族館となる。
絶滅危惧種のタイマイやアオウミガメなどが生息しており、準絶滅危惧のハシナガイルカは島周辺の「イルカ湾(Baía dos Golfinhos)」に、毎日300頭から400頭、時には最大2,000頭も集まる世界でも類を見ない生息地。
ハシナガイルカは軸を中心に最大7回転も空中でキリモミ状に回転ジャンプをする為、英語名は(Spinner Dolphin)。
平均して25m~30m、条件が良い時は50m近くまで見通せる透明度と、年間を通じて約26~28℃と温かいので厚いウェットスーツなしでも快適に潜れ、初心者向けの浅瀬から、沈没船、洞窟、トンネルといった上級者向けの地形ポイントまで20以上のスポットがある為「ブラジル最高のダイビングスポット」と称され、世界中からダイバーが集まる聖地。




