072 水晶
時間も早いし、少し大きく回り込むようにして空の旅を楽しむ。
「温泉の泉みたいなのが何個かあるね。ん?砂丘?」
アイク「大きな岩で見えにくいが奥に砂丘っぽいのがあるな」
「光ってない?」
深い森の中の一部に砂が積み重なっていて、遠目でも光っているのがわかる。
アビー「何か鉱石があるのかもな。明日行ってみるか」
明日の予定も決まったから、馬小屋のある拠点まで戻り早めの夕飯を済ませた。
翌朝、早めに朝食を済ませて空の旅へ。
20分ほどで砂丘の傍まで来てみると、遠目でも光って見えたけれど近くで見ても綺麗な砂。
「すごい。本当にキラキラしてる」
アイク「これはクリスタルだな」
「クリスタルが埋まってるの?」
アイク「いや、これは元はあの崖から風で飛ばされた砂が石英の粒と共に蓄積されただけっぽいな。塊のようなのは無さそうだ」
早速向かうと崖周辺は風が強くなっていた。
崖の土肌表面にキラッと光っているのが数カ所わかったので採掘タイム。
パールは森の中へ。
そしてやはり、私は30分もしないで飽きてしまったので料理しよう。
卵の大きさ半分くらいの水晶が1つ採れたので満足。
パティスリーオーブンを使ってみたいから、タイニーハウスの中の新しいキッチンで料理開始。
家庭用オーブンで最も再現が難しいスイーツだと思うのはカステラ。
カステラはオーブンを使い慣れたら挑戦しよう。
食事にも使えるパンから作ってみる。
クロワッサンは表面のパリパリッとした層と中心部のバター生地のジューシーさが家庭用で作ったのとは違うはず。
三日月型の甘いのと、惣菜を挟めるストレート型の塩クロワッサンと形を分けて作る。
クロワッサンという名前に三日月という意味があるから、伝統的な形は三日月形だけれど、日本はレストランや販売品でもストレートに巻いた物が多い気がする。
業務用だから火力も強く焼き上がりまで20分もかからない。
焼いてる間はガラス窓から細かくチェックしてしまったけれど、完璧に焼き上がった。
塩クロワッサンで挟む材料をインベントリから取り出して作るのは①ローストビーフ、②たまごサラダとベーコン、③あんバター、④クリームチーズとジャックフルーツの4種類。
ジャックフルーツは前に市場で買ったスイカ2つ分の大きさの見た目ドリアンみたいなトゲトゲ、味はマンゴーやバナナを混ぜたようなフルーツ。
小豆は、こちらの世界で見たことがないので粒あんに調理された普通のあんと、双子には甘さ控えめ糖質オフあんをネットショップで購入した。
早く食べたくてタイニーハウスから出てみると、2人は片付けを終えてハウスに戻ってきていたベストタイミングで、2人は私にくっつきクンクンと匂いを嗅ぎだした。
アビー「いい匂いがする」
アイク「パンの美味しそうな匂いだ」
「新しいオーブンでパンを焼いたの。初めて食べるのは2人と一緒がいいから試食はしていないけれど、美味しくできたと思う」
アビー「匂いだけで美味いって分かるぞ」
アイク「間違いなく美味いな」
ストックしてあったチキンクリームポタージュとキャロットラペ、かぼちゃキッシュも出して、いただきます。
アビー「ん、美味い。前食べたのも美味かったが更に表面はサクサクしてるのに中はふんわりしてる」
アイク「前のでも美味くて止まらなかったのに、これは無限に食えそうだな」
4種類全て食べたいけれど量的に私には無理なので、4種類半分だけにして半分はパールに食べてもらった。
アイク「これはジャックフルーツか?クリームチーズとパンの塩味が甘さを程よくしていて美味い」
アビー「この豆は見たことないな」
「向こうの世界で小豆っていう豆なんだけど、こっちで見たことないんだよね。豆の種類は多いのに」
アビー「調理前もこの色なのか?」
「煮る前の豆だと赤褐色かな」
アイク「見たことないな。こんなに甘くはないが食感はブラックビーンに似てる」
「多めの砂糖で甘くしてて砂糖無しなら甘くない豆よ」
アビー「よく市場で売ってるぞ。真っ黒い豆だ」
「えっ!?あの豆?小豆の3倍は大きかったから、こしあんを作ってみようかな」
私は女神様仕様の身体だからなのか?沢山食べても太りにくい感じだけど、2人は私の何倍も食べるのに全然太らないのが不思議。
毎朝鍛錬とトレーニングしていても食事制限は必要そうだけれど、2人は食事制限をしていないのに体脂肪がプロアスリート並みだと思う。
鍛錬とトレーニング、狩りが凄いレベルだから相当なエネルギーを消費してるのかな?
※鍛錬のレベルが戦闘並みの動きなのと、ショートスリーパーの双子は朝だけではなく、早寝の美月が寝たあとにも室内でできるトレーニングをしている※




