061 レインボーリング
翌日は朝市に寄ってから写真館へ。
黄色く表面にはトゲのような亀甲状の突起があり、双子が好きだという果物のビリバを購入。
ララ「いらっしゃいま⋯⋯お待ちしてましたぁ~~!」
「こんにちは?」
ララ「写真はバッチリ出来上がっています!さぁ!どうぞ奥へ!」
客室らしき部屋に案内されて写真を見せてもらう。
教会の前、中、誓いの時、キスしている場面、光が降り注いでる場面、外でのフラワーシャワー、オープン馬車に乗っている姿。
「すごい、素敵。ありがとうございます」
やっぱりプロに撮って貰っておいて良かった。
全ての写真を数種類のサイズで沢山注文する。
ララ「そ、それで、あの、その⋯⋯」
モジモジするララさん。
ララ「王都で開かれる写真コンテストにこの写真で応募してもよいですか?」
「王都で?」
ララ「はい。2年に1度開かれる大きなコンテストで。1人2枚応募できるのです。その2枚を!この中から出したいのです」
「えっと、2枚とも私達の写真を?同じ様な写真より違うタイプの写真を出した方が良いのでは?」
ララ「選ばれるように違うタイプの写真を毎回出すのですが、今回はこの中から2つ出したいのです!それくらいの自信作なのです!!」
「2人はどう?」
私は前の世界で雑誌に出ていた事もあるから、被写体としての抵抗感はないけれど、2人はそういうの嫌だと思う。
アイク「いいんじゃないか?」
アビー「ああ、条件はあるが」
あっさりと了解したので少しビックリ。
ララ「じょ、条件ですか⋯⋯入賞すれば賞金は出ますが、大した金額ではなくて⋯⋯カメラを買ったばかりで貯金もあまりなくてですね⋯⋯」
アビー「金は必要ない。まず出してもいいのは光が注がれている場面とフラワーレイン。この2つのテーマをどちらも『女神に祝福された結婚』にするなら許可する」
ララ「光のと、キ、キ、キスのが希望だったのですが⋯⋯光のとフラワーレインのとにしますからお願いします!それよりも賞金は必要ないと?」
アイク「ミツキの美しさを関係ない奴らに見せるのも本当は嫌なのにキスなんて見せるわけないだろう。俺達の結婚が女神に祝福された事を知らしめる為だけに許可するだけだ。金はいらない」
ララ「ありがとうございます!!それで叔母に伝言を頼まれてまして。時間がある時に来店して頂きたい、と」
「この後時間あるから行ってみる?奥様いるかな?」
ララ「父が今、叔母の店に行ってるので居るはずです!」
写真館を後にして宝石店へ行くと見たことのない店員さんだったけれど、私達の事を知っているようで、すぐに客室へ案内された。
客室にはララさんのお父様がいてリングの写真をテーブルに並べて話し合いをしている様子だった。
夫人「まぁ!ようこそおいでくださいました!」
「こんにちは、この写真、どれも素敵ですね」
夫人「ええ、もう、どのアングルにするか迷ってしまいまして。でもそれ以上に困った事が⋯⋯Tiffania&Moonの名前を大々的に使うので王家へご報告とエタニティリング、プレシャスリングを献上するのですが。今王家に男性は国王様と王太子様がいらっしゃって、プレシャスリングを。女性は王妃様と王女様でエタニティを。王妃様には国王様の色のレッドダイヤモンドで作成するのですが王女様は未婚でご婚約もまだしておらず、宝石の色をどうしようかと⋯⋯国王様と同じくお髪と瞳が赤色なので王妃様と同じものになってしまうのは良いのか、悪いのか、わからず」
「それなら虹色7色を使いカラフルにするのは?成人前後の若い女性でお相手も決まっていないのなら永遠の愛というより、おしゃれアイテムやお守りとしての意味合いの方が好まれるかと。カラフルなリングは可愛いと思いますし」
夫人「それですわ!!!虹は幸運のシンボルですし!王女様は今14歳でとってもオシャレにこだわりがある姫様でして。王妃様のとは違った感じのリングが喜ばれそうです!名付けてレインボーリング!いいですね!恋人がいないララもカラフルタイプがいいんじゃないかしら」
ララ父「姉さん、ララはリングを欲しがっていたが自分では買いたくないと言っていたんだよ。色をカラフルにしても買わないと思うよ」
夫人「何言ってるの!恋人のアイテムとしては自分で買いたくないけど、オシャレアイテムとしてなら買うわよ!可愛いものなら絶対に」
ララ父「よくわからない⋯⋯違いは何なんだ?」
夫人「男には分からないわよ」
☆☆☆☆☆☆
『ビリバ』
南米原産のバンレイシ科の熱帯果樹
原産地であるブラジルのアマゾン川流域では、非常にポピュラーで人気のある果物で収穫期になると大量のビリバが市場に並ぶ。
外皮には亀甲状のトゲがあり、グレープフルーツ 1個分~大きいと小ぶりのメロン 1個分の大きな実。
レモンヨーグルトのような爽やかな酸味と蜂蜜のような上品な甘さがある。
ビタミンC、カリウム、カルシウム、リンが豊富で栄養素が高い。
現地では「伯爵夫人の果物」と言われ、人気があるにもかかわらず、バナナやマンゴーのように世界へ輸出されないのは、とにかく「果皮が柔らかく、数日で黒くなって傷んでしまう(日持ちがしない)」ため。
そのため、現地を訪れた人か、自分で苗から育てた人だけが味わえる「幻の絶品フルーツ」となっている。




