062 テント
夫人「ミツキ様、この手元アングルの写真をコンテストに応募してもよろしいですか?エタニティリングとナンバーリング、とても良いバランスで収められていて是非これを!」
「コンテストに?ララさんは光の出現とフラワーレインの2枚にするみたいでしたけれど」
夫人「これはロドルフの応募用です」
ララ父「ねえさん?!俺のは新型写真機の写真で応募するんだよ!」
夫人「写真機を写真に撮って何が面白いのよ。選ぶのは一般のお客様なのに。しかも最新写真機と1つ前の写真機の2枚なんて殆ど変わらない同じような写真じゃない。1枚はリングの写真にしなさいよ」
ララ父「レンズの大きさが1センチ、大きいんだよ!革命的なんだよ?それを比較出来るようになっているんだ!」
夫人「比較なんて写真機2つ並べて1枚に収めればいいじゃない。1枚の枠をリングにしたらミンティのエタニティリングを材料費だけで作ってあげるわよ?しかも王家用のを作成後、すぐに」
ララ父「ぐっ⋯⋯ミンティが欲しがってるのをなぜ知っているんだ?来月は結婚20周年だから奮発して買おうかと思っていたが、材料費だけで済めば⋯⋯浮いた分は新しいカメラ貯金にできる!写真機は1枚に収めれば比較はできる、うん!わかった。1枚はリングの写真にするよ」
夫人「オホホホ。これでリング宣伝的にもバッチリよ!!写真展と同じ時期に近くで空き店舗を借りて販売会もするわよ!!あなた!!」
オーナー「えっ?!それは忙しくなりそうだね⋯⋯」
オーナーがいた事に気が付かなかった。
既に目元に濃いクマがあり、ひと言も発していなかったのでヒールを強めにかけておく。
オーナー「あれっ?なんか眠気が無くなってスッキリしたような、肩こりも無くなってる」
次の日はテントを見に行く。
朝市ではジャックフルーツという果物を見つけて購入。
痛くないトゲがあるドリアンみたいな見た目で俵型、凄く大きくてスイカ2つ分くらいはある。
試食があり、食感はシャキシャキしていて甘い匂いでパイナップル、バナナ、マンゴーを混ぜたような濃厚な甘い味。
双子には甘すぎるみたいなのでヨーグルトに混ぜると良さそう。
種は加熱すれば美味しく食べられるというので面白い。
テントを扱う店に入ってみると地球ほど形の種類は多くなく、大きく分けて3種類だけれど、生地や骨組みの素材の種類はレベル別で豊富にあり、タイプごとのデザインとサイズは同じなので素材を自分好みに選べる。
娯楽でキャンプのある世界観ではなく、野営時の睡眠に必要というだけで、基本は長時間使うわけでもないため、デザインや室内空間よりも簡単に設置、撤去できる事が求められている。
キャンプテントといえば思い浮かべる「しなるポール」を使って天井付近を膨らますドーム型にしているようなテントはない。
基本は金属製や木製のポールの骨組みに布を被せるようなテントになる。
①1人、2人用のは円錐形のハットテント、地球ではティピーテントやワンポールテントと呼ばれているデザインで中央のポール1本で支える、設営が簡単なテント。
とんがり帽子のような、すっきりした形をしているため、風がスムーズに通り抜けて倒れにくいが、端のほうは天井が低くなるため、荷物を置くスペースが限られる。
②ハットテントより室内空間に余裕のある正面が三角形で側面が長方形の「Aフレームテント」や「A型テント」で、こちらの世界での呼び名はブックテント(本を伏せた形)で2種類のデザインがあり、ポールの必要本数が違う。
1つは垂直に立てた2本のポールを屋根の背骨部分になるポールで繋げ、テント生地をかぶせてロープでピンと引っ張り地面にペグなどで固定するだけの3本組テント。
入口になる三角形のちょうど真ん中を棒が縦に割っている形になるから、入り口が狭くて入りにくい、ポールが邪魔だと思う人達は長いポールを「人」の字のように交差させて、屋根の背骨部分になるポールで繋げたA字のような5本組みテントを選ぶ。
③大人5人以上になったり、商隊、貴族、騎士団などが使うのは大型のパビリオンといわれる天幕。
サーカステントのような見た目で側面の壁も高いので、家のように中にベッドや家具を置いて部屋のように使える。
騎士たち用のは少し小さめの、とんがり屋根の円錐形天幕で、仕える家のシンボルカラーに染められた布だったり、家紋が描かれている。
☆☆☆☆☆☆☆
『ジャックフルーツ』
東南アジア、南アジア、アフリカ、ブラジルなどの熱帯地域で広く栽培されていて、幹や太い枝に連なってぶら下がる果実は最大で長さ70cm、幅40cm、重さ40-50kgにも達するほどの大きなサイズで世界最大の果物として知られている。
現地では非常にポピュラーで、生活に深く根付いた大衆的な果物だが、輸入規制や鮮度維持の難しさから、日本では生の果実を見かけることが少なく「希少」なフルーツとされている。
見た目はドリアンに似ていて、果実の表面には数mmのいぼ状の突起があり、熟すと全体が黄色になり、強烈な甘い匂いを放つ。
繊維状にほぐれる淡黄色から黄色の果肉はパイナップルとバナナ、マンゴーを混ぜたような濃厚な甘みがある。
種子は長円形で、これも食用になるが生の種は有毒成分をわずかに含むため、必ず加熱して食べる。
茹でると「茹で栗」や「ホクホクした里芋」、焼くと「炒り銀杏」に似ていて非常に美味しい。
熟す前の青い実は甘みがなく、食感が肉に似ているため、炒め物やスープ、カレーの具材として日常的に調理されている。




