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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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060 ギフト

馬車はメインの大通りを一周するように移動しながら、新郎新婦の目的地まで運んでくれるタクシーのような出張型送迎馬車で、新婚カップルに人気のサービスになっているようだ。


まるで凱旋パレードをしているような時間を楽しみ、宿へ到着したので御者の人へ挨拶する。


御者「あの、このガラスの呼び鈴のようなもの、どこで購入しましたか?私共の商会馬車に付けても良いでしょうか?とても素敵な音で他のお客様にも絶対に喜ばれると思うのです!」


アイク「これはミツキが作ったものだから売ってないぞ」


ガーン!という顔をする御者の人。


アビー「素材は、この街の雑貨屋にあったものだから、話をしてその店で作って貰えばいいんじゃないか?馬車だけではなく、インテリアとしても売れるだろうから、雑貨屋も喜ぶだろう」


「強度はガラスの方があるから馬車にはガラスがいいけれど、インテリアとしてならクリスタルだと、また違った音になって良いと思う。今つけてあるのは(コピーしたものだから)良ければ差し上げます」


御者「良いのですか?!ありがとうございます!!」



ミラーレス一眼をせっかく買ったのだから、ホテルのテラスに出て三脚を置き、カメラのタイマーをセットして3人とパールで写真を撮る。


そして、双子だけでの写真もたくさん撮る。

写真集にしたいくらい格好良い。


カメラをコピーして双子に基本的な使い方の説明をすると、カメラ操作をすぐ覚え、私もたくさん撮られ、私とパールの写真も嬉しいけれど、双子に挟まれたパールも良い。


ご飯は部屋で済ませ早めの就寝。


初夜の後、寝室から出られたのは翌日の夜。


パールはリビングで鹿骨をカジカジしながら雑誌を読んでいた。

最近のお気に入りは料理関係の本で「世界の肉料理」「揚げ物料理」

作ってほしいレシピのページは器用に紙の端を折っているのでわかりやすい。


ご飯を済ませ、お酒を飲みつつ女神様と狐さんからのギフトを確認する。


アイク「魔力が100も多くなってるな」


アビー「俺もだ。確かに体内に感じる魔力が増えた」


アイク「固有魔法の身体強化がSになっててギフトで『グラビティ』が追加されている」


「グラビティ⋯⋯重力?」


アイク「そうだな、何となく感覚で理解できる感じだが、相手にプラスをかければ相手は動きにくくなる感じで、グラビティを自分にマイナスにかけると、より速く動けるのは勿論、浮遊ができそうだ」


「飛べるって事?凄い」


アイク「いや、飛べるというより浮遊という表現になるな、風魔法を併用すれば移動は出来そうだがダブルの発動は魔力消費が大きくなると思う」


「!それなら魔法の絨毯は?!」


アビー「魔法の絨毯?」


「えっと、例えば広めの薄い板に私達も乗って、それにグラビティをかけて浮かせるの、それを私やアビーが風魔法で移動させるの」


アイク「なるほど。なんとなくだが出来ると思う。とりあえず1度やってみるか」


グラビティをかけたアイクがスゥ~っと天井近くまで浮いて数秒後降りてきた


アイク「アビー、ちょっと試させてくれ」


アビーの後ろから両腕を掴みグラビティをかけると浮いたけれどすぐに降りてきた。


「自分以外を浮かせるのは難しいの?」


アイク「いや、浮遊自体は問題ないが自分以外の足元が固定されてないと抱えなければ不安定だな。ミツキが言ったように何かに乗れば問題なさそうだが」



インベントリから板を出してアイクとアビーで乗りグラビティをかけるとふわりと問題なく浮遊して数秒後降りてくる。


アイク「うん、これなら問題ない。次はパール、乗ってみてくれ」


「私も乗りたい」


アイク「まだ確実に安全だとわからないから駄目だ。ミツキは軽いからパールが乗って大丈夫だったらな」


パールが乗ってふわりと浮遊してから降りてきた。


アイク「ほら、ミツキの番だ」


私も乗ってふわりと浮いた後、ゆっくりと降りてきた。




アイク「人数や重さが変わっても魔力消費は少し増えるくらいで問題ない」


アビー「じゃ、今度外に行ったときに風魔法で移動を試そう」


「楽しみ!!」


アイク「ミツキは最後だぞ。先ずはアビー、その後パールも乗せて試して安全だと確定してからだ」


「分かってるぅ⋯⋯」


アイク「口を尖らせたミツキもかわいいな」


尖らせた口を掴むようにキスをされてしまった。


「だって魔法の絨毯みたいだから、うれしくて」


アビー「魔法の絨毯⋯⋯なるほど、絨毯に乗って飛ぶような魔法に憧れていたのか」


「架空の物語なんだけどね、大好きな本だったの」


アイク「絨毯だと流石に安定しないが、板に絨毯の絵を描くか?」


アビー「囲いは付けた方がいいな」


アイク「確かに。簡単には落ちないような囲いは欲しい」


2人が私を見て言うのは落ちそうなのは私って事よね、失礼しちゃう。

でも否定も出来ない。


パールを見ると、フッと笑った後、骨ジャーキーをカジカジ再開。


むぅ⋯⋯としていたら今度はアビーに口を掴むようにキスされてしまった。



アビー「俺は固有魔法の狙撃がSになってて、ギフトは『ミラー(反射・複写)』、反射は相手の攻撃魔法を反射、相手に跳ね返す感じだな。ただどれだけの威力のものでも跳ね返せるかはわからない。俺の魔力量を超える規模のは無理そうだ」


アイク「お前より魔力量を上回る人間はそうそういないから問題ないが、魔獣だとランクによっては気をつけないとって事か」


「複写は私みたいなコピーができるって事?」


アビー「いや、物質ではなく空間だな」


アイク「部屋とかを広く出来るって事か?」


アビー「そうだな。例えばこの部屋だと倍くらいのスペースにできる。空間だけで外からの見た目は変わらないはずだ」


「同じくらいの空間を増やせる、だからミラーなのね。凄い!そしたらテントとかハウスとかも外からの見た目は変わらず、倍は広く使えるって事よね」


アイク「中が広くても外からの見た目が普通サイズなら設置するときに目立たなくできていいな」


アビー「複写した空間を維持するのに魔石が必要だがな。広くなればなるほど、魔力の消費が早いからランクの高い魔石を使った方がいいな」





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