055 妖精のような花嫁
宝石店にリングを取りに行ってから教会へ行き、結婚の誓いをする為に昨日は早く寝ようと思ったのに、2人にたくさん愛されライフはゼロ⋯⋯幸せな疲れだけどね。
ヒールが無ければ1日ベッドの住人になっていただろう。
アビー「今までミツキはミツキだけのものだったが、今日からは俺たちのものでもある。今までのように我慢できるか自信がないな」
アイク「ああ、手加減はするが我慢はできそうもない」
あれで我慢してたの!?手加減も!?
ヒールをかけると回復するのがかなり早くなるので毎回使う。
2人は強くて怪我しないし、愛し合った後は疲れどころかツヤツヤに若返って更に生命力溢れているような謎現象で、この疲労感を感じながら寝たいからヒールは必要ない、と言うので2人に愛された後の自分にだけヒールを使うけれど、今後頻度が多くなってレベルは上がりそう。
ベッドルームで化粧と着替えをして2人が待つ隣の部屋へ入ると、私を見てピタリと時間が止まったかのように2人が停止してしまった。
白ドレスのシルク生地よりも美月の白肌は艷やかに輝いていて、火竜討伐を祝うパーティーでは鮮やかな青いドレスで大人っぽく見えたが、今日の美月は綺麗なのに可愛らしくもあり、花冠姿は妖精のようだ。
「どうかな?」
ドキドキしながら聞くとビクッとして動き出し、私を抱きしめる。
アビー「綺麗だ。妖精が現れたのかと思った」
アイク「外へ出るのは危険だ。やめよう」
「綺麗だと思ってくれて嬉しい。危険だなんて大げさなんだから、ふふふ」
アイク「いや、いつも以上に危険だ。でも誓いはしたいから教会へは行かないとなんだよな」
アビー「絶対に俺たちから離れちゃだめだよ」
いつでも離れた事ないのに心配性だなぁ。
それよりも2人が、すごく格好良い。
白スーツに光る銀髪、吸い込まれそうなアイスブルーの瞳、海外のウェディング雑誌から抜け出したモデルみたい。
「2人の方が素敵だから、私の方が心配しちゃうよ」
「「ミツキ⋯⋯」」
2人から長いキスをされ口紅が落ちてしまった。
宿を出ると近くにいる人達がおめでとう、と声をかけて祝ってくれる。
女の子が数人駆け寄ってきた。
「お姉さん、すごくキレイ!!結婚するの?おめでとう!」
「妖精さんみたい!」
「私も大きくなったらこんなドレス着た~い!」
「ふふ、ありがとう。結婚するのよ」
「ねぇ、私達も花のティアラ作ろう!」
「うん!私はオレンジの作る!」
「私はピンク!」
女の子とバイバイして、宝石店へ向かう。
「可愛かったね」
アビー「ああ、子供は国の宝だ。俺たちの子もきっとかわいいぞ」
アイク「そうだ、教会で月の実を貰っておくか」
「月の実?」
アビー「高魔力の者は子が出来にくいが、その実を食べると子を授かれるんだ」
この世界に来る時に新しい体になったけれど、生理は1日だけで少しの出血、生理痛も全く無くなったので、前の世界で生理が重く辛かった私への女神様のご褒美的なものかと思ったけれど、こちらの世界では特別な事ではなかったのかもしれない。
双子に聞くと座学で習った程度の知識だけれど、やはり生理は1日で痛みも無いようだ。
異世界の妊娠、出産の事をもっと勉強しよう。
アイク「まあ、旅もしたいし暫くは3人での時間を楽しもう」
宝石店の近くまで来た時に写真館らしき店があった。
この世界でカメラはあるけれど、高価な魔道具なので一般的な庶民は持てずイベントごとに写真館で撮ってもらい、王族や裕福な貴族、一部の豪商などは魔道具を持っているが、現像は写真館でしてもらう。
着飾っているし誓いの記念に撮って貰うカップルは多いので、どの街にも教会の近くには写真館がある。
結婚だけではなく、赤ちゃん誕生の報告、5歳、10歳、成人15歳の報告など、イベントは多くある。
ガラス面には写真が飾られていて素敵な写真ばかり。
一眼レフは購入したけれど、3人一緒だと三脚が必要になるのとプロの写真も欲しくなり私達も入ってみる。
男性「いらっしゃいま⋯⋯」
女性「⋯⋯妖精って小人サイズじゃないの?」
中には中年男性と若い女性、親子らしき2人がいた。
「あの、予約していないのですが写真お願いできますか?」
女性「し、失礼しました。素敵な方達なので⋯⋯って父さん!」
男性「ああ、失礼しました。ようこそ、キャノーン写真館へ」
アイク「何枚か写真を撮りたい」
女性「ええっ!まかせてください!私ララが担当させていただきます!撮影した中から気に入った写真を購入して頂くシステムで、1枚2万Gとなっております」
アビー「あそこに飾ってあるみたいに外でも撮って貰えるのか?」
ララ「もちろん!外だと1枚3万Gになっております」
教会の階段や教会内でも写真を撮って貰う為に同行して貰う事になった。




