005 タイニーハウス
目を開けると森の中にいた。
女神様との空間は星空だったのに、今は日が昇り出したような空。
木々の間、遠くまで見渡せて視力の良さに違和感を覚えた。視力だけではなく体が軽く感じるし、少し筋肉もついた?色は元々白かったけれどキメ細かい肌になっている。
「あれ?パール、何だか小さくなった?」
小さくといってもまだ充分大きいけれど。
「フェンリルっていうのは他の人間に知られない方がいい。この大きさならシルバーウルフに思わせられる」
確かに、神獣と知られないようにした方がいいよね。
早速準備をしようとスマートフォンの画面を付けるとアプリのアイコンが何個か減っている。
よく使っていた検索サイトやニュースなどは見られ、向こうの世界でも変わらない日常が流れているのがわかった。
メールアプリは無くなっていたけれどSNSで消えていないのもあるので確認してみると投稿、発信や向こうの世界の人とやり取りは出来ないようだ。
トップ画面に戻しGマークを探しタップすると、数字が表示され0になっている。
インベントリから白金貨を出そうとインベントリの中をリストアップする感じで通貨を思い浮かべたのだけれど、通貨が多い。
数えてみると白金貨100万が20枚、金貨10万が50枚、銀貨1万が90枚、白銅1000Gが70枚。
1000万と狐さんは言っていたけれど、両親が残してくれた遺産などを含め貯金が約1500万あったから、それもインベントリへ入れてくれたみたい。
白金貨を1枚Gマークに近づけてみるとスゥっと吸い込まれ、数字が1,000,000になった。
ネットショップでアウトドア関連のカテゴリを見てみると、沢山のテントはあるけれど魔獣以前に小さな獣にでも吹き飛ばされそう。
雑誌やテレビでよく見る外国製で屋根に丸みがある銀色メタリックのキャンピングカーが画面に出てきて惹かれるけれど、この世界に車はあるの?とパールに聞くとこの世界の移動は徒歩や馬、乗り物は馬車。
兵器や環境破壊を引き起こす物、こちらの世界で使えない物は表示されない、表示されているのならこちらの世界仕様にシステムは変換されるというのでガソリンではなく魔法、魔石を利用できるように変換され走行できると予想できた、のだけれど車がない世界で自走する塊は目立ちすぎる。
それにインベントリに収納出来るのに大きな乗り物で移動するのは非効率だ。
でも長期間のテント生活は無理。
移動手段としては使わず簡易的な家として利用すればいいかな?と思いながらスクロールしていろいろなキャンピングカーを見てしまう。
そしてキャンピングトレーラーのカテゴリーになった。
自走する運転機能が無いけれど、牽引すれば移動できる小さな家のようなキャンピングトレーラーは、サイズも大小豊富で運転席やエンジンルームなどの空間が無い分、外側のサイズが同じでも居住空間がキャンピングカーよりも広く、牽引免許が必要になる大型モデルは、更に広い居住空間になっている。
牽引して移動はしないから牽引免許が無い私でも問題ない。
この世界に免許制度はないけれど。
そして似た物でトレーラーハウス。
キャンピングトレーラーは旅行時の移動宿泊が主な用途で、トレーラーハウスはタイヤが付いていて移動は可能だけれど、基本は長期間定位置で使う住居建築物に近い車両、なのでトレーラーハウスの方がキッチンや浴室、トイレなどの設備は揃っている。
キャンピングトレーラーは車両としての制限サイズがあり、トレーラーハウスも基本はそのサイズ内が多いけれど、超えても特殊な許可を得て専門業者に頼めば移動は可能。
タイヤが付いていない似た大きさの物でタイニーハウスがある。
たとえ同じ大きさでも車輪がついて移動可能と認められると、トレーラーハウスは車両扱いになる事で自動車税はあるが、建築物ではないので固定資産税がかからない。
税金以外の事、手間や住宅ローンなど、長期で見ればそんなに差は無い気もするが。
タイニーハウスは「小さな家」と言う意味で、木造や鉄骨など素材の種類は多い。
次はログハウス、コテージ。
ログハウスは中身のない家枠のみで、コテージはキッチン・トイレ・シャワーなどの設備を備えたもの。
ログハウスは大きさの種類が豊富だが、キッチン、トイレ、シャワー、クーラーや家具などの設備が無い分、同じ大きさのトレーラーハウスなどと比べると半額以下など、価格が安いのが多い。
コテージはキャンプ場にある施設やプチ別荘みたいで住居としては完璧だけれど、大き過ぎて森の中では設置スペースを探すのに時間がかかりそうなので、選ぶならトレーラーハウスかタイニーハウスがいい。
むむむ、と悩んで、、、白金貨を10枚チャージしてタイニーハウスをポチり。
外装、内装も文句無しだけれど、お値段800万。
インベントリから取り出してみると。
「わぁっ!森の雰囲気にも馴染んでアウトドア雑誌に出てきそうでかわいい!」
デザインやボディの色、素材の種類はたくさんあったけれど、この世界や森で目立たないように外装は濃茶の木造を選んだから、パール的にはただの木の箱家というだけにしか見えないようで、かわいい???という顔をして首をかしげている。
これを選んだ理由は敷地面積がなるべく小さいものを、その分、高さが欲しかったのでタイニーハウスにした。
ロフト付きなので居住空間は充実していて、キッチンやトイレなどは住居並みの設備があり、クーラーも壁ではなく天井のルーフエアコンになっていて壁沿いに設置された収納棚も無いため、自分でカスタムできるようにスッキリとした空間を広々感じられるのが良い。
屋上はテラスになっていてアンティークのフェンスがかわいい。
キャンピングカーやキャンピングトレーラーは、壁に沢山の収納棚が取付けられている物が多いけれど、この世界ではインベントリがあるから棚はあまり無い方がいい。




