043 新婚旅行の計画
秘密も無くなったし故郷の食材での料理、基本の家庭料理を食べてもらおう。
メニューは肉じゃが、鶏の唐揚げ、きんぴらごぼう、キャベツと塩昆布の甘酢和え、大根と油揚げの味噌汁。
ネットショップで必要な食材を購入。
アビー「なんか、ほっとするような、懐かしいような、旨味が染み込んでいて野菜嫌いな子供でも勢い良く食べそうな美味さだ」
アイク「甘いだけだと飽きが来るものだが、塩気も絶妙にあるからずっと美味くて止まらないな」
甘じょっぱい味って旨味を感じるよね。
美味しい!と沢山食べてくれて、パールは山盛りの唐揚げを食べていた。
コピーは便利だけれど、作らないと料理スキルが上がらないので、こまめに種類は多めに作ろうと思っている。
新婚旅行の計画をする。
こちらでは新婚旅行ではなく結婚旅行と呼ばれ、新婚時だけではなく、毎年や数年ごとには記念日旅行する人は割と多いらしい。
娯楽が少ない世界なのと、移動に時間をとるので近場でも最低1週間くらいは旅行期間を設ける。
車や電車、飛行機を知っている私には移動に時間がかかり過ぎると思ってしまうけれど、この世界の人的には馬車が当たり前の移動手段だから移動に時間がかかるどころか、徒歩より早いので自家馬車は贅沢な移動手段だ。
聞いた感じだと、前の世界に比べて国の一つ一つが小さく、隔てる海があったとしても狭いから違う国への距離的には短いところが多いみたい。
比較的大きな街と街を繋いでいる道には乗合馬車の便数が多かったり、そういう道は冒険者も多く通るから盗賊に襲われる事も滅多にない。
野営用品は2人共に持っていたけれど、1人用のサイズなので家族用のを新調する事になった。
普段はハウスで良いのだけれど、設置スペースが無かった場合やダンジョンでは目立つからテントの方が良い。
地球産のキャンプ用品は種類も機能的にも良いのが多いけれど、見た目が違いすぎるからやめておこう。
「長期に野営する時があるかもしれないから、このコテージを持ち歩くのはどうかな?スペースが無いときやダンジョンではテント、普段はハウス、ゆっくり休みたい時や置けそうならコテージを設置するの」
アイク「ミツキのインベントリなら持ち運び可能だな」
アビー「どうせなら新しいコテージを買おう。風呂が欲しいだろ?キッチンや夫婦の寝室はもっと広くしたいし」
アイク「そうだな、俺達は完成してたものを買ったが間取りをオーダーも出来たよな?ミツキが料理しやすい配置や暮らしたい間取りにしよう」
アビー「サイズはこれの2倍近くのもあったからそっちが良さそうだな。個室は無くていいから、いつもミツキと居られるようキッチンと寝室、風呂は広くしてくれ」
アイク「ベッドも大きいのにしよう」
新しいお家、自分好みにできるなんて嬉しい。
残るはテントの時のトイレ問題。
アウトドア用のポータブルトイレはネットに数多くあるし、こちらの世界でも似たようなのはあって、野営時に利用するようだけれどテントの中ではしたくない。
テント生地で個室を作ると強度が弱く、仮設トイレは汚水処理が魔法に変換されるから匂いや衛生面では地球より快適そうだけれど、ネットショップのは外観がプラスチックな見た目だから目立つので、コテージを買う時にトイレの外枠を別で頼んで買うことにした。
地図の確認をする為にアイクが持っていた地図を出してもらい、前に文房具屋で買った大きめな紙に地図を大まかに真似て描く。
絵描きのスキルがあるので思ったより上手く描けた。
コピーをして、2人に渡す。
「これはいつか何かに使えるかもだから取っておいて。こっちは旅行の記録専用にして色々書き込んだりしていこうと思って。知っている場所や聞いたことのある、それぞれの特徴を教えてくれる?」
アビー「ミツキが食べたがっていた魚が豊富なのは隣国にあるイゼジマ、ここだ。宝石のパールも有名だな」
「割と近いのね」
アイク「ここの森が隣国との境目に近いからな」
アビー「フラシル国の海でも魚は捕れるぞ。ここ、レンゾイズ。王都にも近く貿易も盛んな大きい港街だ。白い砂丘があって雨が降って溜まると綺麗な湖が大小たくさん出現して泳いだり、ボートで遊べるくらい大きいサイズも」
アイク「王都はここ、俺達が育ったボニードはこの辺り」
アビー「この川を登ったところにダンジョンがある」
アイク「ダンジョンはアシア連国のここ、火山の近くにもある」
「火山の近くに温泉がある?」
アビー「ああ、何箇所か見たことはあるが、あれは怪我や病気に効くみたいで、それ目的で遠くから来ている客も多いと聞いた。しかし、すごい匂いだぞ」
温泉というより湯治?硫黄?成分が濃いのかな?
アイク「湯が沸く場所は火山の近くでなくてもあったぞ、確か。各地で探しながら寄ってみよう」
アビー「火山近くの港町チェンマーイとフラシルの港街レンゾイズは大型船が、チェンマーイとレンゾイズの中間地点にあるイゼジマは中型船でチェンマーイとレンゾイズにそれぞれ運航している。」
「どこも素敵な所に思えて迷っちゃう」
アイク「全部行けばいい」
アビー「ああ、イゼジマ、チェンマーイ、船に乗ってレンゾイズの流れで行けばいいんじゃないか?」
アイク「レンゾイズから王都、その後にボニードだな」
「本当に!?すごいうれしい!」
2人に抱きつく。
キラキラした瞳で喜ぶミツキは本当に可愛くて、愛しく思う双子だった。




