035 街11日目、商業ギルド
店を出て歩き出して、ふと気になり2人に質問してみる。
「2人は行った事ある?」
アイザック「ああ、急ぎの依頼で2日間くらいしか泊まってないが」
アビゲイス「確かにこっちには無いスパイスの味が多かったな」
「魚とか味噌とかは食べた?」
アイザック「魚は勿論食ったが、味噌は⋯⋯どうだったか?」
アビゲイス「たしか、スープが味噌って言ってなかったか?俺には少ししょっぱかったが」
「赤味噌かな?私は白味噌のほうが好きなんだけど、白はあるのかな~」
アイザック「今度行くか?」
「え!?隣と言っても遠いよね?」
アイザック「冒険者なんていろんな街、国へ行く。それとも結婚の記念の旅にするか?」
「新婚旅行!?」
アビゲイス「向こうでは新婚旅行というのか?こっちでは毎年のように結婚旅行する夫婦もいるぞ。隣国だけじゃなくて、いろいろな国をミツキに見せてあげたいな」
『2人と』結婚して旅する事を想像してしまった。
すごい幸せで楽しいだろう事はわかっている。
でも渡り人とは知っていても、一度死んでいて女神様が作ってくれた体とは知らない2人。
言わないままでは結婚出来ないけれど、1度死んでいたなんて、どう思われるのか凄く怖い。
でもこの2人なら⋯⋯打ち明けてみようかな。
翌日、朝食を食べながら少しボーっと考え事をしていて、2人に心配されたけれど商業ギルドへ
マスターはニコニコ笑顔だ。
マスター「それにしてもフードプロセッサー、ジューサー、ドライヤーというのは素晴らしいですね。構造がシンプルとはいえ完成した数がまだ少ないので、試験的に関係者に販売してみたのですが、とても評判が良いので貴族だけではなく、平民にも多く売れる事でしょう。温風で早く乾かせるだけではなく、艶が出てクセも出にくくなると評判です。女性はもちろん、男性もこっそり奥さんのを使っている、自分専用のが欲しいから早く販売してくれ、と言っている人もいると聞いております」
アビゲイス「俺はミツキのアイデアを商品化しただけだ」
笑顔だけど目が笑ってないマスターは私をジッと見てきた。
マスター「素敵な女性ですね。不思議な魅力があり、アイザック様、アビゲイス様と婚約された話題の方でもある。パーティーへは限られた人物しか参加していないのに、数日後には街中の女性達が知り、泣き暮らしているようですよ」
アビゲイス「ミツキ以外の女が泣いていようが、俺達にはどうでもいい事だ。ところでドライヤーが落ち着いたら出そうと考えていたものがある」
マスター「それは是非とも伺いたいです」
アビゲイス「これなんだが、ヘアアイロンという物だ」
マスター「不思議な形ですね。何かを挟むような」
アビゲイス「髪を挟むと熱によって真っ直ぐになる。巻きつけると丸みを帯びた髪にできる」
マスター「ミツキさまの髪が綺麗なのもこれで?」
アビゲイス「ミツキは使わないでこの髪だ」
マスター「素晴らしいですね。しかもご自分では必要のないものを考え出し作り出す。是非とも我がギルドで働いて頂きたいくらいですよ」
「実際に作ってくれたのはアビゲイスさんですから」
マスター「実際に使い方を見る事は可能ですか?」
「はい。クセのある肩くらいの長さや腰くらいまである女性はいますか?」
ショート、ミディアム、ロング、3人の女性店員さんが連れてこられた。
双子に見惚れている間に髪をセットしてしまおう。
ショートの人はクセが強いが温度大にしてストレートに。
髪に熱を当てることにより、キューティクルが閉じて艶も出てくる。
綺麗な艶のあるストレートになった。
ミディアムの人はクセは少なめで、肩について外に跳ねている部分もある。
上の部分は温度中にしてストレートを使い、下の部分は温度大にして内側へカールさせ内巻きヘアに。
サラサラして下が内側へ綺麗にカールできて可愛い髪型になった。
ロングの人はクセは無いが猫っ毛なのか、フワフワと纏まっていない。
熱に弱そうな髪なので温度は全て中にして、上は少しストレートを使い、耳から下の髪はカールを使い巻く。
艶のあるゆるやかなウェーブヘアになった。
マスター「素晴らしい!もしや、私の髪もそんなふうに見違えるのでしょうか?」
ボリュームのある少しうねった髪なのでもっさり見える。
最大温度にしてストレートを当て、毛先は少しカールで遊ばせるとオシャレなイケオジになった。
双子は私が男の人の髪を触るのを嫌がったけれど、2人はサラサラツヤツヤな髪でアイロンは必要ないから、男性の見本にならないのだもの。
マスター「なんと!あのドライヤーで毎朝苦労しなくなりましたが、短時間で更にこんなに変わるなんて!!」
女性3人は他の人の髪がアイロンによって変化していく様子に夢中だったのだが、イケオジの大声で我に返り、変身したイケオジにビックリした。
そして自分を鏡で見て更にビックリ!
女店員1「え!?なんで?真っ直ぐになってる!艶も出てる!今日友達とご飯に行って自慢しないと!」
女店員2「かわいい!サラサラにもなってる!仕事終わったらデートしなきゃ!」
女店員3 「早く夫に見せたいから早退しようかしら」
「「「マスター!格好良くなってます!!」」」
マスター「君たちも素敵だよ。ミツキさま、すごいですね、これは。ドライヤーに負けないくらい男性にも求められる商品になりそうです!すぐに特許の登録と製作に入ります」
「これは濡れた髪にすると、凄く傷むので乾いた髪に使用するように、注意書きを忘れずにしてください」




