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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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029 街5日目、婚約の証

朝食後ギルドへ行き、竜をインベントリから取り出して提出。

この後はギルドが更に切り分け素材に分類し、オークションにかける。


用事はすぐに終わってしまったので買い物をしようとなったのだけれど、この世界では婚約の証としてネックレスを贈る習わしだからと、宝石屋さんへ連れて行かれた。


大きな入り口から入ると広い店内にショーケースが置かれていて、お客様はいないようで、スタッフらしき人が2人いてケースを綺麗に磨いていた。


入り口近くにいた年配の男性が双子に気が付き、2階へ案内してくれる。

2人は採掘のスキル持ちでダンジョンで採掘したり、宝箱から手に入れた宝石類を何度か持ち込んでいる店なのでお得意様らしく、オーナーがすぐに出てきた。


ダイヤモンドの街ではあるけれど、ダンジョンの下層エリアで採掘されたり、宝箱から出たダイヤモンドの方が質が良い事が多いらしい。


オーナー「これは、これは、お久しぶりでございます。今回は⋯⋯」


アイザック「婚約の証を購入する為に来させてもらった」


オーナー「!!!えっ?ご婚約ですか?おめでとうございます!!!お綺麗なご婚約者様ですね。私、こちらのオーナーのマグナムと申します」


「美月と申します」


オーナー「アイザック様とアビゲイス様には買取で大変お世話になっておりますが、販売は初めてさせて頂くのでお好みがわからず⋯⋯ご希望の物の傾向などをお聞かせください」


アビゲイス「ブルー系の宝石で種類は特に指定しないが、質がいいのを中心に見たい」


アイザック「俺達が下層エリアから持ち込んだようなランクの物を。良い品質ならダンジョン産でなくてもいい」


オーナー「お任せください!」


数分後、戻って来たオーナーがブルー系の宝石をテーブルに並べてくれた。


サファイア、アクアマリン、ブルーダイヤモンド、ブルートパーズ、たくさんありすぎて選べないし値札がないのも怖い。


ダイヤモンドの街と言われるだけあってダイヤモンドは沢山あるから、他の宝石に比べて値段は高くないのかも?と思いつつ、カラーダイヤモンドは希少かもしれない。


仮の婚約でこんなに高そうなのを買うの?

うんうん唸って迷ってしまう。


アイザック「これいいんじゃないか」


ラウンド型の大きなサファイアの周りを小さなダイヤモンドがグルっと並び囲んでいて、チェーンにもダイヤモンドが短い間隔を空けて付いている。


アビゲイス「宝石に詳しくないが、見たことのない大きさのサファイアだ」


「ブルームーンみたい」


アイザック「故郷では月が青くなるのか?」


「いつもの周期より多く満月になる珍しい現象で、空などの条件で青っぽく見える事もあるけれど、月が本当に青くなるわけではないの。めったに見られない現象だから、運命的な出会いや奇跡を表現しているだけで。初めて出会った時に2人の瞳を見た時もブルームーンという言葉が思い浮かんだの」


2人の瞳は太陽の下ではアイスブルー、夜や暗い所では深いブルーに見える。


アイザック「よし、これにしよう。つけてみてくれ」


アビゲイス「うん。ミツキの白い肌によく似合ってる」


オーナー「さすがお目が高い。最近入ったグレードの高い希少なサファイアを使ったものです。ここまで大きくはないですが値段はそこまで変わらない、ブルーダイヤモンドをご覧になりますか?大きさ的にリングにしてあるのですが、ご希望があればネックレスに加工いたしますよ」


手もみしながらお勧めしてきて、リングを出してきた。


3、いや、4カラットくらいの大きさがある気がする。

こんなに大きいのは買おうと思った事がないから、ハッキリとはわからない。


アイザック「似合ってる。これもいいな」


「でもわざわざ加工しなくても。それにさっきのネックレス素敵だったもの」


アビゲイス「これはリングのまま買えばいいんじゃないか?」


アイザック「そうだな。両方買おう」


「婚約はネックレスなんだよね?それでリングもなんて⋯⋯」


アビゲイス「でもミツキの国では婚約はリングなんだろ?俺達2人からだから2つ贈っても別に変じゃない」


「婚約はリングの風習だったけれど、でも、こんなに大きいカラットのを貰うなんて、身近な人で見たこと無いもの」


アイザック「向こうの国ではどれくらいの大きさを贈るのが一般的なんだ?」


「えっ?人によって違うと思うけれど、(私のは)1カラットくらいだったかな?」


「「これに決まりだ」」


すごく高そうなのに、2人はご機嫌でオーナーさんとやりとりしている。


そういえば婚約指輪と結婚指輪、引っ越し荷物でインベントリに入っているかも。


カット方法、プラチナやダイヤモンドがこの世界と全く同じなのかわからないから売りには出せないけれど、このまま持っていたくもないから今度狐さんに会えたら相談してみよう。


「私も2人に何か贈りたい」


2人は遠慮するけれど、お返ししたい。


「2人が思っているよりお金は持っているし、火竜のお金も入ってくるから大丈夫!!」


ブラックダイヤモンド、ブラックオパール、ブラックオニキスのリングを出して貰う。


男性用のはプラチナのリング幅が太めになっていた。


石言葉で不滅の愛、永遠の強さ、魔除け、強さの象徴の石ともいわれているから男性に人気があるブラックダイヤモンドがいいかな。


石はリング幅に埋め込まれた粒の大きさで2つで80万。


双子は価格がわからないように支払いを終えてしまったので、ネックレスとリングの価格がわからない。

お返しは半返しが良いけれど、今の私には返せない額になるのはわかる。

いつか、何か別の事でお返し出来る機会があるといいな。


アビゲイス「アクセサリーなんてしようと思ったことないが、これは一生つける」


アイザック「ああ、剣と同じくらい大事にする」



挿絵(By みてみん)





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