表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/56

024 おでこにキス

間取りは広い2部屋で大きなソファセットとダイニングテーブルセットの部屋と、もう1部屋は1人用ソファが4つとテーブル、ベッドが特大タイプの1つしかない!


高級宿なのにサウナはあるけれどお風呂はない。

サウナも好きだしクリーンは便利だけれど、そろそろ湯船に浸かりたい。

 

以前聞いていたとおり、サウナに比べて風呂施設は排水の問題があって、高価な魔道具を使ったり魔力消費が高いクリーンを排水処理に使うより、自分の身体を直接クリーンした方が使う魔力量が少ないし早い。  


火や水などを発生させる魔法に比べ、既に存在している物質を消し去るのは魔法でも大変なのか消費魔力が大きい。


例えばバケツ一杯の水を発生させるのに魔力10だとしたら、クリーンして消し去るのには6倍近く消費する。

普通の水ならその辺にこぼしても平気だけれど、ゴミや汚水をその辺に捨てると処罰の対象になる。


地下に張り巡らされた排水管はないので、トイレやキッチンシンクにもそれぞれ排水処理の魔道具が組み込まれている。


魔道具自体高いのと動力のもととなる魔石も必要なので、高級な宿でも基本的に風呂は設置されていないが、サウナは一般家庭でも設置している家は多い。


風呂の設置は富の象徴でもあり、湯船に浸かるのが好きな王侯貴族や富豪等も多いので、裕福な家や屋敷持ちは設置していたりする。


食事は別料金で頼めるので、夕食は宿の食事を頼み部屋で食べる。

高級宿だからなのか食堂よりも値段が高い分、素材も良い物を使って作っているようだ。


アイザック「ミツキはどんな店へ行きたい?」


「衣料品、調味料、異国の珍しい食品、布や毛糸、雑貨かな」


アビゲイス「布?俺達に服を作ってくれるって言ってたな」


「うん。それとは別で商品になるような物を作れるかも試したいの。持ってるスキルで何の仕事ができるのかなって考えてて。裁縫で衣類系、薬師で化粧品、料理で食堂かテイクアウト販売が仕事にできそうかなと思ってて」


アビゲイス「そんなに急いで探さなくてもゆっくり探せばいい。そして食堂や販売はだめだ。たくさんの奴らの目につく。それにパールが稼ぐだろう?」


「パールはたくさん食べるし、マスターが言ってた渡り人の人は宰相だけじゃなく公爵様にもなるような凄い人で有名だけれど、私は宰相はもちろん、貴族にさえなれないもの。だからそんなに目立たないと思うの。私の属性は多くてもランクは高くないし、たくさんの属性持ちより1つでもランクが高い方が希少でしょう?」


アイザック「才能や属性、希少関係なく、ただ単に見た目だけでも狙われやすいんだ。今日だけでも街中どこへ行っても、たくさんのやつらが見ていただろ」


「あの視線の先はほとんどがアイザックさんとアビゲイスさん、パールだったよ」


「「はあ~~~⋯⋯」」


2人して大きなため息をつかなくてもいいと思うの。


アイザック「とにかく、しばらくは仕事を探すことより、この世界に慣れるようにすることの方が優先だ」


「はい⋯⋯」しゅんとしちゃう。


アビゲイス「そろそろ寝るか」


ソファで眠るのを強行して横になる。

お酒も飲んだし疲れていたのか、すぐ眠ってしまった。



ーーーーーアイザック、アビゲイス sideーーーーー


ミツキが寝たのを確認すると2人で寝室へ行き、ソファに座って話し出す。


アビゲイス「ミツキの無自覚は恐ろしいね」


アイザック「ああ、俺たちが殺気を出しても街中であの視線だったんだ。ミツキだけになったら数秒で攫われる」


アビゲイス「女たちも俺たちのことがなくとも、自分より魅力のある女には敵意を向けるからな」


アイザック「それにしても仕事探してすぐに出て行きそうだな」


アビゲイス「誰にも頼ろうとしない、自分だけでどうにかしようと必死な感じだ。話を聞いた感じ、前の世界でも一人で頑張っていたんだろう。女が夜遅く1人で歩き、小さなナイフを持ち歩くだけで捕まるなんて、危険が全くない国だったようだから大丈夫だっただけだ」


アイザック「そろそろ俺たちの気持ちを伝えていった方が良さそうだな」


アビゲイス「ああ、まさか不倫されていたなんて。愛している夫が死んでしまったばかりだと思って、気持ちを伝えるのは癒しながら時間をかけようと思っていたが」


アイザック「辛そうだったのは、傷つけられたことを思い出していたからなんだな。どれだけの幸運を掴めていたのか理解していなかったその男は、愚かだし死んで当然だ」


ミツキをソファからベッドへ運ぶが、抱き上げて動いても、美月を挟んで横になった双子がしばらく寝顔を見ていても全く気が付かず、かわいい顔をしてスヤスヤと熟睡している美月。


安心しきってくれているうれしさと同時に、危機管理能力が皆無なのにはあきれてしまった双子だった。


廊下との出入り口ドアの近くでお気に入りクッションに身を沈め、鹿骨ジャーキーをかじりながらゴロゴロと過ごして我関せずなパールは、出会った時から双子に好意的だ。


戦闘時に美月を1人にするのは気になるし、好奇心旺盛で理解しがたい予測できない行動を時折する美月の傍に双子がいるのは安心できる。


傍にいるというか張り付き、執着が強そうなのは少し気にはなるが、人族の中で頂点に近い強者で、美月を守り、大事にするだろうことが本能でわかるので、美月が嫌がらない限り排除をする気はない。


朝起きたら、2人に抱きしめられていました。

??ソファで寝たはずなのに。


でも、抱きしめられるって、こんなに心地良かったっけ?

こんな生活をずっと出来たら⋯⋯なんて想像してしまった。


「「おはよう、ミツキ」」

2人から、おでこにキスをされ思考停止してしまった。


アイザック「今日もかわいいな」


アビゲイス「真っ赤になってかわいいね。よく眠れた?」


眠れたけれど、起きたら2人の雰囲気がおかしい。

家族部屋だから?と意味がわからないことを思うくらいパニックで、パールを視線で探したら目をパチリと開けてこちらをチラリと見た後、あくびをして目をつぶってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ