021 フラシル、ディアマンテ冒険者ギルド
2階に上がり慣れた様子で迷うことなく奥の方の部屋に入るとゴリマッチョな人がいた。
マスター「久しぶりだな。え?⋯⋯最近顔を見せないと思っていたら、初めて女連れで来たからビビったぜ。それにしてもデカいウルフだな。あれ?サリーは?」
アイザック「あの女に今後俺達に近寄るなと言っておけ」
マスター「おいおい、俺に威圧するなよ。あ~~、だいたいわかった。うちの者が悪かったみたいだな、すまない、お嬢さん。俺はギルドマスターのラドルフだ、よろしく」
「えっ?いえ、大丈夫です。美月といいます」
マスター「サリーがいないから俺が淹れるコーヒーでいいか?」
「あ、良ければ私がお出しします」
暑いからストックしてあるアイスコーヒーとグラスをテーブルに出す。
マスター「おっ、アイスコーヒーか、早速頂こう。んん?すげえうまいな。なんて豆だ?」
「えっと、確かサントス?だったような」
マスター「俺もよく飲む豆だが、何か違うな。何でだ?」
「同じ豆でも深煎りで多めの量を濃く抽出して氷で冷やす淹れ方だとキリッとした味になりますし、これはホットの時よりも豆を少し細挽きにして半日ほど時間をかけて水出し式で淹れたのでホットを冷やしたものより酸味と苦味が柔らかくなっているのかと思います」
マスター「半日もかかるのか。確かにアイスならこれくらいほのかな酸味と苦味がいいな。嫁は浅煎りを好むが深煎りでもこの淹れ方なら気がつかないで美味しいと言いそうだ」
アイザック「今日はミツキの冒険者登録と従魔登録をしたい」
マスター「冒険者には全く見えないが、その従魔なら登録するよなぁ。黒目⋯⋯出身はどこなんだ?」
すごい眼力で見られてる。
アビゲイス「ミツキは渡り人だ」
マスター「なるほど、渡り人か。何十年かぶりに聞いたな。確か隣のアシア連国だったか」
アイザック「ああ、その話詳しく知っているか?」
マスター「んー、確かその渡り人は今は60歳前後じゃないか?宰相になるほどの秀才で公爵家へ婿に入り、領地は元々栄えていたが更に栄えさせたって話だったな。今は隠居して領地のどこかにいるらしいが。 渡り人は権力者には魅力的らしいから気をつけろよ。魔力や知識、何かしらに秀でているものがあるという話の上にお嬢さんは黒い目と髪で見た目にも目を引く。目は属性の色が強く反映されるから属性が多いのがわかるしな。目が漆黒の黒なんて初めて見たぜ。元公爵は見たことあるが金髪碧眼だったぞ」
属性は1つだけ、という人が大半だが、双子の属性は風、水、氷。
室内と太陽の下では青さの濃さが違って見える綺麗なアイスブルーの瞳。
私は全属性だから全部を混ぜて黒、絵の具を数種類混ぜると黒くなる、あの感じなのかな。
渡り人は宰相。すごく頭の良い人なのね。
金髪碧眼だと日本人では無さそうだし、もしかしたら元の世界も地球ではないのかも?
マスター「で、冒険者カードだったな。この機械に魔力を流してくれ」
ピーっと音がしてすぐ終わった。
ランクはFからスタート
表示は登録されたギルド用個別番号、名前、ランク。
討伐履歴、魔力量、属性はカード内部に登録されるようになっている。
カードには預金機能、タッチレス機能がある。
基本的に店などにはタッチレス機能の機械があり、キャッシュレス決済が出来るが、短期的に開いている店や露店等は硬貨で支払う。
冒険者、商業、薬師ギルドなど、ギルドにはATMのような機械があり金貨を引き出したり入金できる。
暗証番号システムは無いけれど、カードには魔力が登録されていて、ATMでは魔力を使い機械操作するのでDNA認証のように魔力が違う他人がカードを不正利用する事は出来ないからすごい。
しかも冒険者ギルド、商業ギルドなど、複数に登録している人はカードをリンクさせて預金を1つにまとめる事もできる。
薬草は薬師ギルドに売るため獣系のみ買取をお願いすると解体場へ案内された。
さすが高ランク、2人の狩った獣や魔獣が山盛り。
パールが狩った獣や魔獣をカウンターへ出すとビックリされつつ、美味しいと聞いた肉は解体後、一部を引き取る事を伝える。
マスター「お前らは相変わらずだが、お嬢さんも凄い。最近魔獣は入って来なかったから助かる。それにしてもこのワニ、カイマンで魔獣でもないのにデカいな。かなり奥地にいるやつじゃないか?これだと短期間でランクアップしていきそうだな。シルバーウルフとお前らがいれば大丈夫だろうが気を付けろよ。冒険者なら高ランク相手に手は出さないだろうが、権力者や商人は頭使って罠を仕掛けてくるからな」
アイザック「ああ、わかっている。また何かあったら教えてくれ」
ーーー3人が冒険者ギルドを出た後の冒険者達ーーー
「久々に見たけどあの双子、何か顔つきが変わったよな」
「ああ、前なんて常に視線で殺すくらいの目つきだった」
「さっきはすげえ甘い目してたな。殺気だけは周りに飛ばしてたが」
「だって、ほら、あそこの女達が突撃しそうになってたからな」
「それにしても一緒にいた女、見たことないし異国人ぽい見た目だったな」
「冒険者には見えないが、あの従魔の主だろ?」
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レアな獣や魔獣でなければすぐに査定額がでるけれど、今回のは買取金額の確定に少し時間がかかると言われたのでギルドを出て歩き出すと、すれ違う人達は視線どころか凄い形相で私を睨む女性が多く、彫りの深い美人は睨むと迫力あって怖い。
この双子が高ランク冒険者ではなく、ただの美丈夫なら海外スターみたいに揉みくちゃにされて、私は邪魔だとポーンと突き飛ばされているはず。
男女とも、見た目は地球でいう南米系。
男性は背が高く筋肉質。双子は190cm。
185くらいが平均かな?というくらい背の高い人が多い。
女性は170cmの私と同じくらいの人も多いけれど平均値は165cmくらいかな?
背が低くても魅惑的なボディな女性が全体的に多い。
服装は原色や派手なのが好まれているようだ。
二人がピリピリして周囲を警戒している雰囲気。
街へ行きたくないと渋っていたのは、こうして注目されるのが嫌だからだろう。




