014 青い宝石鳥
少しでもお礼をしたくて、食事は私の担当にしてもらっていた為、早めに起きてリビングへ向かうと、双子は庭でトレーニングをしていた。
インベントリにストックしてある料理を、テーブルに取り出す。
ホットサンド3種類、野菜オムレツ、ハムステーキ、ササミごまサラダ、ロールキャベツポトフ。
アイザック「本当に美味いな」
アビゲイス「ああ、俺も多少作るが、焼くか煮るかくらいだからな」
パールは私の5倍は軽く食べるから、コピー魔法があって本当に助かっている。
食事が終わり、ソファで紅茶を頂く。
アイザック「さっきフライングブルーダイヤが飛んでいたから、見に行ってみないか?」
「空飛ぶブルーダイヤモンド?」
アビゲイス「ああ、滅多に見られない鳥で“”宝石鳥“”や“”幸せの青い鳥“”とも言われていて、大陸の中でこの森の奥地でしか生息していない希少種だ」
常に魔素の濃い森中央の沼地にいるが魔獣化は絶対にしない。
魔獣化しない理由は不明で、宝石のような美しさなので乱獲防止の為、国から討伐及び捕獲禁止指定されている鳥で、時折中央から出てくる事が稀にあり【見られただけでも幸せになる】と言われている。
愛馬のアイス、ウインドに乗せてもらい街方面へ30分程移動すると、3m幅くらいの川に着いて、いつもジャンプして渡っているし、私が乗っていても問題ないと言うけれど、気持ちの問題があるので、あわてて土魔法で馬が通れる橋を作った。
街から森奥地に行くルートは何個かあり、この川をわざわざ渡る意味がないから双子の家周辺にまで人が来ることがない為、あの場所に家を置いたというので橋はすぐに土に戻した。
ヤシの実が好物らしいので、好みそうな場所を探しながら川から移動して数か所目の広場でランチをして、その後もヤシの実が群生している箇所を見つけたけれど鳥はいない。
でもそこは花も沢山咲いていて小さな赤いマンゴーの木もあり、心地よい場所なのでここでお茶休憩にする。
パールは森を探索すると言って走っていった。
テーブルセットを出して紅茶を淹れている間に、アイザックさんとアビゲイスさんはヤシの実とマンゴーの実を採ってくれている。
アイザックさんがスイスイと木に登り、実の付け根をナイフで切り離し、アビゲイスさんはマンゴーの実をジャンプして採っている。
私は紅茶とブルーベリーパウンドケーキ、オレンジパイ、ジンジャークッキーを用意していると、数匹の綺麗な青いチョウが飛んできた。
光に当たると、より輝く美しい羽根。
綺麗なチョウ達に見惚れていると、微かにパサパサと羽音が聞こえ、大きな美しい青い鳥が4羽、テーブル近くに降りてきた。
そして4羽と思ったけれど、インコサイズの子供らしき2羽がテーブルに乗っていて、ケーキやパイを興味深そうに覗いている。
「かわいい鳥さんね?」
と聞くと、クルクルと小さな声を出しながら私の方に近づいてきて、手から腕に乗ってきてくれた時、アイザックさんとアビゲイスさんが音を立てないように慎重に帰ってきた。
「「ミツキ⋯⋯」」
大きな4羽は私を挟んで双子とは反対側に移動していて、小鳥の2羽は2人に気がつくと私の髪の中に隠れようと首元に移動する。
「きゃっ!ちょっと、くすぐったいよ、ふふふ。小鳥さん、大丈夫だから出てきて?2人はそっちに座って」
双子がテーブル向かいに座ると小鳥さんが出てきて私の腕をテクテク歩いてテーブルに移動した。
「ココナッツとマンゴー食べるかな?」
アイザックさんがココナッツをナイフで割り、アビゲイスさんはマンゴーの皮を剥いてお皿に乗せた。
パイやケーキを小さく切り、ココナッツ、マンゴーの実と一緒のトレーに乗せてテーブルの上に、大きなトレーは近くにいる4羽の方に置く。
クツクツ、クルクル、かわいい声を出しながら食べている青い鳥達。
全体は艷やかな青い色、目の周りとくちばしの付け根は鮮やかな黄色で、親鳥は100センチ前後サイズ。
食べ終わり満足したようで、親鳥はペアになってお互いの羽繕いをしていて、小鳥さんは私の腕や肩をトタトタと歩き回っている。
「フワッフワッ」
苦しそうにいきなり鳴き出した1羽の青い鳥。
「えっ?どうしたの?お菓子が駄目だった?」
オロオロしてしまった私に双子が青い鳥の側に。
アイザック「産卵だな」
「えっ?!いきなり?!どうしよう?!どうしたらいい?」
アビゲイス「落ち着け。大丈夫そうだから様子を見よう」
ふわふわなタオルを出して、そこに乗せてあげて様子をみる。
感覚的に1時間は経った気がするのに、実際は10分くらいでスポンッ!と卵が跳ね飛ぶ勢いで出てきたのでビックリしたけれど、鳥の表情はスッキリ!という爽快感を感じる表情で安産だったみたいで一安心。
でも一応ヒールをかけておく。
卵は白ではなく青い。
親鳥の様な鮮やかなブルーではなく緑がかったブルー。まるでターコイズの宝石みたいな卵。
☆☆☆☆☆☆☆
『スミレコンゴウインコ』
ブラジルの固有種で、特にパンタナールに個体数の75%以上がここに集中している。
全長約100cm、インコ類最大でつがいか小群で生活をする。
全体が光沢のある深い青色の羽毛で覆われ、目の周囲とくちばしの基部は、鮮やかな黄色、主にヤシの果実を食べる。
コンゴウ は金剛 からきている。
美しく賢い上に愛嬌もある為、ペット用として乱獲され、絶滅危惧種になっていて世界一高価な鳥でもあり、美しい見た目から【生きる宝石】とも言われ、500万~1000万の値がついた事もある。
生息地の破壊、乱獲などにより生息数は激減して、野生では3000~5000羽しか生息せず、1987年にワシントン条約附属書に掲載され、ブラジルでは法的に保護の対象とされている。




