127 商業ギルド
次は商業ギルド。
冒険者ギルドより2倍近く広いかもしれない。
受付に男性がいたので、その人のところでお願いしてみるとスムーズにマスターの部屋へ案内される。
マスター「はじめまして商業ギルド王都本部のマスター、マイクと申します。ディアマンテのケニックから話は大体聞いていまして、お伝えしたい事がありましてお待ちしておりました。フードプロセッサーなどの料理道具、ドライヤー、アイロン、化粧品類などで各地のギルドがかなり忙しくなっており、王都でも既にすごい人気商品になっております。チョコレートの件ではディアマンテ支部では大きな案件すぎて、この王都本部が主体で動く事になったのはお聞きだと思います。船なら熱帯雨林まで王都からもすぐ行けますし、王城ともやりとりを頻繁にしなくてはなりませんからね。まさか、あのカカオがあんな甘味になるとは王家の方達もビックリし、国の特産になる期待をしているようです。製造は順調ですが販売はまだ止めています。先に外交で使いたいと話が出ているので。王城で宰相様、外交官の方達と話ししていた時に一度詳しくミツキ様と話がしたいとの申し出があり、最近ご結婚された話も出て、お相手がアイザック様、アビゲイル様という事にもビックリされていました。外交官長のエリックさまとアイザック様、アビゲイル様とは血縁関係があるとお聞きしました。こちらに来たときには、連絡が欲しいと伝言を預かっていたのです」
アビー「叔父のタウンハウスへ連絡してみるか」
チョコレートの製造過程でカカオマスを取り除いたホワイトチョコレートを新たに登録する。
次はイーストを出す。
「こちらが天然酵母、こちらが類似品のイーストで作ったものです」
食パンで外はカリッと香ばしく焼けていて中は柔らかくバターを染み込ませたトーストを食べてもらう。
マスター「モグモグ。私は酵母の方が好きですね。フワフワしていながらモチッともしていて小麦の旨さも感じる」
今度はフルーツサンドを出す。
マスター「ん?これだとイーストという方が美味いですね」
「酵母は小麦の旨味を引き出し食感も食べ応えがあり、乳酸菌なども含まれているので長持ちします、イーストはふんわり軽くあっさり、均一に作りやすいですがパサつきやすく長持ちしません」
マスター「それだと酵母の方が良いと感じますね。物によってはイーストも使えますが酵母でも充分美味しいですし」
「イーストのメリットは時間、保存のしやすさなんです。酵母は長くて2週間、その間も菌を弱らせないために世話をしないといけないですし放置すると酸っぱくなります。イーストは約一カ月、冷凍すれば半年は大丈夫です。
パンを作るにも天然酵母は半日~1日以上かけますが、イーストは1~2時間で焼けるので、料理によって使い分けたりレストランやパン屋などは作れる種類も増えて天然酵母よりも早く安定して大量に作れるイーストは重宝すると思います。家庭ではこだわって毎食作りたい方なら酵母も作ると思いますが、手軽なのはイーストですね」
マスター「なるほど。それぞれの強みが違うので使い分けられたら素晴らしいですね」
「酵母は割と簡単にできるので登録してありましたが、イーストは加工が必要で調整していて遅くなりました」
次は新商品のゼラチンの特許申請を取る為にコーヒーゼリーを出して食べてもらう。
マスター「これはコーヒーですね?ブラック、砂糖で甘さを加えたのもそれぞれ違う美味しさですね。ミルクや生クリームを乗せて食べるのも美味しい。
そしてこのプルプルした不思議な食感はクセになりますな」
「獣の皮膚、骨、腱にあるコラーゲンという成分に熱を加え抽出した液体が、このプルプルする硬さにしてくれるんです。コーヒーだけではなく、アルコールは大人向けに、果実のジュースでも美味しく子供に好まれ、液体なら何でも作れます。デザートだけでなく、料理のソースも柔らかいゼリー状、ジュレというものにして使う事も良いと思います。数種類、作ってきたのでこれも食べてみてください」
カナッペは蒸し鶏とトマトにコンソメジュレ、ミルクババロアのオレンジジュレ乗せ。
マスター「美味しい!コーヒーも果実も我が国が誇る収穫物ですからね。製菓店、観光地の食堂に置けば沢山の方たちが食す事になり、人手も求められて雇用がうまれます。アルコールは貴族のパーティーで好まれそうですね!料理に使うと見た目も斬新です」
「これもゼラチンで作ったものでマシュマロです。火で炙って食べたりコーヒーに入れても美味しいです」
マスター「ん!コーヒーに少し溶けた部分との違いが楽しいですね。元のコーヒーのままの時と時折甘さも感じられて美味しい」
ギルドを出て叔父様のタウンハウスへ向かう。
「叔父様って、外交官長だったんだね」
アイク「外交官だったが、何年も会ってないから俺たちも知らなかった」
「王城?とチョコレートで巻き込んだ感じになっちゃってごめんね?」
アビー「気にするな。叔父に結婚の報告は手紙でしてあるが旅行の途中に叔父の家へ行こうと思っていたからな。外国へ行っている時期が多いから今いるなら丁度良い」
叔父様のタウンハウスがある高位貴族ゾーンに向かう。
おそらくこの時間は王城にいて、宰相様も話したいと言っていたみたいだけれど、今から王城へ行くには遅い時間だし、王城とのアポイントは叔父様にお願いした方が良さそうだ。
高位貴族の住居地区のゾーンに入る為に検問所へ。
通行証が必要だけれど、宰相様が発行してくれていた王城にも入れる物をギルドマスターから貰っていたので、すぐ通行を許可されタウンハウスに到着した。




