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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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122/128

122 ランタン祭り

祭り当日のランチはガパオライス、トムヤムクン、生春巻きをメインにしたエスニック料理。


挿絵(By みてみん)


少し暗くなってきた時間に人の少ない浜辺へ行き、ピクニックシートを敷いて軽い夕飯を食べて夜を待つ。


夕日が沈む水平線は綺麗な夕焼け色。

空が暗くなり鐘の音がしたので、みんなのランタンを用意する。


「感謝と願い事を思い浮かべて飛ばすんだよね。火は私が付けるね」


パール、コハク、アイス、ウインド、なにより2人に出会えて感謝します。

家族いつまでも幸せに過ごせますように、と願いを込めて7つのランタンに火をつけるとゆっくりと浮かんでいく。


見上げると無数のランタンがゆっくりと空を飛んでいくのが見えた。


「綺麗⋯⋯」


あまりにも綺麗で少し泣きそうになってしまい2人に抱きしめられキスをされ、また空を見上げる。


アビー「今日は丁度、俺達が森で出会った日だ」


アイク「ああ、女神に感謝している」


2人が薔薇の花束をプレゼントしてくれた。


「嬉しい、ありがとう。とても綺麗。5本は【あなたに出会えた事に感謝】で、かすみ草も【感謝】よね。あの日は私にとって運命の日だった。森でアナコンブラに襲われて最悪の日だったけれど、2人に出逢えて大切な日になった。私を見つけてくれてありがとう」


屋台とかが並んでいる所に橋があって、川には灯籠を流していて、そこからもランタンが綺麗に見えると聞いていたので行ってみたが、ランタンの優しい温かな光で埋め尽くされている夜空はやっぱり綺麗でしばらく見続けた。


挿絵(By みてみん)


さっきの浜辺ではランタンを見て泣きそうな顔になったミツキが、前の世界の事を思い出しているのかと思って心配した双子だが、今のミツキは本当に嬉しそうにランタンを見ていて安心した。


その日の夜は優しくじっくり愛され、寝たのは朝方近く。


祭り前後はフェリーの便数は増えているけれど、3日後の予約をして買い物等をしたり近くを散策したりする事にした。


エンジン付き小型ボートで海上散歩をして島の裏側へ回ってみると、岩場の半分もない高さの洞窟があったのでボートで入ってみる。


水面は外からの明かりで見えるけれど高い天井は真っ暗。

高さはどれくらいあるのかとライトボールを灯してみると10m以上の高さがあった。


「すごい、中にこんな空洞があったのね。あれはツバメの巣?」


アビー「ん?白いやつか?ツバメの巣にしては白すぎないか?」


「過酷な場所では草や土を使わず自分の唾液のみで作るって聞いたことがある。すごい高級食材だった」


アイク「食材?⋯⋯唾液が?」


「ふふふ、唾液が食材って凄いよね。でも巣立った後にとるものだから、糞や体毛とかの汚れもあるのをきれいにする作業が大変みたい」


アイク「糞⋯⋯そこまでしてうまいのか?」


「美味しいと言うより美容にいいって感じだったかな」


空飛ぶ砂場があるからとれるけれど、これから卵を産むのか巣立った後なのかはわからないし、そこまで食べたいものでもないから洞窟を出て島の外側を回るように移動していると、広くはないけれど綺麗なビーチが見えたのでランチ休憩する事にした。


挿絵(By みてみん)


浜辺の白い砂が透けるくらい透明度が高く、ビーチは岩場に囲まれているような形なのでプライベートビーチの雰囲気の時間を楽しむ。


ランチ後は港に戻り、タイニーハウスで早めに休み、次の日は市場で午前中に買い物をして浜辺を散歩。


出発の日、フェリーは13時出発なのでブランチを食べてからハウスをしまい、乗り場へ向かう途中、市場で最後の買い物。

大きなカニを発見して購入したので早く食べたいな。




☆☆☆☆☆☆☆


『コムローイ祭り』


タイ、チェンマイ


仏教の儀式で、仏陀(お釈迦様)への感謝を捧げ、自身の不運や罪を空へ放つという意味が込められた「コムローイ」と呼ばれる紙製のランタンを夜空に放ち、川には「クラトン(灯籠)」を流して水の精霊に感謝を伝える。


伝統舞踊、ライブ音楽、タイ北部の郷土料理を楽しめる屋台など、文化体験も豊富。


夜空にランタンを一斉に放ち優しい明かりが無数に飛んでいる幻想的な光景は「塔の上のラプンツェル」に出てくるワンシーンのモデルといわれている。



『ピピ・レイ島』


タイ南部アンダマン海に浮かぶ無人島


6つの島から成るピピ諸島の1つであるピピレイは三方を石灰岩の断崖に囲まれた、パステルグリーンやエメラルドグリーンの海と真っ白な粉のような砂浜がある


2000年公開のレオナルド・ディカプリオ主演映画【ザ・ビーチ】によって、世界的な観光地になり、かつては静かだった無人島に、2017年頃には毎日4,000~6,000人もの観光客と、200隻以上のスピードボートが押し寄せるようになった事で湾内のサンゴ礁の約80%が破壊され、ボートの油汚れや日焼け止めによる水質汚染も深刻化し、魚や野生動物が姿を消した為、2018~2022年まで長期閉鎖となったが、色々な制限を付けて観光する事が可能になった。


島には洞窟があり、洞窟の壁に昔の海賊が描いたとされるエキゾチックな船の壁画が残っていることから【バイキング・ケーブ】と呼ばれている


高さ10~15メートル以上ある巨大な石灰岩の空間の天井にはたくさんのウミツバメが巣を作っていて、ここで採れる100%純粋な唾液から作られた天然の巣は、世界でもトップクラスに高値(1キロあたり数十万円)で取引されている


巣の密猟を防ぐため、また中にいる鳥たちの生態系を守るため、洞窟の内部へ入ることは一般観光客には完全に禁止されていて、洞窟の周辺には24時間体制で武装した警備員が常駐しており、厳重に監視されている


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