120 ピンクミューリー
気が付けばあっという間に船の旅を終え港についた。
時刻は14時くらい。
ランチは船内で済ませていたから丘の方へ移動しながら買い物もしていく。
コチュジャンのような旨味と辛味が感じられる調味料やイゼジマの海苔にゴマ油と塩で味付けされたような味付け海苔などを見つけて嬉しい。
民族衣装も購入して丘の近くの広場ではスペースがあまりなかったのでタイニーハウスで野営。
翌日遅めの朝食後に出発して丘の向こうを目指して移動する。
徒歩で1時間と思ったより遠いけれど、丘の上から見えた景色はピンク色に染まっていた。
「わぁ!ピンク色の植物!かわいいね」
「「(笑顔のミツキが)かわいいな」」
ススキをピンク色に加工したような植物が視線いっぱいに広がっていて、ここの精霊の家はシンプルなデザインの塔だった。
下部が太く、上に行くにつれて細くなる優雅な曲線を描いた円筒状の石積みの塔で光の精霊を祀っているという。
丘の向こう側は緩やかな傾斜で草原もあり、コンサバトリーを出してティータイム。
ピンク色の世界はメルヘンチックで絵本に出てきそうな景色。
ストロベリームーンの周期にはお祈りする人がたくさん来るようだけれど、今日のような何でも無い日に来ているのは私達以外にはいなかった。
民族衣装に着替えて塔の前でお祈りする。
塔の中には段階に分かれて屋上まで登れる梯子があるけれど、登りにくい服装だったので空飛ぶ砂場で外側から屋上へ移動。
10mくらいの高さから見えるのは広がるピンク色の草原。
テーブルを出して軽い夕飯を食べながら景色を楽しんでいると日が沈み出す。
ピンク色のススキが更に濃い色になり幻想的な景色。
「夕陽が綺麗だけど日没が早くない?」
アイク「かなり速いな」
アビー「さっきまで無かったのに雲が出てきて月の灯りも暗い」
夕陽が沈み雲があるから塔の高さまでは真っ暗になったけれど、星空は輝いていた。
「すごい綺麗な星空ね」
「「ああ、綺麗だな」」
ミツキの瞳に映った星空の方が綺麗だと見つめる双子。
「天文台みたいな塔だけど、こっちでは星とか観察しないのよね?」
アイク「天文台?」
「星の動きで正確な時間を測ったり、惑星自体の動きを調べたりする為に観察する建物」
アビー「天文台という施設も星の観察も、聞いたことないな。ん?」
アイク「ミツキ⋯⋯」
「どうしたの?」
2人が私の頭の上を見ているので顔を上げると、キラキラと光る小さな塊が数個浮かんでいた。
「精霊さん?」
光魔法を塊にまとわせてみると、塊が一回り大きくなったかと思ったら私にくっつき消えた。
アビー「やはりミツキは精霊に好かれるみたいだな」
丘の傾斜が終わった先に見えた森には固有種の猪豚がいるというので翌日は狩りへ。
真っ黒な色で、猪より小型だけれど走るスピードは倍近いのでぶつかればダメージは大きい。
速いと言ってもコハクとパールには負けるので追いつきそうで追いつけず、息が苦しくなったのか逃げ出そうとしたところを先回りしていたパールに横から体当りされてゴロゴロと転がり双子にとどめを差された。
市場で買ったコチュジャンのような調味料とこの肉でサムギョプサルにしよう。
あとはチャプチェとテンジャンチゲがいいかな。
☆☆☆☆☆☆☆
『瞻星台』
慶州瞻星台は、韓国の慶尚北道慶州市にある建造物で韓国の国宝であり、世界遺産「慶州歴史遺跡地区」の構成資産(2000年)
建造年・建造者・建造目的は不詳であるが、韓国では「新羅時代に建造された東洋最古の天文台遺跡」と言われている
瞻星台の形は円筒形で大きさ30cmの石、約362個(一年の陰暦)を27段重ねて作られていて、全体の高さは9.17m、下から4.16mになる地点に一辺が1m四方の出入口がありその下に梯子をかけた跡が残っている
『ピンクミューリー』
正式名称はミューレンベルギア・カピラリス
北アメリカ原産のイネ科ネズミガヤ属(ムーレンベルギア属)の多年草(宿根草)
草丈は約60cm~90cmで開花時期は9月~11月(晩夏から秋)
細く硬いグリーンの葉から、秋になると霧や綿菓子のようなふんわりとしたピンク色~赤紫色の穂をたくさんつける。
瞻星台のすぐそばにピンクミューリー群生地があり、秋になると辺り一面が幻想的なピンク色の絨毯のようになる
天文台(瞻星台)や後方の大きな古墳群を背景に、美しいパープルピンクの絶景が広がり、夕暮れ時のマジックアワーや、夜間にライトアップされた瞻星台と一緒に写真が撮れるため、SNSでも大人気のスポット
日本にも複数箇所ピンクミューリーを楽しめる場所があり、大阪の長居植物園や万博記念公園などが有名




