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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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012 初めての乗馬

アイザック「それで、なんであんな森の奥にいったんだ?」


「向こうの世界で光に包まれ、気がついたら森の深くにいて」


アビゲイス「そうだったのか。奥に行けば行くほど危険な森だから、何事も無くて良かった」


2人は並んで見ると本当にそっくり。

でもなんとなく纏っている空気は違う。


アイザック「疲れていると思うが、ここは魔素が強いからとりあえず少しでも移動しよう」


私が知っている馬よりデカくて筋肉質な馬だけれど、不思議と怖さは感じなくて、私を見る瞳は優しい。


「重かったらごめんね。よろしくね」


馬の首をなでると温かく、顔を寄せてくれてかわいい。

もう一頭の馬も寄ってきて顔を寄せてきたので、撫でさせてもらった。


馬上は高くて最初は怖かったけれど、後ろからしっかり支えてくれたので、すぐに安心できた。


夜道だからゆっくり移動してくれて、30分程少し休憩をして、今度はアイザックさんの馬に乗せてもらい、また移動する。


双子がライトボールを足元に浮かべていたので、私も出してみたいから後で聞いてみよう。


アイザック「ここまで来ればいいか。野営の準備をしよう」


アビゲイス「ミツキはこの世界に渡ってきたばかりで野営道具は持っていたのか?一応予備のテントはあるから貸せるが」


「この世界に来たのは2週間前?くらいになります。野営道具は持っています」


アビゲイス「2週間前だと森中心地は雨季の残りで水地帯だったから、そこまで奥深くにいたわけではないよな?出会った場所に来るまでに徒歩だとしてもそんなに時間がかかったのか?」


「急いではいなかったので。ゆっくりキャンプ、いえ、野営や料理を楽しんでいたら時間があっという間に過ぎていて」


アイザック「野営を楽しむ?」


この世界で野営は移動時に仕方なくするものであって、楽しむ?という感覚がわからない双子。

しかも危険な魔の森の奥深くで料理も楽しむ?


「えっと、私のいた世界では野営みたいな事をキャンプといって楽しむ人が多くて。薬草や果実の採取も楽しくて、ゆっくり移動していました。キャンプは女性一人でも普通にしている娯楽みたいなもので。だから野営道具は豊富にあったんです」


どん!とコンテナハウスを出す。


アビゲイス「小さめとはいえ家だよな?⋯⋯これは野営道具とはいわないと思うが」


「私のいた世界では(持ち歩かないけれど)寝泊まりするのに割とよく使うんです」


アイザック「まぁテントよりは遥かに安全だが、持ち歩く物ではないと思うぞ」


「良かったら2人もこのハウスで寝てください。とりあえず、中へどうぞ。あ、ここで靴を脱いでください。スリッパ⋯⋯ちょっと待っててください」


見えない場所まで行き、ネットショップで男性用スリッパを色違いで2足ポチり。


2人をテーブルに案内して座ってもらう。


アイザック「飯にするか。寝床を提供してもらうのだから食事は俺達が提供する」


「じゃあ、これがいいかな」とアビゲイスさんがインベントリから料理を出す。


「いただきます」


「「 いただきます? 」」


シンクロ。


「命をいただく事や作ってくれた人への感謝の言葉です」


「良い言葉だね」アビゲイスさんが言いながらアイザックさんを見て


「「いただきます」」またシンクロ。さすが双子。


パールはテーブル近くでガツガツ食べている。


「とても美味しいです」


鶏肉みたいな肉でシンプルな味付け串肉だけれど、旨味が普通の鶏肉より強く感じる気がする。


アイザック「コカトリスはめったに狩れないからな」


「コカトリス?」


アビゲイス「コカトリス知らないか?凶暴で毒があるがめったにいないし、貴重な魔獣肉で人気がある」


毒??ごくん。⋯⋯飲み込んじゃった。


「鶏肉?だと思いました」


アビゲイス「元の世界にはいなかったのか?」


水を勧めながら不思議そうに聞いてくる。


「前の世界には魔獣がいなかったんです。大きな獣、例えば熊やイノシシなどとは人生で一度も遭遇しない人のほうが多いくらいの世界で。よく食べられている品種の鳥は抱っこできるくらいの大きさで、攻撃はつつくくらい?弱い鳥で」


インベントリからお弁当を出し、唐揚げを指し


「これが鶏肉です」と勧めた。


アイザック「美味い!」


アビゲイス「これは食べたことのない味がする。美味いな。周りについてる茶色のも不思議な食感だけど旨味が滲みでてくる」


良かった。美味しく感じてくれたみたいで。


「醤油やニンニクなどで味をつけて油で揚げる料理です」


アビゲイス「醤油?揚げる?初めて聞いた。本当に美味しいよ。他のも食べていいか?」


「どうぞ」


ウインナーや卵焼き、アスパラベーコン、ミニトマト、きんぴら、じゃがいもソテー、お稲荷さん、サンドイッチ、ミートボールなど。 


ストックしてあったピクニック弁当で、パールサイズを出したけれど2人共すごい勢いで食べてる。


アイザック「食べたことのない食材と味つけが多いが、どれも美味い」


アビゲイス「スパイスなのに少し甘みも感じるのがあって良いね。この茶色の中は米?味が染み込んでて、米がこんなに美味しく感じたのは初めてだ。トマト?もこんなに小さいのは見たことないし野菜も味付けがどれも美味しい」






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