117 怪魚
下流に進むと木々が途切れたところで温泉を発見。
移動はここまでにしてハウスを出し、早めの夕飯を済ませて温泉タイム。
固まった硫黄が浴槽の縁みたいになっていて、その枠が数カ所あり、透明度が高く、温度は少し熱めかなという感じで、自然の中でゆったりと温泉に入れるのは本当に幸せ。
すぐ暗くなったのでランタンの灯りを。
温かな灯りで入るのも良いけれど、明日の朝も露天風呂に入ろう。
翌朝、露天風呂に入ろうとすると、湯に花が浮かんでいた。
朝の澄んだ空気と小鳥の鳴き声が微かに聞こえて、リゾート地で露天風呂を楽しんでいる気分になれた。
野営した場所からすぐのところに案内され、早速釣りタイム。
パールは探索へ行ったけれど、コハクは私達の近くで魚待ち。
1時間くらいで数匹釣れたけれど、コハクの言っていたのではないらしい。
しかも私はまだ0匹。
期待している目で見てくるコハクからのプレッシャーを感じる⋯⋯
アビー「!!!かかった!でかい!」
アビーが立ち上がりファイトしだした。
そして5分もしないうちにアイクのにも当たりが。
2人が格闘しだして20分、2人とも大きな赤い魚を引き揚げてすぐに、私の竿がグンッと引かれたのが見えて、とっさに抑えて持った。
「あっ!!!」
「きゃあっ!」
ぐいっと凄い力で引っ張られる!!
コハクが私の前に滑り込み、体で押さえてくれる。
2人もすぐに私を押さえに来てくれた。
アビー「これは俺達のより引きが強いぞ」
私は離脱して2人が直接竿を持ち直し、2人がかりで15分。
アイク「これ以上長くなれば竿が折れるか糸が切れる。次少し力が抜けたら一気にやるぞ」
グイッと竿を勢い良く引き上げると、ザバアーンと大きな黒い魚が水から出てきた。
「2人がかりで苦戦するなんてすごい魚なのね」
2人が釣った赤い魚も大きいけれど比べるとスリムというか、黒いのはすごい厚みがあって迫力のある顔をしていて怪魚という感じ。
凶悪すぎる顔に思わず毒持ち?と鑑定したけれど高級魚。
これっ!これっ!と嬉しそうに黒い魚の周りをグルグルする可愛いコハクだった。
☆☆☆☆☆☆☆
『ワリーラック ・ホットスプリング&ウェルネス』
タイ南部、クラビ県クローントム地区。
熱帯雨林の豊かな自然の中にある温泉リゾート。
1989年に池を掘って偶然発見されたミネラルが豊富な温泉で、お湯の温度は45℃から54℃くらいで保たれている。
スクラブやホットストーンマッサージ、ヨガや瞑想などが含まれる半日コース・一日コースのスパのほかにも、美しい自然に囲まれた温泉だけを自由に楽しむことができ、リゾート内には14のヴィラやコテージ、天然の温泉水が完備。
リゾートが所有する有機栽培農園で作られた野菜や果物が食事に使われている。
『マングローブジャック』
インド太平洋の熱帯・亜熱帯、日本の沖縄・西表島などにも生息していて、インドネシアでも全域に広く生息している。
汽水域~淡水域、沿岸の岩場、サンゴ礁のまわりなど、比較的どこにでもいるため現地のローカルな釣りでも定番のターゲット。
成魚になると川を離れて海に出てしまうため、河川・汽水域では大きくても60cm程度。
赤い体が特徴で、味も日本の鯛に近く、透明感のある美しい白身で身が締まっていて歯ごたえがあり、強い旨味とほのかな甘みがある。
『パプアンバス』
パプアニューギニア周辺やインドネシアの一部など、限られた大自然の秘境河川にしか生息しておらず、出会うこと自体が難しい貴重な魚。
黒い体で成魚になっても川の沈木や岩の隙間に居座り続けるため、河川内で20kgを超えるモンスターサイズへと成長し、身の厚みも凄まじく、顔つきも非常に凶悪。
最強タックルでも一瞬で根に巻かれてラインブレイクすると言われるほどの怪力なので「世界最強の淡水怪魚」とも呼ばれ、この魚を釣るために世界中から釣り人がインドネシアの秘境へ遠征に訪れる。
身の厚みがあるため、脂がのっているが上品な旨味があり、身がしっかりしているため、火を通してもフワフワでジューシー。
インドネシアの同じ川にマングローブジャックもパプアンバスも両方いるが、圧倒的に数が少なくて出会うのが難しいのがパプアンバスで、出会えてもリールや竿を破壊される事も多い。
そして、どちらの魚も大型になればなるほど、シガテラ食中毒のリスクが高まる。
シガテラ毒は魚の体内に蓄積されるもので、熱を通しても分解されない。
マングローブジャックは河川内にいる40cm程度までの若魚であれば基本的には安全で美味しく食べられるが、外洋で育った数kgクラスの大型成魚は注意が必要。
パプアンバスは10kgを超えるような成魚は、記念撮影をしてリリースするのが世界的な基本ルールとなっている。




