116 求愛ダンス
探索していたパール達が帰ってきて、コハクが美味しそうな魚を見つけたと言う。
下流に進んだ所で水を飲もうとした時に、川の中の流木の影に大きな美味しそうな魚がいたのを見かけたみたい。
キュルンとした目でお願いされたので明日早く出て向かう事にした。
出発して30分くらい経ったところで羽音がどんどん聞こえてきた。
音のする方向へ目を向けると男性の拳くらいの大きさの数匹の蜂。
「キラービーだ」
「ミツキは結界内にいろ」
2人と2匹は猛スピードで向かってくるキラービーを難なく倒していく。
蜂は5匹で巣は遠くにありそうなので、蜂蜜は諦め移動再開。
針と毒は薬の素材で使え、体は栄養満点で酒に漬けるのが人気という。
移動してすぐに大きな岩の影にクレーターらしき凹みを発見。
隕石が地面へ直接落下したのではなく、大きな岩の塊の一部をえぐる形で落下したのか、削られたような岩とそこまで深くないクレーター。
コハクがクレーターに入り、石の塊を咥えて戻ってきて、それを私の手にのせてくれた。
「えっ?宝石?」
大きめの卵サイズで鉄らしき金属の表面にオレンジや黄緑の結晶が所々みえている。
双子とパールもいつの間にかクレーターに入って塊を探して、似たようなサイズだけれど4つ、塊を見つけた。
大きい塊だったのが岩に当たった時に割れたのかもしれない。
「確か隕石の宝石って地球でも本で見た事がある。惑星の外の空から宝石が落ちてくるなんて凄いよね」
アイク「隕石は何度か聞いたことがあるが、宝石になっている隕石は聞いたことないな」
これはペリドット、色石の部分だけを使うのではなく、原石全体を薄切りのプレートにすれば銀の部分とペリドットの模様がわかりやすくなりそう。
移動を再開して進んでいると、綺麗な鳥が飛んできた事に気が付き、視線で追うと木に止まり、よく見ると数本の枝に同じような鳥が7羽いた。
その全ての鳥が葉を丁寧にむしり取りだして、まるで「舞台」のように整った枝数本に整列した鳥達が「カァッ、カァッ」と大合唱しだすと、色の地味なメスらしき鳥が1羽、正面の枝に止まった。
「ワァッ、ワァッ」「カァッ、カァッ」と大きな鼻にかかったような声を張り上げ、激しく羽を震わせて踊り狂うオス達。
アイク「求愛行動だな」
頭を低く下げ、翼を広げながら、背中と腰から生えた美しい黄金色の飾り羽を、頭の上までひっくり返すようにして大きく跳ね上げるその姿はまるで「黄金の噴水」か「きらびやかな扇」のようで、メスの視界を自分の美しい羽だけで埋め尽くそうとしているみたい。
激しくアピールしたかと思えば、突然ピタッと動きを止め、まるで彫刻のように静止する瞬間もあり、ダンス大会のよう。
中央付近にいた1羽は同じような踊りでも一番目を惹かれた。
他のオスも同じような踊りだし綺麗だけれど、この中央のオスだけポーズ毎にメスへの視線が必ずある。
そして最終ポーズが終わったのか、メスがそのセンターにいたオスの隣に飛んでいきスリスリしたあと飛んでいき、オスも追いかけて飛んで行った。
他のオスは心なしか頭が下がって凹んでいる気がする。
アビー「綺麗なだけではダメで、相手への情熱が決め手だったな」
私にはアイドルグループのセンター争い、ファンサービスが決め手に見えて、鳥も大変なんだなと思った。
☆☆☆☆☆☆☆
『パラサイトペリドット』
宇宙空間で長い時間をかけて、鉄とニッケルの金属とオリビン(ペリドット)が混ざり合いながら形成され結晶が成長し、金属の中に透明なペリドットが取り込まれた石鉄隕石。
世界で公式に発見され、名前が登録されている隕石は全部で8万件以上あり、その中でパラサイト隕石は約100件。
しかも、その100件ほどのパラサイト隕石のすべてから美しい「宝石」が採れるわけではなく、多くは結晶が濁っていたり、ボロボロに風化していたり。
ジュエリーに加工できるレベルとなると、この100件の中でもさらに一握りしか存在しないため、パラサイトペリドットは非常に高い価値がつけられている。
2008年にインドネシア・ジャワ島中部のジェパラで発見された塊は約500kg、直径約70~85cmのほぼ球形の大きさだが、クレーターは残っておらず、工事の掘削作業中に地中から偶然掘り起こされた。
質量だけでなく、衝突速度や角度、地面の性質などにも大きく左右されるから大きなクレーターが必ず出来るわけではないが、500kgという塊が宇宙から落下していて、クレーターどころか発見時は土の中に埋もれていたとすれば、想像もつかない程の年月が経ってから発見された事になる。
『極楽鳥、オオフウチョウ』
インドネシア東部の熱帯雨林には、世界で最も美しい鳥の一つと称される極楽鳥(フウチョウ科の鳥)が生息している。
美しいフウチョウは数種類いて、その中のひとつ、オオフウチョウは「極楽鳥」の名前の由来になった品種で、16世紀にこの鳥の標本がヨーロッパに持ち込まれた際、現地の交易商によって足が切り落とされていて、当時のヨーロッパの人々は「この鳥には足がなく、一生地面に降りずに天国(極楽)を飛び続ける」と信じ、これが「極楽鳥(Bird of Paradise)」や学名がParadisaea apoda(「足のない楽園の鳥」の意味)となった由来である。
オオフウチョウの求愛は鳥類の中では珍しい集団で行われ、繁殖期になると熱帯雨林の開けた高い木の枝に、多いときには10~20羽のオスが一斉に集まり、そこで邪魔な木の葉を丁寧にむしり取って「舞台」をきれいに整え、美しい黄金色の飾り羽を扇のように大きく広げ、激しく体を動かしてメスにアピールする。




