115 川の温泉
パールが鼻にシワを寄せ呼ぶから近くへ行くと、木の陰で見えなかったけれど、大きな真紅の花があった。
確かラフレシア。
臭いと本で見た記憶があるけれど匂いは感じない。
結界に入っているから?
この紅さは口紅やマニキュアに良さそうだけれど、匂いが気になって結界を消して近くで嗅いでみると少し臭い。
パールは鼻が利くから凄く臭いみたいだけれど。
匂いの元となってる中心部以外なら使えそうだし、深めに根元から掘ってインベントリへ収納。
翌日は遅めの朝食を済ませて川の上流方向へ進むと小さな窪みに温泉があった。
でも凄い湯気で50度以上はありそうで硫黄の匂いが強い。
さすがに無理そうだと思っていると、先を進んでいたパールが奥にもあったと案内してくれて行ってみると、熱湯の窪みと川とが繋がっている川温泉があった。
この辺りは火山が近くにあるから天然温泉が多いのかな?
川の水が合流した後の窪みへ手を入れてみると、程よい温度になっていたので早速入りたい。
遅めのランチをしてから、パールとコハクは近くをパトロールしてくると探索へ。
水質はクリアで綺麗だけれど硫黄の匂いは微かにするので、熱湯の方はもっと濃い硫黄成分になっているのだろう。
川に入っているように見えるのに、温泉なのは不思議で面白い。
「気持ちいい~~」
アイク「ちょうどいい温度だな」
アビー「フラシルの泉とは違って効能がありそうだ」
明日の朝も入りたいのでハウスと馬小屋を出して宿泊。
翌朝も川温泉を堪能して、今日はハウスでゆっくり過ごす。
アイクとアビーにはアイスとウインドの鞍のサイズ調整をしてもらう。
2頭共また大きくなってきたので、気になっていた。
革の上に薄い低反発シートを敷き、革で被せてお尻に優しい改良もしてくれるみたい。
2匹は熱帯雨林で探索をして、ティータイムには戻ってきてゴロゴロするらしい。
私はイースト、ゼラチンを作る。
こちらの世界にはベーキングパウダーの元となる重曹しかなく、花祭りの際に天然酵母を登録した。
いろいろな菌が混ざっている天然酵母の中から単体の菌のみを抽出して培養したものがイーストになる。
生イースト、ドライイーストだと生イーストの方がよりパンそのものの風味や甘い香りが引き立つが、水分が多いため寿命が短い。
でもインベントリなら状態の変化が無いので、使うなら私は生イーストの方が良い。
天然酵母でパンは作れるのだからイーストを作るのは手間だし、わざわざ作る必要は無いかもしれないけれど、イーストの方がパンを作るとき発酵力が強くて短時間で安定したパンが多く作れるので、パン屋や食堂、レストランでは作業が楽になるはずだし、私は目的のパンによって酵母は使い分けたい。
時間がかかるけれど、その分生地の成熟が進み、バゲットなどのハード系のパンは中身がもっちり、皮はパリっとなって旨味も強くなる天然酵母。
フルーツサンドは白くて柔らかいシンプルな食パンが良いのでイースト。
フレンチトーストは天然酵母のフランスパンで作るのも、イーストの柔らかい食パンで作るのも、両方違う美味しさがある。
2人は米が大好きになっているけれど、やはり1日に1食はパンを食べたいようだから、沢山の種類のパンを食べさせてあげたいし、プロ用オーブンで作る出来立てのパンは本当に美味しいから、私もパンは毎日食べたい。
ゼリーはもちろんゼラチンも知られていない。
ゼラチンは動物の皮膚、骨、腱などから取れるコラーゲンから抽出した成分なので、家庭でゼラチンを作るのは手間がかかるけれど、ゼリーだけでなく、野菜のジュレやソースのジュレなど料理にも使い道がたくさんある。
グラスに入れた和風醤油だしジュレにアボカド、豆腐、野菜などを入れると見た目にも涼しくてコンソメ、ポン酢もジュレにしておくと手抜き料理も少しオシャレになってごまかせる。
コーヒーゼリー、果実をジューサーで液体にしたもの、ワインやシャンパンでも果実を少し混ぜてゼリーを作り、コーヒーとアルコールのものはアイクとアビー、果汁の方はパールとコハクが気に入ってくれたみたい。
イーストを使い食パンを作り、ハムとチーズを挟んだホットサンドは溶けたチーズがアクセントになって、とても美味しい。
双子はドライカレーを塗り、蒸しササミとゆで卵の薄切りを挟んだホットサンドを特に気に入ってくれた。
アビーにこちらの世界用のホットサンド魔道具を作ってもらおう。
ストロープワッフル用は既に作っていたので型を変えるだけ、金属加工はアイクの方が得意なので2人でやればすぐに出来るみたい。
☆☆☆☆☆☆☆
『ラフレシア』
東南アジアの熱帯雨林、主にマレーシアとインドネシアのボルネオ島やスマトラ島、その周辺の島に生息している世界最大の花で自生地も限られていることから幻の花とも言われている。
ブドウ科のツル植物に寄生して栄養を得る全寄生植物で葉や茎、根を持たず、ハエを誘って受粉を媒介させるために異臭を放つ。
花は全体的に赤いが白い斑点があり直径15㎝ほどのものから直径100cmを超えるものもあり5枚の花びらに囲まれた中央部分には大きな椀状の穴が開いていて、内部には多数の突起があり花言葉は「夢現」。
『マラナゲ温泉』
フローレス島のバジャワ(Bajawa)周辺。
インドネシアには、熱帯雨林や火山に囲まれた天然温泉(Hot Spring)が数多く存在し、豊富な湯量の源泉かけ流し温泉を楽しむことができる。
マラナゲ温泉は熱湯が流れる川と冷たい川が合流する地点が天然の露天風呂になっていて、鬱蒼とした木々の中で川底の石に座りながら、野湯に近い感覚で大自然を感じながら入浴できる。




