114 アナコンダ
どれも状態が良いと喜ばれ、特に最終ボスのクロコイリエダイルは5年ぶりの討伐で皮のダメージも少ない。
皮はワニ革の中で最高級、ダンジョンのクロコイリエダイルは魔素から作られている魔獣だから自然界にはいない大きさと良質な皮。
腹側の皮はバッグや財布、小物、どれも超高級品だけれど供給が少ないから常に品薄だ。
外側のあり得ないくらい硬い皮で作る防具や胸当てなどの装備アイテムも高級品なので、高ランクでもなかなか手が出ないみたい。
確か、地球でもイリエワニの腹側の皮はエルメスなどのハイブランドが最高級ラインに使用しているって聞いたことがある。
私はそこまでワニ革に惹かれないけれど、ベルトならさり気なくていいかも。
うん、双子がつけていたら格好良い。
ギルド職員「いやぁ、本当に素晴らしい皮で、す、ね⋯⋯」
全身をチェックしていた解体員の目が股間部分で止まった。
ギルド職員「こ、これは⋯⋯」
「少し焦げちゃったんですが、革の価値として下がっちゃいました?やっぱり火より氷魔法の方が良かったかな?」
2度目は雷で焦げたから1度目の方を出したのだけど。
ギルド職員「い、いえ、範囲はごくわずかですので問題はありません。ありませんが⋯⋯魔獣を哀れに思ったのは初めてです。そして氷とか火とかなくても受けるダメージはあまり変わらなかったと思います」
近くにいた数人の解体員達と数人の冒険者達の顔色が悪い。
買い取りを終えて移動しようとした時に、乗合馬車の停留所付近にあの女性パーティーがいて、最後に見たときよりも服がボロボロ。
チャレンジしたが無理で引き返し、結局セーフティーゾーンから魔法陣で戻ったのだろう。
見つかると面倒くさい事になるのは間違いないので、隠密を発動させながら厩舎へ行き、アイスとウインドを引き取り熱帯雨林へ。
広い場所を探して奥へ進みコテージを出した。
熱帯雨林は少しジメッとした暑さだったから、夕飯は冷たいものが食べたい。
豚とトマト冷しゃぶパスタ、ブロッコリーと海老のアヒージョ、火竜の赤ワイン煮、冷製きのこクリームスープ、バゲット。
アイク「冷たいパスタ美味いな」
アビー「ああ、サッパリしてるし、いくらでも食べられそうだ」
お風呂に入ってベッドへ。
アビー「お仕置きしないとな」
そういえばお仕置きするって言ってた!私は何も悪くないのに。
アイク「他の男達となんて想像させられただけで、あいつら殺そうかと思った」
悪いのはあの人たちだよね。
アビー「俺達に嫉妬させたぶん、お仕置きとしていつもの何倍も愛されると思ってくれ」
甘いお仕置きをされた私は気絶するように寝てしまい、気がついたら朝だった。
2人と2匹はモリモリ朝ごはんを食べ、私はBLTサンドを少し食べ昼過ぎまで3人でまた寝て、起きたら遅めのランチを食べてお茶をしながら夕方までソファで過ごす。
パールとコハクは昼間に熱帯雨林に入って探索をしたみたいだけれど、浅い場所だからか狩りは小さな獲物ばかりだったみたい。
ブランチを食べてからアイスとウインドに乗り熱帯雨林を奥へ進む。
フラシル王国の熱帯雨林に比べると、ジメッとした暑さが強いので結界を張る。
コハクが木をスルスル登って実を落としてくれる。
見た目はりんごで黄色と少し赤い斑点がついていて味はさっぱりしたマンゴーで食感はりんごに近いアップルマンゴー。
コテージが置ける程のスペースが見つからなかったので、ハウスと小さい方の厩舎が出せるところで泊まり、明日はもう少し奥に行く予定。
少しゆっくり起きてご飯を食べてから、アイスとウインドに乗り奥へ進み、カラフルな花が咲いていたり大きなクチバシの鳥を見かけつつ、早めの夕飯にしようかと思っていると、小さな川に出た。
そして、その川近くの大きな木の枝に大きなアナコンダ。
私が魔の森で襲われたアナコブラと同じくらいの大きさで、シュルシュルと上に逃げてしまったのかと思ったが、上の方から落ちながら近くに落ちてきた。
私とアイス、ウインドは離れて結界を強く張りなおす。
パールが首より少し下の太い胴体に噛みつき爪を深く立て、コハクが尻尾に噛みつき爪で抑える。
アナコンダは体を振ろうとするが、アビーが胴体に剣を突き立て、アイクが首付近を氷をまとわせた剣で切り落とそうとするが皮が固く分厚いので中々横に切れず抵抗する動きもあり時間がかかりそう。
アイス、ウインドも走り寄り自分の全体重を足に乗せて押さえつけている。
私は大きく開けた口に氷の塊を嵌め込む。
少し時間はかかったけれど首を切り離せた。
アイク「この大きさは中々いないんじゃないか?」
アビー「ああ、皮の状態がいいから高値になりそうだ」
アイク「肉が美味いからすぐ食えるように俺たち用に1匹コピーして後で解体しよう。解体後のもコピーしてキープしときたいな」
肉は滋養強壮に効き美味しいみたいだけれど、この2人に滋養強壮は必要ないと思う。




