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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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113/127

113 ピンクのドア 

宝箱を開けるとストロベリームーン色のドアが出現した。


「どこでもドア?」


アビー「知ってるのか?名前は確かマジックドアだったが」


「知ってるドアに似てる。好きな場所に転移できるドア?作り話の中の道具だから実際あるものでは無いけれど」


アビー「好きな場所は無理で、対になっている2枚のドアの片方を設置しておいた場所に繋げて移動できるが、膨大な魔力が必要だ。1回の繋がりに1000魔力必要で繋げたい時、ドアに1つの魔石を使えるが、例えばダンジョンボスの500くらいの魔石を使っても残り500の魔力を1度でドアに送り込まないとドア同士が繋がらない。繋がりは30分で切れる」


アイク「時間が差し迫った時は便利だが、基本的に冒険者は移動時に狩りや採取をして稼ぐから、転移したいと思う機会はあまりないんだよな」


アビー「貴族や商人には望まれるアイテムになるから高額で売れるが、俺達は一応フラシルのコテージに設置してある」


2人が前回手に入れたドアは、2度目のアシアへ行った時に長期の天候不良で足止めをされ、帰りの移動短縮の為に1度だけ使った事があるという。


短距離で使うには魔力が勿体ないし、長距離ではその地特有の獲物獲得や採取がしたいから使う機会はあまりなかったみたい。


「移動手段としてではなく、馬小屋を設置出来ないような場所とか数日戻りにくい場所でアイスやウインドを待たせないといけない時に、魔の森のコテージの方に転移して馬小屋を設置してアイスとウインドに待っていて貰うのもいいかも。残りの魔力は私一人で繋げられるし」


アビー「火竜の魔石を使おう。あれなら700くらいだから残り300の魔力で繋げられるはずだ。木に繋げるしかない時は勿論、場所が悪かったり時間が長引きそうな時にはフラシルで待たせた方が安心できるな」


重なっていた2枚のドアをコピーしてみたけれど、やっぱり出来なかった。


今日は暑さもあり疲れたので、早めに休みたい。


ここの最終ボス戦後のセーフティゾーンなら、そうそう人は来ないだろうからタイニーハウスを出して、屋上にジェットバスを設置し3人で露天風呂ではなく、ダンジョン風呂?でくつろぐ。


「はあ~~~気持ちいい♪」


アビー「まぁ、気持ちはいいが。ダンジョンで風呂に入った冒険者なんて過去に誰もいなかっただろうなぁ」


アイク「絶対いないな、そして今後も現れない」


次の日はゆっくり起きて採掘タイム。

ここの通路ではアレキサンドライトが採れるようで、私はウズラの卵くらいの大きさの塊を1つ採れて満足したので、パールとコハクのブラッシングタイムと、キャンプ料理の雑誌を見ながら2匹の食べたいと思うアウトドア料理レシピを一緒に探す。


夕食後、少しお酒を飲みながらアレキサンドライトを見せてもらう。


太陽や蛍光灯だとエメラルド、白熱灯や火の明かりだとルビーに見える不思議な宝石。


挿絵(By みてみん)


「綺麗~。前の世界では世界三大希少石の1つなのよ」


アビー「確かに光で違う色に見えるのは珍しいよな」


アイク「この石より酒を飲むとほんのり赤くなるミツキの肌の方が綺麗だ」


アビー「ああ、今も少し赤くなってて可愛いな。この世界で1つしかない希少な俺達の宝だ」



次の日もゆっくり起きてブランチ後、再アタック。


同じ流れで進める前に雷を試す。

パールとコハクに誘導してもらい、広いスペースにきたワニに雷!!


プシューと焼けたけれど、表面だけのようで動きはあまり変わらない。


流れを戻し体力勝負になったので、いよいよ私の出番。


短剣に氷をまとわせ近くへ行くと、あれ?


「死んでる?」


アイク「ああ、前回より上手く刺さったみたいで心臓に届いた」


「そっか、今日は氷の短剣を試そうと思ったのに」


自分がとどめを刺す機会なんて早々ないから気合を入れたのに。


アビー「⋯⋯次の機会にお願いするよ」


パールと双子はミツキ登場前に絶命させると気合を入れて攻撃していた。

男の急所への攻撃は自分にではなくても、想像や見てるだけでもヒュッとなるのだ。


2個目のマジックドアを手にして、セーフティゾーンで休むと思っていた美月。


アイク「ドアはもういいな。疲れもあるし帰ろう」


アビー「そうだな、手元のと合わせて3個になったし疲れたから帰ろう」


「2人が疲れたなんて珍しい。大丈夫?」


再アタックはもうしなくても良いというので、魔法陣の上へみんなで乗り魔力を流すと一瞬浮遊感があり、気がつくと小屋の中にある魔法陣の上に立っていた。


外に出ると、すぐ隣が管理小屋なので入口付近にいたギルド員が私達に気がつき2度見した。


「あ、貴方達、もう攻略してきたのですか?しかも攻略達成者が出たのは久々ですよ。カードに記載するので預かります」


カードを受け取り外に出て、ギルドの建物へ。





☆☆☆☆☆☆☆


『アレキサンドライト』


石の成分に含まれる微量の「クロム」という元素が、当たる光の種類によって緑色から赤紫色へ色が変わる、非常に珍しい「変色効果」を持つ宝石。


太陽光や蛍光灯の下では青緑色、白熱灯の下では赤色に見える二面性があり、 「昼のエメラルド、夜のルビー」と称され、他に類を見ない神秘的な宝石で世界三大希少石の1つ。


モース硬度8.5と非常に高い硬度で、主な産地はスリランカ、ブラジル、東アフリカなどで、変色の度合いが鮮やかではっきりと色が変わるものほど、価値が高い。


日本では6月の誕生石




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