108 中層階、コウモリ
こうやって他のパーティーへくっついて、戦いを楽に進める女性だけのパーティーは多いそうだ。
でも報酬や宝箱などの分け前で揉める事が多く、嫌がられる事も多い。
女冒険者2「ちょっと!待ってよ!まだ話してる途中でしょ!!」
女冒険者1「っていうか、テント丸ごと収納してなかった?!ずるい!!」
懲りなく追ってこようとするが、結界を広げながらドアに行くので女達はさっきの場所から近寄っては来られない。
中層からは難易度で道はわかれていない。
向こうはテントを片付けるのに時間がかかるだろうけれど、追いかけられると厄介なので早めに進んでしまおう。
ドアの中に入ると下っていくスロープがあり、素早く進むと中層階のスタート。
中層階は洞窟だったり岩場だったりの大型で強めの獣ゾーンが続いたが、パールとコハクが岩場を軽々移動してサクサクと倒し、虫系みたいに数で襲ってこない方が私達には戦いやすいのでスムーズに進んだ。
途中軽いランチを済ませて、狭くなった洞窟を少し進むと曲がり角があり、キィキィと小さい鳴き声が聞こえてきた。
双子が言うには角を曲がると道幅も一気に広がり、そこにコウモリの大群がぶら下がっていて、風や氷の刃、大剣で攻撃するが、すばしっこいのと大群なので前回苦労したようだ。
冷凍庫のように冷やして動きを少し鈍くしても、広い空間なので魔力がだいぶ消費されてしまう、と。
アイク「ミツキは結界を強く張って、その中からライトボールをできる限り光らせて、すぐ光を見える程度まで戻して、その後は氷魔法で天井付近を冷やしてくれ。冷たさと光に弱く、すぐに動きが止まったり鈍くなるはずだ。俺とパールが先行して一気に攻撃する。下に落ちても生きてる可能性があるから俺たちが戻るまで結界は緩めるなよ」
アビー「俺とコハクはミツキの近くに残って、近づいてくる奴を迎え撃つ」
結界は私の魔法しか通せないのと、コウモリを物理的に攻撃するため、2人と2匹は結界に入らないという。
「気をつけてね」
「「ああ、わかった」」
角から手だけ出し、車の眩しいライトを一気に奥へ向けるイメージをして発光!奥へ向けたのにすごい光ってるのがこちらからでもわかる。
「キィー!キィ!」バタバタと落ちる音が聞こえ、すぐに光を通常の明るさに戻すとみんなで曲がり角を進み、アイクとパールは走って奥へ進んだ。
コウモリはラグビーボールくらいのサイズ!
まとめて来られたら結界も危ないかも。
光で目をやられて動けない個体や落ちてしまっているのが多いが、こちらに向かってくるコウモリもたくさんいる。
アイクは風や氷魔法を飛ばしながら、自分のテリトリーに入ったコウモリには大剣で切っていき、パールも風魔法を使いながら爪で切り裂いていく。
天井付近の空気を冷やしながら私も攻撃しようとするけれど、大きいくせに動きが早くて不規則に上下しながら飛ぶのであまり当てられない。
私の方へ飛んで来るのはアビーとコハクが対処してくれている。
私は下に落ちてるのにまだ死んでいなさそうなコウモリに、氷魔法の刃を当てていく。
そんなに時間は経ってない感覚だけれど、全滅できたようだ。
こちらの世界でもコウモリの肉を食べるのはもちろん、触ったりするのも危険だと認知されている。
様々なウイルスの宿主でパンデミックの危険や寄生虫、雑菌の懸念もあるので使い道は無さそうだけれど、人間にとって害のあるウイルスや細菌を身体に宿しても平気な体なのは過剰な炎症を抑える能力と、常に免疫系を微弱なON状態にしておく特殊な回路を持っているからだと判明していて、病気薬の材料になるのと同時に、コウモリ自体が傷を治すスピードが異常に早いのでポーションの材料にもなるから薬師ギルドに持っていくと喜ばれるらしいので、回収出来るものは回収しておく。
アイク「前回と随分違って楽だったな」
アビー「ああ、ミツキのお陰で動きが鈍いうちに攻撃できたからな」
その後は特に厄介な魔物にも出会わずサクサクと進んでいき、流石に追いつかれる事は無いほど進んだので、早めの野営をする事に。
ボスの部屋が復活するには1時間かかるけれど、道中の魔物や魔獣は30分もしないうちにまた湧いて出てくる。
あと、セーフティゾーンへの通路の鉱山は誰もいない状態で半日くらい過ぎないと削った箇所は戻らない。
どれだけ削っても終わりは無さそうだから戻ってなくても採掘に問題はないけれど。
パビリオンテントで休み、翌朝からもサクサクと進み、中層階のボス部屋に着く少し前にランチ。
ランチだけだから小さいテントにしてクリーンをしてテーブルにご飯を用意する。
今日はイゼジマで買った魚を使って作った照り焼き、おにぎり、唐揚げのゴマ油で炒めた白髪ネギのせ、お吸い物、ほうれん草と焼ききのこのおひたし。
2人はおにぎり好きだからモリモリ食べている。
アイク「ボスは大きな毒ガエルだ。ジャンプ力もあるし口の中に毒があって長い舌で毒ツバを飛ばしてくるから、接近の物理攻撃より魔法攻撃の方がいい」
アビー「チャンスがあればまた先に雷を当てたいが、くり抜いた石がたくさん重なった感じの岩場で、すぐ隠れるから難しいかもしれん。パールとコハクが岩を上手く使って伸びてくる舌と毒に届かない距離で相手を引きつけて広い箇所まで誘導してみてくれ」
アイク「その舌を3人で魔法で切り落とす。舌さえ無くなればだいぶ楽になる」
「ねぇ、カエルって変温動物だから寒さと熱に弱いと思うの。動かれてしまう寒さより熱のほうが良いと思うから雷が難しかったら火魔法で囲んでみる。皮膚が乾燥すると皮膚呼吸も出来なくなるはずだし、タンパク質性の毒なら熱で毒性が弱まると思う」
アイク「前回俺達は氷魔法で攻撃してて途中から少し動きが鈍くなったが、炎で囲んだ方が早そうだな」
アビー「俺達は火魔法を使えないから思いつかなかった、やってみるか」




