107 ボス戦、再アタック
ボス部屋とセーフティゾーンを繋いでいる通路の部屋はボーナスゾーンみたいなもので、宝石や金属が高確率で採れる鉱山の洞窟みたいな存在。
宝箱にも宝石が入っているので、採掘しない冒険者も多い。
広さはそこそこあり、魔物などの心配もないけれど火は扱えない空間なのと、セーフティゾーンから通路に戻れるから、すぐ採掘するのでなければ休むのは水場があるセーフティゾーンを選ぶ者ばかりなので、低層エリアのセーフティゾーンには休んでいる冒険者が多くいる事が多い。
私達は誰もいないこの通路エリアでテント野営する事にした。
翌朝早めに採掘をはじめて私は小さな塊が1つ採れて満足できたので、パールとコハクのブラッシングタイム。
3時間くらいで採掘を終えて軽めのランチ。
2人の翡翠を見せてもらう。
「えっ?こっちの凄い綺麗ね」
ピンポン玉くらいの大きさの4個の塊は他の翡翠とは違う透明度。
鑑定するとインペリアルジェイドという翡翠の中で最高ランクのものだった。
この後セーフティゾーンへ行こうかと思ったけれど、まだ夕方まで時間があるからボス戦の再アタックをする事にした。
セーフティゾーンから通路、ボス部屋も他に誰も入ってなければ再度入れるようになっている。
どのダンジョンも基本的なシステムは同じで、ボス部屋は誰かが入りドアが1度閉められた後は、ボス討伐が無理で逃げる場合に内側からは開けられるけれど外側からは開けられなくなっている。
外から開けられるようになるのは①部屋の中のボスが死んで人間も部屋から出た。②人間が全員死亡する。③ボスは倒してないが入口ドアから全員逃げ戻った。このどれかの状態になってから1時間経たないと外からはドアが開けられないようになっていて、開けられるかの判断はドアの色が黒、開けられない時は赤茶色。
人間が死ぬと30分程してダンジョンに吸収されるが剣や防具、金属系は吸収されないので優しい冒険者はギルドに届けてくれて遺族が判明すれば、遺品として渡してくれる。
私達がしようとしている再アタックは討伐後、セーフティゾーン方向から戻って入る事も黒色ドアであればできるが、入った後はドアが消えるのでボスを倒せなければセーフティゾーンへは戻れないけれど、倒せばまた宝箱が手に入るのでスタート地点からの行程が省けて短時間で宝箱を何度も手にするには良いシステム。
次の階層のボスには勝てなそうなレベルの冒険者は、怪我や体力の程度によっては次のボス部屋までの過程で出会う魔物などを狩ってセーフティゾーンへ戻ったり、1度倒せたボスに再アタックして宝箱を頑張って2回狙う事もあるみたいなので低層のセーフティゾーンには冒険者が多く滞在している事が多いという。
今はドアが黒色だから再度ボス部屋へ入るとドアが消えた。
1度目より早く終えるための作戦は決めていて、私とアビー以外の皆が固まって自分たちの方へ蜘蛛を引きつけ、私が水と雷魔法で遠くから蜘蛛の巣を通して蜘蛛に雷攻撃。
1度目より少し威力を上げてやってみるとバチバチっと感電した蜘蛛が地面に落ちたけれど痙攣はしなかった。
今の雷だけで死んだかもと思ったけれど、ピクッと小さい動きをしたので、素早くパール、コハクが足を押さえつけ、アビーとアイクが足を切り始めて今度は2本切ったところで心臓へとどめを差した。
アイク「さっきよりかなり短い時間で終わったな」
アビー「ボス戦とは思えないな」
ドアと宝箱が出現したのでマジックポーチをまた入手でき、パールには1つだと容量が少ないと思っていたから良かった。
お弁当やオヤツもたくさん入れてあげよう。
ドアを開け通路の洞窟を通り、奥のドアを開けセーフティーゾーンに入る。
セーフティーゾーンには飲める水が湧き出ている小さな泉、ダンジョン入り口近くへ帰れる魔法陣がある。
1度ダンジョン入り口へ戻るとセーフティーゾーンへは飛べないので継続不可な状態でなければ休んだり、野営してまたダンジョン攻略へ備える。
テントが7個設営されていて、テント外にいる人はいないので人数はわからないけれど、2人が言っていたように滞在している人数は多そうだ。
私達もパビリオンテントを出してご飯にして、獣や魔獣の心配はないが、人対策で結界魔道具を展開して早めに就寝。
朝ご飯を食べ、私はテントの中で荷物の確認をしていて、双子とパール、コハクが外に出て、身支度をしている私を待っていると数人の女性が話しかけてきたようだ。
女冒険者1「おはようございます~。あの~良かったら一緒に攻略しませんかぁ?」
女冒険者2「とても強そうですけど、私達もなかなか役に立つと思いますよ~」
アイク「断る」
アビー「他を当たってくれ」
女冒険者3「え~人数が多い方が早く進めますよぉ~?」
男冒険者1「おい、俺達と臨時パーティー組んで行きたいって昨日言ってたよな?」
女冒険者4「全員でパーティー組めばいいじゃない~」
女冒険者4人と男冒険者5人は別のパーティーで、ここで出会い臨時パーティーの約束をしたようだ。
男冒険者2「そんなに人数増やしたら稼げないだろ」
ワイワイと言い合う冒険者達。
私がテントから出ると女達はビックリしてイヤーカフを見て、夫婦だと気がついたようで小声で何か仲間内で話し合ったようだが、誘うのはやめないらしい。
女冒険者1「女一人より沢山いたほうが楽しいですよねぇ」
女冒険者2「こんなに素敵な2人を独り占めなんてずるーい」
女性達が2人に擦り寄ろうとしたので結界で自分たちを包み拒む。
「夫に近寄らないで」
ビタッと半透明な壁にぶつかる女性数人。
女冒険者3「は?何?これ。結界?光魔法?」
ぎゃあぎゃあ言いながら結界を叩いているが無視する。
アビー「ミツキ嫉妬したのか?頬が膨らんでるぞ」
アイク「あんな女達どうでもいいがミツキの嫉妬は嬉しいな」
イチャイチャとキスをしながらテントをインベントリへ入れて、さっさとドアへ行く。




