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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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106/126

106 低層階ボス、大蜘蛛

次の日は早く起きて魔物などをサクサクと倒し、短いランチタイム後、少し進むと低層階のボス部屋に着いた。

ボスは大きな蜘蛛。


扉の前のちょっとしたスペースには、1組のパーティーが休んでいた。


扉付近でも安全ではないが、休む冒険者が集まるので危険度が分散される為、扉付近で野営している冒険者達は多く、双子は人の方が嫌なので今までも扉付近では野営はしてこなかったみたい。


男冒険者1「えっ?」


私達は一休みしないでボス部屋へ入ろうとしたからか、パーティーの中から声が聞こえた。


女冒険者1「休んでから行ったほうがいいですよ。よければ一緒に。多いほうが警戒態勢が取りやすいですし。疲れを取ってから行ったほうが」


アビー「気遣いには感謝するが、疲れていないから遠慮する」


男冒険者2「つ、疲れてない?確かにめちゃめちゃ強そうだし、従魔もすげえ強そう」


女冒険者2「でも、(弱そうな)女性を守りながら来たなら大変でしたよね。少し休んだほうが」


アイク「(お前達がいる)ここで休むつもりはない。もう構うな」


男冒険者3「ひっ!おい、ミリーナもうやめろよ」


女冒険者1「だって、少し話したいじゃない」


女冒険者2「干し肉でスープを作ったので、良かったら食べてみま」


話の途中でアイクがドアを開け全員入り素早くドアを閉めた。


アビー「なんで毎回ああいうのがいるんだろうな」


アイク「ダンジョンにいる魔物より厄介だ」


「お疲れ様。みんなにヒールかけるね」


低層階のボスは大きな蜘蛛で糸を広範囲に巡らせ、その巣の上を動き回り糸を飛ばしてきて絡め取り、身動きできなくさせてくるという。


2人が注意を引きつけ、2匹と私は端の大元の支えている糸を切る作戦。

糸は柔らかいけれど針金のような強さもあり切れにくく、手間がかかるけれど、糸の上だと蜘蛛のテリトリーで手が出しにくいから、地上に落とすのが一番の得策。


以前、2人が戦った時は、地上に落とすまでに2時間近くかかり、魔力ポーションを数本消費したという。


音もなく現れた大きな蜘蛛が見えた。


2人が蜘蛛の前に出ていき、氷と風の刃を飛ばしていく。

大蜘蛛は糸の巣の上を素早く動き、刃を避けながら2人に糸を何度も飛ばしている。


そーっと2匹と端の方へ行き、巣の糸を壁から切り離していく。


2匹は爪、私は魔法銀の短剣に火魔法をまとわせ地道に切っていく。

何本か切れたところで、緩みに気がついた蜘蛛がこちらを見て糸を飛ばしてきたが距離があったので避けられた。


一番弱そうだと思ったのか私に狙いを定め向かおうとしてきたので、2匹が飛びかかって胴体に爪を立てしがみつくが、体を大きく揺らして振り落とそうとした。


コハクは肩近くにいて目のあたりを引っ掻いてから地上へ飛び降り、パールはフェンリルに戻り更に爪をめり込ませ、背中に大きな傷をつけながら地上に飛び降りる。

4つの目の内の1つと背中から紫の血を流してキューキュー言って、ダメージをだいぶ受けている。


私から注意を逸らしてくれたので、私は巣から離れた。


2人が蜘蛛に魔法攻撃をし深めの傷を負った蜘蛛が「キュェーー!!」と叫びながら糸の上を逃げ出して、上に向かって巣を増やしながら移動しだした。


高い所に逃げられると困る、何とかしないと。


「巣から離れて!」


水魔法でバシャッと蜘蛛含めて巣の糸を濡らしてから握り、高圧電流を流すイメージで雷魔法を放つ。


光りながら電流が糸を流れていき蜘蛛にたどり着くと、バチバチッ!と音がして感電した蜘蛛がボトリと下に落ちてビクビクと痙攣している。


素早くパール、コハクが足を押さえ始め、2人が駆け寄り足を切り落としていき、4本落とした所で動きが鈍くなったのでアイクが心臓付近を深く突き刺すと絶命した。


接近戦ができない私は距離をあけて見ていたので、みんなの所に駆け寄り、蜘蛛をインベントリへ収納。


アイク「ミツキ、よく思いついたな。下に落ちさえすれば楽だから助かった」


アビー「ああ、パールとコハクも上手く注意を引き付けたな。ミツキから注意が逸れて良かった。この糸も強度があって何かと使えるし、売れるから少し回収しよう」


ボスを倒すと現れたドアと宝箱。


開けてみると少しの宝石と革製のポーチ。

ベルトに通すタイプでりんご2つ入るかな?という大きさで、2人が持っているマジックポーチに似てる。


アイク「これはマジックポーチだ」


「マジックポーチってダンジョンでしか手に入らないのよね?」


アイク「ああ、魔道具みたいに作れないからダンジョンでしか手に入らない。みんな自分で使うから、なかなか売りには出されない品物だ」


アビー「これは魔力で言えば200くらいの容量くらいかな。だが、魔力の少ない者や商人からしたら大金出してでも買いたい物だろう」


コピーしてみたけど出来なかった。

レベルの問題なのか、ダンジョンの宝だからなのかは不明。


途中の魔物はもちろん、ボスの魔獣もコピーできたからダンジョンだからダメというわけではないようだけれど。


「パール用のはあるから、これはコハクに持たせればいいね」


ドアを開けると洞窟になっており、一部の壁が仄かに光っている。


【名称】ヒカリゴケ

【レア度】大

【特徴】高血圧、軽度解毒、腫瘍抑制効果あり


通常のコケにも解熱、止血、鎮痛があり、このヒカリゴケには更に腫瘍、ガンの抑止効用も付加されている。


コケを少し収集してコピーしてみるとコピーできた。


コケしか見えていないけれど、ここでは壁の中から翡翠が採れるみたい。


ダンジョン産とはいえ、翡翠そのものは高く売れる物ではないから採掘する人はあまりいないけれど、採掘そのものが好きな双子は前回、数時間だけ採掘して全て買取に出したという。


翡翠の実物は前の世界でも見た事がないし、私は初ダンジョンなので採掘していく事にしたけれど、時間的に採掘は明日にしよう。



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