102 冒険者ギルド
マスター「結婚⋯⋯旅行⋯⋯結婚?ツマ⋯⋯妻?この2人は俺よりも絶対結婚しなさそうだったのに⋯⋯こんなにしたいと願っている俺が出来なくて、女を毛嫌いしていた双子が結婚⋯⋯似てるけど実は違う双子なんじゃ?だってうちのギルド員の女達にキャーキャー言われても殺し屋のような目つきだったのに、今は目尻下げた優男に⋯⋯幸せそうなオーラを出しやがって、ブツブツ⋯⋯」
ブツブツとマスターが小声で呟きだして、サブマスターは再起動した。
サブマスター「そ、そうか。おめでとう。結婚なんて一生しなさそうな感じだったのに、お前らの口から結婚旅行なんて言葉が出るなんてな。幸せそうでなによりだ。それで旅行って事は短い滞在か?」
アイク「特に決めてないがダンジョンへも行くから2週間くらいはいる予定だ」
サブマスター「まぁ、今はSランクがいないから何かあった時は頼む。どこの宿に連絡とればいい?」
アビー「ああ、宿には泊まってない。コテージを持ち歩いている」
マスター「は?小屋じゃなくてコテージ?」
アビー「ミツキは高魔力保持者だから」
マスター「高魔力だからって普通持ち歩かないだろ⋯⋯ちょっと待て、まさかその2匹も彼女が契約主か?」
アイク「ああ、パールとコハクだ」
マスター「名前は別にいいんだが⋯⋯貴族か金持ちの娘かと思ったが冒険者なのか?アビゲイス、わかりやすく説明してくれ」
フラシルのギルドも知っている事だけ説明する。
サブマスター「そういえば火竜討伐のとき、2人と一緒に戦っていた凄い魔法使いの女がいたって噂で聞いたが、奥さんの事だったんだな。DやFランクどころか、冒険者にも見えないが」
マスター「そして渡り人、前スマドラ公爵と同じなのか」
アビー「ああ、既に会ってきた」
部屋を出て下の解体場へ行き、森の家を出発してから獲ってきたブルーベアの下半身、ワニガメラの心臓半分、肉、爪、血を出すと喜ばれ、他の獣や薬草なども買い取って貰ってから宿へ戻り、翌朝早めに宿を出てダンジョン方面へ向かって移動して半日、木々を抜けた先に海が見えた。
「わぁ!また海。綺麗~」
アイク「色がだいぶ変わったな。今日はここで野営していくか」
海岸線まで行くと広い砂浜があり、コテージで過ごし朝食後に出発しようとした時にふと、遠くに見える島が気になった。
アビー「どうした?」
「あれって人が住んでいる島?」
アイク「いや、こちら側に船着場が無いから無人島だろう。どうした?」
「砂の色がピンクっぽく見えて」
角度的に少しの浜辺しか見えないけれどピンク色に見えた。
アビー「確かに、よく見るとそう見えるな。行ってみるか?」
「いいの?」
アイク「もちろん。急ぐ旅ではないから気になったものは見ておこう」
砂浜が普通ではないから念の為ボートではなく、空から行くことにした。
島に近づくと小さな森のように緑豊かな島になっていて、そして何より砂浜がピンク色。
砂浜のピンクと海のエメラルドグリーン、ブルースカイの空が絵画のようだった。
「わぁ!ピンクビーチだったんだ。綺麗」
「あそこ、大きなエビがいるぞ」
「毒のありそうな凄い色だね。鑑定⋯⋯シャコ?凄い美味しいみたい」
空にいる私達には気がついていないようなので網ですくう。
大きな伊勢海老にも見える色彩豊かなシャコ。
鈍いというか殆ど動きがなく、網を反転させて足場に置いた途端、素早く動き出して逃げようとした。
しかも前進。
後ろに飛ぶイメージだったので前に進むからビックリ。
コハクがシュタッと前足で上から身体を押さえつける。
シャコがパンチのような動きをすると、足場の壁にドゴッと当たった。
「えっ?凄いパンチ」
薄い木なら割れていたと思う程の威力。
アビー「当たったら危なかったな」
アイク「とどめを刺そう。コハク、そのまま押さえといてくれ」
細めのナイフで心臓付近を刺すと動かなくなった。
美味しくて希少な生き物のようなのでコピーしておこう。
コハクは早く食べたい!とウキウキしていた。
☆☆☆☆☆☆☆
『ピンクビーチ』
インドネシア南部、フローレス海に浮かぶコモド国立公園内には、主なものだけで3~4箇所のピンクビーチがある。
赤サンゴと白砂が交じることによって生み出されたピンクビーチは、現地の言葉でパンタイ・メラ(赤い海)と呼ばれている。
絶滅危惧種であるコモドオオトカゲの生息地でもあり、コモド島、リンチャ島、パダール島は併せて世界遺産に登録された(1991年)
メキシコやバハマ、オーストラリアなど、世界に複数存在するピンクビーチの中でも、コモド諸島は周辺の潮流が激しく、外界の影響を受けにくい環境だからこそ守られてきた透き通るように青い海とのコントラストで、世界で最も美しいピンクビーチの筆頭と言われている。
『ピーコックシャコ』
西太平洋・インド洋のサンゴ礁など暖海に生息。
モンハナシャコ(Peacock Mantis Shrimp)は、最大15-18cmほどで赤・青・緑の鮮やかな体色を持つ「海の宝石」と呼ばれる美しいシャコ。
時速80kmを超える弾丸に匹敵する衝撃的なパンチでカニや貝殻を粉砕する「海の破壊者」とも呼ばれ、10万色を見分ける高度な視力を持つことでも有名。
一般的な江戸前寿司のシャコよりも、筋肉質なため、食感は非常にプリプリとしていて食べ応えがあり、カニやエビに近い濃厚な味がするが、殻が非常に硬く、食べられる部分(可食部)が驚くほど少ないので商業的な漁の対象になっていない。




