101 商業ギルド
公爵家一家に見送られ、街の中の厩舎にアイス達を預けて宿に予約をとる。
公爵家おすすめの宿で、ベッドルーム、リビングダイニングルームも広く綺麗だ。
夕飯はインベントリにあるもので簡単に済ませよう。
すき焼き丼、塩キャベツの温玉のせ、ササミとトマトの和風マリネ、ほうれん草のおひたし、味噌汁。
「色々ありがとう。ケンさんと話せて良かった」
アイク「ミツキの楽しそうな顔が見られて嬉しいよ」
アビー「料理もすごく喜んでたな。ミツキの優しい味がした」
「料理を喜んでくれて良かった。こちらに来る時に女神様には会っていないようだったけれど幸せそうだったし、私もケンさんも運命の人のもとに来るために世界を超えてきたのだと思ったの」
「「ミツキ」」
2人に愛され抱きしめられて眠りにつき、起床するのは本当に幸せだ。
2人の寝顔は少し幼く見えてかわいい。
寝顔をたっぷり堪能してから、ほっぺに軽くキスをすると、すぐ口にキスを返された。
「起きてたの?」
アビー「あんなに見つめられたら起きるよ」
アイク「顔に穴が開くかと思ったぞ」
イチャイチャしながらリビングダイニングへ行き、朝ごはんの準備をする。
今日は商業ギルドで待ち合わせしているので、食べてからギルドへ向かう。
オーナー達は既に来ていて、2階へ案内された。
商業ギルドマスターは40歳前後のガッチリした人で、冒険者に見える。
マスター「はじめまして、マスターのロベルトです。クリスから今回の話を聞いた時に、最近ギルド経由で聞いたお名前だったのでびっくりしました。ディアマンテで大きな案件があって、フラシル王都本部に移管されても人が足りないから派遣してほしいと、各ギルドに流れていまして。しかし、こちらでも新作は少しでも早く販売する為に忙しく、フラシルには2人しか行かせませんでした。ハハハ」
「お忙しいところ、ありがとうございます。今日はヘアオイル、化粧水、ハンドクリーム、これはレシピです」
マスター「ほう。匂いも肌触りも良いですね。素材もよく見る、育てやすいもの。似ているのに用途も効果も違う。素晴らしいですね。売れそうです」
オーナー夫人「そうなのです!素晴らしいのです!私は何日も使い続けてお肌の調子がすごく良くて。髪もツヤツヤでお茶会でみなさんに聞かれるのですわ!小さいサイズを試しに100個ずつ販売させて頂いたのですが、数日で完売してしまい、早く販売してくれと領民に強く言われているのです!!」
すごい勢いで奥様がプレゼンしてくれて、マスターはのけぞり気味だ。
マスター「もちろん、販売させて頂きたい。ディアマンテからの話でミツキ様の化粧品類は【月の雫】管轄になっていると聞いていますので、同じように特許料は2割でよろしかったですか?」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
マスター「いえいえ、雇用が増え活気づきますよ」
アイクが作ってくれたビュッフェスタンドを出してみた。
高さを出す為にテーブルに台を置いたりはするけれど、ワイヤーのような支柱に皿をのせるスタイル、しかも3段は無いので売れるだろうと言ってもらえたので、3段スイーツスタンドのデザインも渡しておく。
ビュッフェ用のとは少しデザインを変えて、鳥籠のようなデザイン。
食事の時にパンを数種類置くのにも便利そう。
スイーツ用だとお皿に串を突き刺した形のもあるけれど、鳥籠の方がお皿の交換が段を選んでできるし、真ん中に串が無い方がスイーツを取りやすい。
後日、アイクが作ってくれた時にビュッフェスタンドと同じようなものなのに、私のテンションが何故上がるのか2人は理解できないようだったけれど、有名ホテル、レストランでの優雅なアフタヌーンティーは自分へのご褒美タイムだった。
お姫様気分やお嬢様気分というか、見た目から雰囲気に酔えるアイテムは女の子にとって必須アイテムで、同じケーキでもテーブルに置いただけと、可愛いスタンドに置いたものとでは美味しさまで違ってくるから、萌えアイテムはとても大事だと思う。
ギルドを出てオーナー達とはここでお別れだ。
オーナー「この国に来たときは是非またスマドラにお越しください」
夫人「必ず!来ていただきたいですわ。ミツキさんはお強いですが、お気をつけてください。またお会いしましょうね」
「はい。いろいろとありがとうございました。絶対にまた伺います」
冒険者ギルドへ行き中に入ると、併設されているフードコートでたくさんの冒険者が飲んでいてガヤガヤしていたのに私達を見てしーん、と静まりかえった。
フラシルでも有名って言ってた2人だから、この国でも有名なのかな。
受付に男性がいたのでそこに並び、カードを見せると2階へスムーズに案内された。
部屋に入るとマッチョが2人いて、マスターとサブマスターらしい。
マスターらしき人は細マッチョ、モヒカンでロック歌手みたいな見た目。
マスター「あれ?アイザックにアビゲイス!?かなり久しぶりだな。火竜の話聞いたぞ。アシアへは依頼で来たのか?」
アイク「いや、旅行している」
マスター「旅行!?お前たちが!?ん?何だそのデカいの」
2人の後ろにいた私の事は見えていないようだけれど、更に後ろにいるパールとコハクは隠れきれていないので丸見えだったみたい。
見えるように少し横に出てみる。
私に気が付き私を見て、2人を見てまた私を見て、見事な2度見。
マスター「え!?黒髪、黒目?つーか、そのイヤーカフ⋯⋯結婚したのか!?3人で!?」
アビー「ああ、妻のミツキだ。3人で結婚して結婚旅行している」
2人が両サイドから抱きしめ頭にキスをしてくる。
ポカーン⋯⋯とマスター達は口を開けて固まってしまった。




