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第26話 ドリカのダンジョン



「マスター。4階層はまだ広げるっスか?」

「あそこでブレーキをかけさせたいから、最大まで広げてほしい」

「了解っス」


 ボクとドリカはダンジョンマスタールームで、ダンジョンの調整をしてる。

 ミカゲはダンジョン内の魔物の軍団の動きを確認中だ。


 昨日の夜は……ドリカと初めて、だった。

 でも……なんでミカゲと3人なんだよ……高度すぎるだろ……。


 いや、ミカゲはこういうことが初めてなドリカを導いてはいたけども!?


 ……でもまあ、ミカゲがボクとドリカをそういうことにしたかった理由はよく分かった。


 ドリカがボクから吸収した魔力の量が段違いだったからな。

 納得させられたというか……それが一番、魔力を渡せるっていう……嬉しいような、複雑なような気持ちが……うん。


 気にしない方がいいかもな……。


 ドリカのダンジョンは今、8階層まで広がってる。


 出入り口は実は転移システムらしくて……それはそのうちフランドールの町に近い森の中に設定してもらうことになってる。


 ただ、正面入り口となる出入口以外に……関係者用の裏口というか、別ルートというか、そういう出入口も設定できる。

 そうしないと、ボクやミカゲを含めたこっち側の魔物も全部、正面入り口から入らないとダメだからな。


 そんなダンジョン裏事情もなかなか面白いと思いつつ、フランドールでカイラッドさんに探してもらってるボクの自宅となる物件には、裏口の転移システムをつなぐ予定だ。


 まあ、入口も裏口も、設定するのに魔力を使うから……無限に出入口を作るって訳にもいかない。


 ただし、ダンジョンの出入口の転移システムをうまく使えば、実質的に遠距離の転移も可能ってことになるのは大きい。


 例えば、フランドールから裏口でダンジョンに入り、そのまま別の裏口からボーダントに出る、なんてこともできる訳で。


 ボクの移動がすごく簡単になるのはありがたい。


 また、このドリカのダンジョンはフランドールの町とウィンウィンな関係になるようにしたい。

 より正確に言えば……カイラッドさんとウィンウィンな関係になるようなダンジョンにしたいって話でもある。


 基本は繊維産業と絡めたダンジョン運営になる。


 よくあるラノベのダンジョン経営で、ダンジョン内にホテルを作るみたいなことはしない、というかできないらしい。

 そういう感じで冒険者を集めるのはちょっと違うみたいだ。


 ……風呂は工夫でどうにかしたけど。


 安全地帯の設定はできるけど、その広さには制限があるらしい。

 広くしすぎて、夢現族が殺されるような強い冒険者がいっぱい入ってこないように、ということみたいだ。


 ダンジョンマスターでもある夢現族の生存本能みたいなものかもしれない。


 とりあえず1層は一般的な洞窟型で、ゴブリンが出る。

 ドロップは錆びた武器。


 錆びた武器は持ち帰って武器屋とか鍛冶師のところとかで錆びを落とせば、やや格落ちの武器として使えるものになってる。

 もちろん、錆びたままでも使える。ただし、攻撃力は少し落ちる。


 2層は迷路型だけど、実は迷路ではなくぐるぐると回る渦巻き型の一本道で設定してある。移動時間を多くするために。

 出るのはスケルトンで、ドロップは剣、槍、弓矢とか、盾なんかの武器や防具。


 1層と2層で武器や防具を揃えて、3層に挑む形だ。

 特に、2層では長い道を歩かせて滞在時間を伸ばすようにしてる。その代わり、スケルトンとはタイマンが基本。


 トレインとかしない限りはスケルトンとタイマンになる。

 パーティーでダンジョンに挑んでも、道幅がタイマンできるくらいしかない。剣、槍、弓矢って感じで武器種をうまく組み合わせればパーティー戦になるけどな。

 スケルトンは1体ずつしか出てこない。ただし、いろんな武器を持って出てくるからそこは要注意だ。


 ドロップ率は低めだけど、そういうもんらしい。


 そして、本番は3層だ。

 ここはフィールド型で、めちゃくちゃ広く設定させた。


 草原から丘、ちょっとした森とかもあって、小川も流れてるし、それがつながってる湖もある。


 だから水の確保ができるし、この3層ではホーンラビットとか、エスケープスリーピングシープなんかが出るので、肉類もドロップする。


 水と食料が入手できるから、3層での長期滞在が可能で……エスケープスリーピングシープは肉以外にも羊毛をドロップさせてくる。


 そう。

 繊維産業の素材集めができる階層ってことだ。


 繊維産業関連は、産業の発達過程において重要な位置を占める。

 産業革命と羊毛は切っても切れない縁があるはず。


 そもそも恥じらいをもつ我々人間は服が必要だしな。ドリカやミカゲとは違って。


 もちろん、他にも森にはシルクスパイダーなんかも隠れてる。

 シルクスパイダーとのエンカウントはややレア気味で、シルクスパイダーの糸なんかがたまにドロップする。


 2層を長く歩かせることで……戻るのが面倒だから3層で長期滞在するか、って感じにさせたい。そういう作戦だ。

 そして、繊維関係のドロップを持ち帰ってカイラッドさんや冒険者ギルド、繊維ギルドが買い取るって感じ。


 もちろん肉類は食肉ギルドが買い取ることも可能だろう。


 3層はめちゃくちゃ広いから、4層へのルートはなかなか見つからないと思う。

 でも、たまたま見つけたとしても4層は3層と同じくらい広大な墓場階層にしてもらってる。


 出てくるのはゾンビ限定で、ドロップは腐肉だけ。

 4層では粘って戦う価値がないし、臭いし、居心地は悪いし……ってことで、3層で頑張ってもらいたい。


 5層以下はいろいろとまだまだ工夫が必要だけど、それはもっと魔力を貯めてからってことになるだろう。


 怖いのは……名誉欲でダンジョンクリアを目指すようなタイプの冒険者が入ってくることか。


 今はボクの従魔たちだけが3層に挑んで、大量の羊毛とか、羊肉、兎肉、シルクスパイダーの糸なんかを集めてる。

 ボクの従魔でも、ダンジョンに入れば魔力を少しずつ吸い取られて、それがドリカの、ひいてはダンジョンの魔力として使えるようになるからな。


 自家発電でダンジョンドロップを集めてる、ちょっとした工場みたいなものなのかもしれない。


 ちなみに、シルクスパイダーとか、エスケープスリーピングシープもボクはテイム済みだ。

 ドリカの設定でそういう魔物を召喚して、それをテイムするなんて、まさにマッチポンプだと思う。


 ミカゲがダンジョンに入って夢現族のドリカをテイムさせようとした意図がよく分かった。


 ドリカとボクが組むと相性がすごくいい。

 ダンジョンマスターと魔物使いがつながってるとある意味ではテイムの苦労がないからだ。


 ……魔物使いが最高過ぎるだろ。


 このダンジョンについては、最低でも15階層くらいまで深くしてからフランドールの近くの出入口は設定するつもりだけど……。

 そうなったら、ボクの従魔の軍団はもっと深い階層で何かを回収させることになるかな。ドロップ品を集めるだけでも財産が増えていく感じだ。


 魔力が貯まって階層が深くなったら、フランドールの町にダンジョンの発見をボクが知らせる。


 その日がくるのが今から楽しみ過ぎるぜ!






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