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13 神話の余韻

「はあ……」


大きなベッドに横になったミレイアが、何度目かわからないため息をつく。


ずっと、女神と呼ばれることを嫌がっていた自分が、まさか元女神だったなんて……。

しかも、レオンもアゼルも……ゼファルも、神の生まれ変わりだって?

おまけに、わたしは……帝国の初代皇帝と精霊の子孫でもあるらしいし……。


「まったく。どれだけ背負わせるの……」


ーーその時、いつもの緑色の封筒が、高い天井からキラキラ光りながら舞い落ちてきた。


「あ。今日も届いたのね」


【ミレイアへ】

人型精霊を近づけるな

知りたいなら、君の曽祖父に会うといい


「……また? 最近多いわね……アレクを近づけるなって書かれていること……。このメッセージが、わたしの予想通り、亡くなったパパが残したものだとしたら……ママにしつこく言い寄っていたアレクが、よほど嫌いだったのね。だけどわたしは……何故か嫌いになれないのよね。今まで何度も助けてもらってるし。まあ、発情されるのは困っちゃうけど……。

それよりも……会うといい曽祖父というのは、イリウス大おじいさまのことではないわよね。今知りたいことを知っている曽祖父といったら……」


ぶつぶつ呟くミレイアの指の間から、手紙が光の粒になって、すり抜けていった。


なかなか寝付けなかったミレイアは、手紙が放つ優しい魔力に誘われるように眠りについた。


ーー


朝食用に準備された部屋で、レオンと2人で軽い食事をとりながら、ミレイアは、神話に描かれていた内容を話していた。


「……つまり、わたしもレオンも神様の生まれ変わりみたいなの」


「……信じがたい話だけど、ミレイアならあり得る気がするよ。もしも、神話に出てきた美の女神と破壊神が、昔のミレイアと俺だったとしたら……愛し合って産まれた大切な娘を、酷いやり方で殺されたわけだ……精神を操る神に……。それは……絶対許せないな」

レオンは、2人の子供を想像して、涙ぐんでいる。


「うん。許せなかったでしょうね。だけど、遠い昔の話よ。もし、今のゼファル・グラウベン公爵が、すべての記憶を持ったまま、気の遠くなるような数の転生を繰り返しているとすれば……、自分が犯した罪が永遠に許されないことに、自暴自棄になっているのなら……、

それを止められるのは、わたしたちだけだわ」


「……会ってみる……ゼファルお祖父様に。あの人がやってきたことは許されないことだけど、一緒に過ごした日々が……、愛されていると感じた日々が……全部嘘だったとは思いたくないんだ」


「うん。レオンには、ゼファル公爵の様子を見てきて欲しいと思ってた。だけど……精神魔法には気をつけて。心を強く持つの。確かな自信があれば、魔法に侵されることはないわ」


「確かな自信か……難しいな」


「大丈夫。レオンは、わたしが選んだ人よ!」


「あー、そうだな」

レオンは、ミレイアを優しく見つめて力強く頷いた。


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