表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
283/388

過去を視た後

静まり返った部屋に、ため息が響いた。

「はあ……、もう限界」


「ノエル!大丈夫!?」

ふらつくノエルを、横にいるミレイアが慌てて支えた。


アゼルが心配そうに近づき、ノエルの手を握って顔を覗き込む。

「魔力は安定しているようだけど……」


「わわっ、魔力切れじゃないから!私はただ……」


焦って手を引っ込めたノエルは、しばらく黙り込み――重い表情で口を開いた。


「ただ、視えた内容が余りにも衝撃的で……耐えられなくなっただけです。王妃様の過去が、想像していたものと全然違っていたので……」


その瞬間、堰を切ったようにノエルの目から涙が溢れ出した。

ミレイアが、ノエルの背中をさすりながら声をかける。


「ごめんね、ノエル。あんな場面を視てしまったら、ショックを受けるに決まってるよね」


「ええ……。私も、魔力が少ないことで父親に虐げられて育ちましたから……少しだけ気持ちがわかるんです」


『ノエル……すまない。俺がノエルの能力に頼ったばっかりに……辛いことを思い出させてしまった』

アルスが通信魔道具ごしに頭を下げている。


「大丈夫よ、兄さん。私は頼ってもらえて嬉しかったの。力が使えるようになったことも……。幼い頃は、自分はいらない人間で、この世で1番不幸だと感じていたわ。けれど……私には、味方になってくれる姉さんや兄さん、おばあさまもいた。……愛してくれたサムは亡くしてしまったけど、今はお嬢様がいるし、仲良くしてくれるフローラや、ノクシア領のみんなもいる。でも……王妃様は、今もまだ父親の呪縛から逃れられずにいる……」


『ああ。救いがないよな……同情はするよ。しかし、実の息子を殺そうとした罪は消えない。』


アルスの厳しい言葉に、ミレイアがピクリと反応した。


「わたしは……、やっぱりレオンを殺そうとした王妃様は許せない。だけど……今の彼女には責任は問えないと思う」


「……治療が必要だな」

アゼルが呟き、ミレイアが静かに頷いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ