表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
238/423

122 四角関係

「キャー! ミレイアお姉ちゃん、今の美形の男性はだれだったの? き……キスしてたよね!? キャー!」

アレクが消えた瞬間、パミルが興奮して飛び跳ねた。


ミレイアは恥ずかしそうに苦笑いする。

その横から、レオンとアゼルが揃って冷ややかな視線を向けていた。


「ミレイア、避けようと思えば避けられたんじゃないか?」

レオンがミレイアの唇をそっと指で拭う。


「ごめん。突然だったから……」


「それに、あいつなんかに頼らなくてもいいだろう? ミレイアには契約聖獣たちがいるじゃないか」

アゼルが眉をひそめて問いただす。


「ギンとモフィは、わたしのいる場所には飛べるけど、知らない場所には行けないの。それにスインは若い精霊だから、まだ出来ないことが多くて……。アレクなら、壊れたものを元に戻せるし、魔力も並外れているもの。実は、さっきキスされたときも――魔力を分けてくれたんだよ」


「……だからって、気を許しすぎだ」

「あいつはミレイアの貞操を狙ってる変態だぞ」

「ミレイアに触れていいのは俺だけだ」

「ミレイアを治療していいのは僕だけだ」


ミレイアが二人に責められて目を泳がせているのを見ながら、パミルが楽しそうに手を叩いた。


「な、なにこれ!? 恋愛小説みたいな展開! 三角関係かと思ったら四角関係!?」


「パミル……あのね、アレクは人間に見えるけど、水の精霊なの」


ミレイアの言葉に、パミルが目を丸くする。

「まさかの美形精霊!? ミレイアお姉ちゃんの魅力は、もはや種族をこえてるのね! さすがだわ!」


「もう……」

ミレイアが呆れてため息をついた時、扉をノックする音が響いた。

レオンが返事をすると、護衛のひとりが顔をのぞかせる。


「レオン殿下。宰相と文官長が、正門前でお待ちです」


レオンは早足で護衛に近づいて、言葉を交わしている。


その隙を狙うように、アゼルがミレイアを抱き寄せた。

「魔力の流れを見てるだけ」と言い訳しながら……。

切ないぐらい優しい魔力が、ミレイアの中に流れこんでくる。


「大丈夫そうだね。僕は、そろそろ魔塔に戻るよ。パミルのことは任せてもいいかい?」


「ええ、もちろん。ありがとう、アゼル」

ミレイアはアゼルをぎゅっと抱きしめ返す。


「くれぐれも、危険なことはするんじゃないよ」

「うん」

「またな……」

「うん、またね」


アゼルは名残惜しそうに離れると、転移の光を残して姿を消した。


「うわぁ、意外と大胆ね……」

手を振っていたパミルが呟いた。


レオンが、転移の光に気づいて戻ってきた。

「良かった。ミレイアが黙っていなくなったかと思ったよ。転移したのはアゼルだけか……」


「レオン、もう行くの?」

「ああ。行ってくるよ」

「正門前まで一緒にいくわ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ