表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
237/424

121 影の救済者

「アレク!どうだった?」

ミレイアが駆け寄ると、アレクはくしゃっとした笑みを浮かべ、そっとミレイアの頭を撫でた。


「大丈夫。言われた通りにしてきたよ」


不可解な表情を浮かべたレオンが、ミレイアの袖をつまみ問いかける。

「どういうこと?」


「実は、今朝レオンと別れた後、たまたまアレクが現れたから、お願いしてみたの。レガリアの兵が占拠した帝国の街を、見に行ってほしいって」


「え……。見てきたのか? どんな様子だった?」

レオンがアレクに鋭い視線を向ける。


「今朝の状態は、いいとは言えなかったな。どんな命令を受けていたかは知らないが、レガリアの兵たちは街の大きな軍事施設を爆破し、歯向かう帝国民に剣を向けていた。怪我をした者もいたし、火のついた民家もあった」


「そんな……」


「しかし、死者が出なかったのは幸いだった」


「何も……できなかったのか?」


「俺が行って、ただ見てくるだけなわけないだろ。第一、ミレイアの注文はそんな簡単なものではなかったはずだよな?」

アレクがミレイアの肩に手を回して問いかける。


「そうだったね……無理言ってごめんなさい」


「いや、俺は嬉しかったんだよ。頼ってもらえて。ミレイアのためなら寿命が半分になったって構わないんだ。早く俺と一つになってよ」


耳元で囁かれ、顔を赤くしているミレイアを、レオンが奪い返すように抱き寄せる。

「それで?」


「壊れた軍事施設と焼けた民家は、神聖力を使って元の状態に修復した。怪我人の治療も行った。もちろん、姿は消したままでだ。それに……兵たちと帝国民には、一時的に意識が朦朧とする幻覚魔法をかけてきた。意識がはっきりするころには、すべて夢だったと思うだろうな」


「そうか……父が帝国に示した戦線布告や、兵の不法入国の問題は残っているが、実際の被害がなければ話し合いで解決できるかもしれない。……助かったよ、ありがとう」


「いや、レオンに礼を言われる筋合いはない。俺は、ミレイアのためにやったんだから。お礼ならミレイアからもらうよ」


アレクはミレイアの前に回り込み、少し強引に唇を合わせると、「またね」と手を振って消えていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ