6日目
今日はすごいことが起きました。
なんと!
魔王四天王の一人が現れたんです!
場所は大きな川の橋の前で、僕らの前に立ち塞がるように立ってました。
最初、病人かと思いました。
だって真っ青な顔をしたマント姿の変なおっさんだったんですもの。
四天王は自分のことを「魔王四天王の一人ゲイル」って名乗ってました。
「異世界より召喚されし勇者よ。魔王様の命令でその首もらい受ける!」とかなんとかカッコイイこと言ってました。
でも残念なことに、それを言った相手はアシュリーさんでした。どうやら僕は眼中になかったようです。ちょっと切なかったです……。
「異世界より召喚されし勇者はこっちだ」とアシュリーさんが何度も僕を紹介してくれましたが、四天王ゲイルは最後まで信じてくれませんでした。
しまいには「召し使いを盾にしようとは見下げ果てたぞ、異世界の勇者」ってブチ切れてました。ブチ切れたいのはこっちです。
結局、四天王ゲイルはアシュリーさんを執拗に狙って攻撃し、アシュリーさんも剣で対応せざるをなくて、僕は近くの茂みに隠れて応援だけしてました。
こういうのは邪魔しちゃいけないもんね。
がんばれーがんばれーってずっと声に出して応援してました。
サッカーとか野球とかスポーツ観戦ってあまりしたことないけど、こんな感じなんだろうね。
激しい攻防の末、アシュリーさんは見事四天王ゲイルを打ち倒しました。
なんかよくわかんなかったけど、すごかったです。剣をバシュバシュやって倒してました。なんかよくわかんなかったけど。
で、四天王ゲイルは「さすがだな、異世界の勇者よ。しかし我は四天王の中でも最弱よ」というお約束のセリフを吐いてました。もう僕のテンションは爆上がりです。感動しました。実際にそんなセリフが聞けるだなんて!
さらに最弱四天王ゲイルは「我に手こずるようでは他の四天王に勝てるわけがない、残念だったな。あっはっはっは……ぐふっ」と言って倒れました。
最後に「ぐふっ」って言うところもステキ。
「お疲れ様でした」
隠れてた茂みから出てアシュリーさんを労おうとしたら、「なんかすまん」って謝られました。
どうやら僕が召し使いであることを最後まで訂正できなかったことが申し訳なかったようです。
気にしなくていいのに……。
そんなこんなで、今日も峠道で野宿です。わーい。
追伸:さすがに道ばたで寝るのは危なかったので、近くの洞窟に避難しました。




