7日目
今日はふたつめの村にたどり着きました。
チェリー村だかなんだかって村でした(すいません、覚えてなくて)
アシュリーさん曰く「チェリーの種を口から飛ばす大会で有名な村」なんだそうです。
そのことをものすごいドヤ顔で言われました。
チェリーの種を口から飛ばす大会で有名な村って言われてもピンときません。そしてなんでそれをドヤ顔で説明するのかもわかりません。
他に何かメジャーなものはないのか聞きましたが「ない!」と言われました。
それもすごいドヤ顔で言われました。
何もないのを「ない!」ってドヤ顔で言う人初めて見ました。
言われてみれば日本の有名RPGでも途中で立ち寄る村や町にその地の特産品みたいなものってなかったもんね。ただ休む宿や武器防具屋があるだけで。あとは少々のイベントとか。
だからこの村でも特に何もなく宿屋に泊まって次に進むんだろうなって思ってたら、着いて早々イベントが起こってました。
なんと村人の大半が石化されていたのです。
村のあちこちに石にされた状態の人たちが立っていました。
みんな恐怖に引きつった顔してました。ジャンル間違えてるんじゃないか? って思いました。
ホラー作品でしょ、これ。かなり怖かったです。
やだなぁ、僕怖いの苦手なんだけどなぁ。
運のいいことに(悪いことに?)生き残った村人がいて、情報を聞けました。
なんでも東の森の洞窟に人を石にする魔物がいて、面白半分でみんな石にされたんだそうです。怖い怖い。
村人からは
「おねげえだ、魔物を倒してこの村を救ってくれ!」
って言われました。
勇者心をくすぐるいい言葉。
アシュリーさんに向かって言ってたのが釈然としないけど。
でもここで引いたら勇者じゃないもんね。
思わず「任せてよ! 僕が退治してくる!」って大見得切っちゃいました。
木の棒を持ったランニングシャツ姿の僕を見て村人は「はは……」って笑ってましたけど。
「はは……」ってなんなんでしょうね。はは……。
「大丈夫だ、我々で魔物を退治してこよう」
アシュリーさんがそう言うと村人はすごく顔を輝かせて「ありがとうございます! ありがとうございます!」と何度も頭を下げてました。僕も同じこと言ったんだけどなぁ……。はは……。
にしても、こうして生き残った村人がいてこうなった原因を教えてくれるなんて、すごく都合の良い展開ですね。これがご都合主義というやつでしょうか。
だってみんな石化されてたら原因がわからないもの。
きっと魔王の仕業だと思い込んで素通りしてた可能性すらあります。
もしかしたらあえて村人の一人を残してたのかもしれません。
罠かな? とも思いましたが、だからといって見殺しにはできません。だって僕、勇者だもの。
でも今日はもう遅いということで、明日行くことになりました。
そしてなんと生き残った村人は宿屋の人だったらしく、タダで泊めてくれました。
ご都合主義バンザイ。
追伸:村に来た記念に種飛ばしをやってけと言われてやらされました。のんきだなぁ。




