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22/32

22日目

 朝から風の谷に引き返してアシュリーさんが気になっていたという横穴に行きました。

 中は意外にも風が吹いておらず、穴が奥まで続いてました。

 もう怪しさ満点でした。

 この奥に絶対何かあるだろってダンジョン。


「これ絶対、奥に風神の盾ありますよね」って言うと、アシュリーさんも「気を抜くなよ」っていつになく神妙でした。

 アシュリーさんが慎重になるとかえって怖さが倍になるよね。僕の心臓ノミレベルだからやめて欲しい。



 でも特に大きなトラブルもなく風神の盾を見つけることができました。

 洞窟の奥が神殿のようになっていて、その中央に台座があり、台座の上に風の丸い膜みたいなものができてました。で、その風の膜の中心部分に丸い盾があり、空中に浮いてました。


 まさに伝説の武具って感じのたたずまい。

 でも普通、こういった武具ってそれを守るガーディアンみたいなのがいるはずなんですけど、風神の盾に関してはそれはなかったです。

 ただし、風の膜に関してはアシュリーさんから「腕がちぎれ飛ぶから絶対触るな」と言われました。怖いよ。


 つまり風神の盾はその周りを覆っている風の膜をなんとかしないといけないらしく、どうにもなりませんでした。

 一度アシュリーさんが炎の剣で風の膜を斬ろうとしたら、逆に吹っ飛ばされてました。


「あーれー」なんて生やさしいもんじゃないですよ。

「ズコー!」って感じです。「ズコー!」って。

 身体を「く」の字に曲げて壁に叩きつけられてました。ヤバすぎる。アシュリーさんだったから無事でしたけど、僕だったら完全に死んでます。


 で、この風神の盾、どうやって手に入れたかというと、台座をどかしたら手に入りました。


 なんと風の膜を作ってたのは台座の方で、それをどかした瞬間、風神の盾を覆ってた膜は消えて地面に転がり落ちました。

 まさにコロンブスの卵的発想。



 こうして無事に風神の盾を手に入れたわけですが、こいつも(こいつって言っちゃった)炎の剣同様に自我があるようで、


『ワシを使いこなせるかどうか見定めてやろう』


 なんて偉そうに言ってました。


 ちなみに何をしたかというと、盾を装備した状態で


「巻き起これ! 風神雷光破ふうじんらいこうは!」


 って叫ぶだけでした。

 風神雷光破ですってよ、風神雷光破!

 厨二病全開じゃん! めっちゃ恥ずかしい!



 でももともと少し厨二病入ってるアシュリーさん(失礼)は、躊躇なく「巻き起これ! 風神雷光破ふうじんらいこうは!」って叫んでました。

 くうう、見てるこっちが恥ずかしい!


 ところが風神の盾はアシュリーさんの声に反応して中心部分から強烈な稲光を発生させてました。

 名前はアレだけど、すごい盾でした。

 しかもしかも、盾としても優秀で、風神の盾曰く、襲ってくる敵をその盾で防ぐと強烈な風で相手を吹っ飛ばすことができるんですって。まさにチート級の防具。


 これ、炎の剣と風神の盾があれば魔王倒せるんじゃない?



「たこす殿もやってみるか?」とアシュリーさんから風神の盾を渡されたので、ちょっと恥ずかしかったですけど


「巻き起これ! 風神雷光破!」


 って叫んでみました。

 そしたら稲光が出るどころか、『ぷー』って笑われました。


『それがおぬしの本気か? 魔力がなさすぎて笑いのほうが巻き起こったわ』なんて言われました。ちょっと失礼すぎじゃない?


 結局、何度やっても『ぷー』とか『ぽー』とか『ぱー』しか言わず、

『ワシを笑い殺す気か!』

 とまで言われました。可能であれば殺したかったです。



 ということで、風神の盾もアシュリーさんが装備することになりました。

 なんなんだろうね。



追伸:どうやら炎の剣と風神の盾は知り合いのようで、『あ、どもども』『や、これはこれは』と近所のおっちゃんたちが出くわしたみたいな会話してました。本当に伝説の武具なのかな?



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