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2/12

2日目

 今日は朝から買い物日和。

 アシュリーさんに連れられ、いろいろ回りました。

 なぜなら召喚された時、僕はパジャマだったからです。


「おぬしの世界はそれが普段着か?」

 とアシュリーさんに聞かれ、思わず

「はい」

 と答えてしまいました。


 寝間着姿で召喚させられた勇者なんて、恥ずかしくて言えません。


 だから、上下縦じま模様の薄汚れたパジャマをいつまでも着ていたのですが、さすがに冒険にはむかないということで装備を買ってもらえることになりました。



 何を買ってもらえるのだろうと期待していたら、袖のない襟がびろんと伸びた白いシャツをくれました。

 日本で言うところのランニングシャツです。

 まあ、動きやすいは動きやすいですけど、ちょっと恥ずかしいです。

 僕、そんなムッキムキじゃないですし。むしろガリガリですし。



 案の定、それを着たらなんだか貧相な男が鏡に映りました。ほんと、やめて。



「よく似合うではないか」

 とアシュリーさんが言ったのには驚きました。

 ……正気ですか?


 でも、僕に選ぶ権利はなく、そのランニングシャツに布の半ズボンというマニアックなチョイスで僕の装備は固定されました。

 こうやって日記をつけている今でも僕はアシュリーさんの部屋に押しかけて問いただしたいくらいです。


「あなた、ほんとうに正気ですか……?」と。



 ちなみに、防具屋には行ってません。

 鎧や兜や盾は、レベルが上がらないと装備できないからです。

 まあ、装備以前に僕の痩せ細った身体を見て即座に

「防具屋はいいな」

 とアシュリーさんが言ってました。

 ちょっと凹みます。



 それから、大事な武器。

 冒険をするうえで欠かせない、対魔物用の道具。

 この世界の武器屋は、対面販売が主流です。

 カウンターごしに並べられた武器を見て、「これが欲しい」と店員に言うスタイル。



 僕は、そこに並べられた一際目立つかっこいい剣が欲しかったんですけど、アシュリーさんが買ってくれたのは木の棒でした。


 理由を聞いたら

「剣だと危ないから」

 だそうです。


 今から魔王を倒しに行くのにね。


 まあ、木の棒といっても、かなり丈夫です。1メートルほどの長さの丸棒をロウのようなもので固めた、木製のバットのような硬さです。

 これなら、弱小モンスターもイチコロでしょう。

 僕がイチコロにやれらないように、気をつけねば。



 それから、薬草やら食料やら水やらを買いまわって、気が付けば陽が暮れてました。

 なんだかデートみたいで楽しかったです。



追記:アシュリーさんは甘いのが苦手だそうです。そんなアシュリーさんもステキ。



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