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第四十七話 水竜の集落

評価二人目頂きました!

本当にありがとうございます!

お祝いにキムチ鍋のキムチを買いに行ってたら投稿が遅くなりました。

「いやー美味かったのじゃ!」

一心不乱に俺の作った料理を食べ尽くしたウランが満足そうな表情で仰向けに転がって腹を叩いている。


「美味いのはいいが食べすぎだ。」

「ふぇっふぇっふぇっ!こんな美女が手放しに賞賛してるんだ喜んでおけ!」

明日楽をするために明日の朝飯分も作ったのに鍋の中は空だ。

しかも俺とフィルはスープを一杯ずつしか食べれなかった。

なぜならお替りをしようとした時にはウランが鍋から直接スープを飲んでいたからだ。



「ならフィル?今度ウランに料理も教えてやれ。」

「教えることが多すぎて明日までに帰れんじゃないか!」

「俺は帰るがフィルは残ればいい。」

フィルが困った顔をして言うので俺は即答で解決策を教えてやる。



「わしは校長だぞ?無理じゃ!」

「なら手を考えろ。」

「ウランを学校に来させるか?ふぇっふぇっふぇっ!」

「俺に世話を頼まずに爺が責任を持って教育するのなら反対はしない。」

予想通りに俺に押し付けるつもりだったのだろう、フィルが驚愕の表情で固まっている。

先手を打たれて唸っているフィルを冷たい目で見る。

爺と違って俺は学習するのだ。



そんな事をしていると何かが地面に落ちる音が聞こえる。

音の方向を見るとアークデーモンが一体減って地面に魔石が転がっている。

「思ったより早かったな。」

「こんなアークデーモンの討伐方法があるとはな・・・」

「もう食べられんのじゃぁ!」

俺が言うとフィルが感心して言っている。

ウランはアークデーモンの事は忘れているのか先程と変わらずに満足気な表情で大の字に寝転んで腹をポンポンと叩いている。




三十分程した頃に最後のアークデーモンの体が霧散して魔石を残して消えて行く。

「よし!終わりだな!魔石を拾うのくらいはワシがしよう。」

フィルが結界の外に出て五個の魔石を拾い集める。


念のために目に魔力を流して部屋の中を確認すると見た事もない魔法陣が描かれていた。

「フィル?魔法陣が描かれているぞ?」

「なんだと?」

「頭を出せ。」

フィルの頭に手を置いてフィルの目に魔力を纏わせる。


「ぬぉ?ニコはいつもこんな風景を見ているのか・・・」

「・・・疲れるから普段は使ってない。」

俺と大の字になって寝ているウランの魔力が見えたのだろう。

フィルが目を見開いてアランと同じ事を言うので同じ言葉を返しておく。


「それよりもそこの魔法陣を見ろ・・・おい起きろ。」

大の字で寝転んで俺の料理の余韻に浸ってまま寝始めたウランを足で小突いて起こす。



「ニコ?女性にそういう行為は看過できんな?」

「爺?色ボケするのは勝手だが名前を間違えるな。」

「ん?もう終わったのじゃな?では外に出ようぞ!」

起きたウランがアークデーモンがいなくなった事を確認して外に歩いて行き、俺に注意され反省したのか項垂れたフィルと一緒に付いて行こうとするので二人の肩を掴んで引き止める。


「ウラン?あの魔法陣に身に覚えはあるか?」

「魔法陣?・・・見えんのじゃ!」

「目に身体能力強化魔法をかけて見ろ。」

「ん?わらわはあれは・・・わらわは描いた覚えは無いのじゃ!」

「ならば調査せねば!」

魔法陣を見たウランが言うとフィルが手早く魔法陣を書き写して剣で地面を切り刻んで消す。




「ウラン殿もう安心ですぞ?魔法陣は私は責任をもって調査しますので!」

フィルが敬礼をしてウランに言う。

「では任せるのじゃ!では帰ろうぞ!」

ウランは興味無さそうに言って踵を返して洞窟の出口に向かって歩き始めるのでフィルと二人で後ろを付いて行く。



「じゃが・・・わらわは腹が満たされたが飢えた村の皆はどうするかの・・・」

歩きながらウランが神妙な面持ちで呟く。


「吸収した魔力はすぐに放出して魔素になるように設定したから今はこの洞窟は魔素に溢れているからすぐに魔物が発生するだろう。」

「ならば安心じゃの!ルドルフニコと言ったかの?本当に感謝するのじゃ!」

俺の言葉にウランが花が咲いたような笑顔になって抱きついて来る。

豊満な胸の感触がとても心地よいのだが名前が無茶苦茶だ。



「・・・このマスクを着けている時はルドルフ、外してる時はニコだ。面倒臭いが色々と事情があるので頼む。」

「わかったのじゃルドルフ!」

ウランが一瞬考えてルドルフと呼んでいるので大丈夫そうだ。

魔族は基本的に覚えるのが早いので恐らく問題ないだろう。



「(少なくともそこの色ボケ爺よりは信用できるな。)」

そんな事を思いながらウランの後ろを付いて行く。

洞窟を出ると項垂れていたフィルが突然背筋を正して真顔になる。


「ルドルフよ!わしはウランに家などの知識を教える。ルドルフは村の水竜達の料理を作ってやれ!」

何事だろうと様子を伺っているとフィルは俺に向いて無茶苦茶なことを言って来る。


「・・・全てアランに言うからな?」

「も、問題ない。」

フィルが目を泳がしているので問題ない事はないのだろうが、ウランとの会話を優先したのだろう。

だらしない表情をしながらウランの肩を抱いて離れて行く。



「ちっ!魔鼠退治の報奨金に上乗せしてもらうしかないな。」

1人ごちりながら料理を作る。

上空から家の数を数えていたので、家の数だけの十人前を作ればいいだろう。

足りない時はさすがの俺も知ったことでは無い。



適当に野菜を煮込んでポトフを作る。

最近料理を作りすぎて大量にあったはずの魔物肉の在庫がもうわずかだ。

「(あと一ヶ月分くらいか・・・早急にどうにかしなければな。)」

そんな事を考えつつ料理を作る。



料理を作り終えようという絶妙なタイミングで変化した水竜だろう、何人もの女性を引き連れたウランとフィルがやってくる。

数えてみると予想通りに水竜は九人なのでウランをあわせて十人だ。

「にしても全員女か・・・」

「皆この洞窟で生まれて自我を持って魔族になった者達じゃからのぅ?」

「そういう事か・・・合点が言った。」

竜種は基本的に雌しかいない。

おそらくここを住処にしていたウランが出す魔素によって水竜が産まれ、長い時間をかけて魔族へと進化したのだろう。

念のために答えあわせをして見る。


「そうか・・・こいつらはどれくらいの期間で魔族になるんだ?」

「大体三万回ほど日が昇れば一人出てくるくらいかのぅ?」

正解だったようだ。

単純計算で一人の魔族が誕生するのに百年近くかかるようなのでウランは九百年近くこの場所にいるという事がわかった。

とりあえず俺とウランの会話の意図をよくわかってなさそうなフィルを尻目に作ったポトフを村の住民達に取り分けてパンと一緒に配る。

ウランの指示に従って素直に列を作って受け取ってくれるのでとても配りやすくて助かる。


「さぁ!人間の馳走じゃ!わらわはさきに頂いたから気にせずに皆食べるのじゃ!」

全員に配り終えるとウランが言い、みんな一斉にポトフとパンにかぶりつく。

見た事も無いのであろう、恐る恐るパンを一口食べてポトフを飲むとみんな一様に目を見開いて一心不乱に晩飯を貪る。

変化した水竜達は全員が顔が整った美女ばかりなので少々異様な光景だ。



「ふぇっふぇっふぇっ!ニコの料理は絶品だからな!」

「色ボケ爺。ニコではない。」

なぜか胸を張って笑うボケ爺を肘で小突いて注意しておく。



「おい色ボケ爺。お替りは一杯ずつ用意してるからみんなにあげてやれ。」

「わしにそんな事を命令できるの・・・アランくらいだぞ?」

フィルが拗ねたようにいいながら言われた通りに鍋を持って水竜達の持っている器にお替りを注ぐ。



「ルドルフよ。村を救って貰ったうえにこの様な馳走を頂いて感謝の言葉もない。どれでも選ぶがよい!」

ウランが俺に言うが言葉の意味がよくわからない。


「どういう意味だ?」

「好きな者を連れて行ってつがいにするがよいと言っておるのじゃ!」

ウランが両手を広げて高らかに言う。


「すまんがいらん。」

「・・・わらわが行くしかないのか。」

「それもいらん。」

「ではどうやって恩返しをすればいいのじゃ!?」

かなりの覚悟を決めていたのだろう。

ウランが膝から崩れ落ちて地面に両手を付いて絶望し始める。

控えめに見ても美女がしていい表情ではなくなっている。



「じゃあ俺が本気で困ったときに助けて欲しい。」

「ふむ。ではその時には即座に馳せ参じようぞ!」

ウランが胸を張って言っているのでいざという時に報せる手段を考える。


「では俺が本当にやばい時はここに向けて魔力波を飛ばす。」

「ルドルフの魔力は覚えたから大丈夫なのじゃ!任せてたもぉ?」

俺の魔法の余波に気付いたくらいなので俺がこの場所に向けて魔力を飛ばせば王都よりも離れていても気付いてくれるだろう。

俺は信用すると決めているので深く頷く。

ウランは満足そうに満面の笑みで俺をハグする。



「ならそろそろ帰りたいのだが?」

ウランの胸の膨らみの感触をしっかりと堪能してから言う。

フィルが親の敵の如く俺を睨んでいるが働いた俺の特権だ。

悔しければフィルもウラン達に感謝されるような事をすればいいだけなのだ。

「わかったのじゃ!ではすぐに戻るのじゃ!」

そう言ってウランが水竜の姿に戻って背中を見せてくる。

乗れと言う事なのだろう。


「すまん。少しだけ待ってくれ。」

そう言って食べ終わった水竜達から食器を預かって行く洗う。

この食器は明日マット達が使うので洗っておかなければルドルフの時の出来事を言う訳にも行かないので朝飯を作りながら食器洗いもしなければならなくなってしまうのでやっておかなければならない事なのだ。



「待たせたな。いいぞ」

食器を洗い終わってウランに乗って羽に掴まって言う。

「ではルドルフ行くのじゃ!」

「頼んだ。」

「わしは準備はとっくに完了だ!」

フィルが言っているがウランは気にも留めずに王都へと飛び立って行く。



「(さっさと学校に戻って日常に戻りたい・・・)」

行きと違い景色を見ずにマジックバッグの中身を確認して献立を一週間のおおまかな献立を考える。

今週の休みは忙しくて買出しが出来ていないのでかなり厳しい。

「なぜ俺が使用人のような悩み事をせねばならんのだ・・・」

「何か言ったか?」

「独り言だ気にしないでくれ。」

思わず心の声が漏れる。

どうせフィルに愚痴っても腹立たしい説得を長々とされるのはわかっているのでグッと堪えてマジックバッグの整理を続ける。

面白いと思ったり続きが気になると思った方は評価や感想を頂けると嬉しいです。

もちろん誤字、脱字やお気づきになった矛盾点などの指摘もお待ちしています



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