表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

目覚め2

 少しの後、先ほどの女とともに若い男が部屋に現れた。

 身綺麗な服に整った顔。どこかの偉い一族の息子か。ルーナとなった氷は黙って男を観察していた。

「ルーナ、良かった! 君が泉に落ちたと聞いた時は悪い夢を見ているのかと思ったよ」

 男はそう言ってルーナの手を握った。

 ルーナが困惑していると、男は「ああ」と言って手を離す。

「すまない、記憶がないんだったね。僕はロクデム。いきなりこんなことを言っても驚かせてしまうだろうけど、君の婚約者なんだ」

「婚約者……?」

 ルーナは首を傾げる。

「今は何もわからなくていいよ」

 ロクデムと名乗った男は優しく微笑むとルーナの頭を撫でた。ルーナは不快に感じながらも、おとなしく頷いた。

「じゃあ、何かあったらすぐに呼んでくれ」

 ロクデムは爽やかに微笑むと部屋を出る。

「?」

 ルーナは手が震えていた。先ほどの男に握られた手が小刻みに震え、熱を帯びていた。

「…‥ルーナ?」

 氷は、もう片方の手で震える手を優しく撫でた。

「大丈夫、もういない」

 何度も撫でるうちに、徐々に震えが収まっていく。ルーナは自らの手を見つめながら問い掛ける。

「敵なの?」

 ルーナは答えなかった。

 その後、医者を名乗る者が現れ、体調面を確認すると、問題なしとして解放された。そして、今日は休むように言われ一日が終わる。

 ルーナはベッドの中で考える。

 まずはルーナに何が起きたのかを調べよう。

 彼女がなぜ、命を絶とうとしたのか。

 それを突き止めなければならない。

 氷の天使は、自分の中の奥底で眠るルーナに思いを馳せる。

 ねえ、ルーナ。仮にすべてを終わらせたとして、あなたは起きてくれるのかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ