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水の底

 水の底にしては明るい。

 意識を失う前の彼女の感想だった。

 不思議と苦しくない。穏やかに、緩やかに、眠りにつくように意識が薄れていき、繊維のように解れていく。


 そして、水の底で彼女を見た。


 遠い国の少女。

 彼女は涙を流し、泉に身を投げた。

 彼女が何に対して涙を流しているのかは、氷の天使にはわからない。しかし、少女が悲しみに包まれているのは理解できる。

 水の中でも彼女は涙を流していた。


(ごめんなさい)


 彼女の言葉は泡になり消えたが、氷の天使の耳にはしっかりと聞こえた。

 少女の意識はそこで途切れている。


 途切れた意識はほつれた糸のように水中を漂っている。ゆらりゆらりと揺蕩う糸に別の糸が吸い寄せられていく。

 二つの糸は絡み合い、一本の糸となる。

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