8話.絵画のモンスター・前編
むかしむかしアンコク街の王宮に、イッキュウさんという世界最強の賢者と、タマという巨乳猫耳美少女がいました。
「この扉の奥にある階段を降りると第三宝物庫です」
「案内ご苦労。君はここで待機だ」
「了解しました。イッキュウ様、タマ様、ご武運を」
イッキュウさんとタマは、地下へ続く長い螺旋階段を下りていきました。
先日開催された世界最強魔法使い大会で王様に気に入られたことで、王宮から直々に依頼を受けていました。
数日前、魔道具を保管してある第三宝物庫に、記録にない不思議な見た目をした絵画が存在していることが判明した。
調査に向かわせた兵士や冒険者たちは、突然現れた四足歩行の白いモンスターに全員返り討ちにされた。
魔道具の封印が解かれた可能性が高いため、謎のモンスターを討伐、もしくは再封印してほしい。
というのが依頼の内容でした。
「ふむ、モンスターの気配は特にないな」
「でも明らかにナニカがいるにゃ」
宝物庫の中は酷い有様でした。
あちこちで床や壁がひび割れ、魔道具が入っていた木箱が散乱しており、この場で何かが暴れていたことを物語っていました。
「ふむ、これが問題の絵画か。かなり古いな」
「おっきな虎さんの絵だにゃ。カクカクでジグザグしてるにゃ」
「確かに面白い構造をしている。複数の板の組み合わせによって物理的に自立しているようだ。魔道具ではなさそうだが」
イッキュウさんは【超鑑定】スキルを使いました。
「……なるほど、そういうことか」
「お主、強いな」
いつの間にか絵画の側に巨乳虎耳美少女が立っていました。
「だ、誰にゃ!?いつからそこにいたにゃ!?」
「妾の名はルリじゃ。お主は……小娘にしては意外と悪くないが、まだまだ未熟じゃな」
ルリはタマに興味をなくして、イッキュウさんと向き合いました。
「ふむ、付喪神とは珍しい」
「つくもがみ……って何にゃ?」
「簡単に説明すると物体、主に長年使用された道具や武器に宿る精霊のことだ。絵画をもう一度見てみろ」
「にゃにゃ!?絵が変わってるにゃ!?」
タマが驚きの声をあげました。
なんと、絵画に描かれていた虎の姿が跡形もなく消えていたのです。
「要するに、こいつが白いモンスターの正体というわけだ。今は獣人の姿をしているが【変化】スキルとも異なる付喪神としての性質によるものだな。付喪神の中には複数の姿を自在に使い分けることができーー」
「ご、ご主人!そんなことよりもっと大変なことに気付いたにゃ!」
タマが更に慌てた様子で叫びました。
「このつくもがみ、タマとキャラ要素がもろ被りしてるにゃ!これは由々しき事態にゃ!」
「さっきからにゃーにゃーやかましいぞ小娘」
ルリがタマに向かって右手をブンと振りました。
「にゃあああああああああ!?」
タマは風圧で服が脱げて、大きなおっぱいが丸出しになってしまいました。
「小僧、名を申してみよ」
「イッキュウだ」
「イッキュウ、妾はお主と戦いたい。今までやってきた連中は弱すぎて準備運動にもならなかった。じゃが、お主なら満足させてくれそうじゃ」
ルリの瞳が鋭く光りました。
「やれやれ、やはりこうなったか。接近戦はあまり得意ではないのだが」
イッキュウさんはため息をつき、身体強化魔法を使いました。
「タマ、しばらくの間誰も入れないように兵士に伝えてきてくれ」
「わ、わかったにゃ!」
タマは階段を上っていきました。
「小娘を避難させたのは良い判断じゃな」
「何の話だ。俺は1人の方がやりやすいだけだが」
「かっかっかっ、そう身構えるな小僧。我は全力で戦いたいだけじゃ。殺したりはせぬ」
「やれやれ、少々骨が折れそうだ」
「さあかかってこい人の子よ!妾を存分に楽しませるのじゃ!」
【今回の登場人物】
・イッキュウさん
世界最強の賢者。
美術センスはあまりない。
・タマ
巨乳猫耳美少女。
薄暗い場所に来るとテンションが上がる。
・兵士
宝物庫への案内を担当した男兵士。
現在彼女募集中。
・ルリ
巨乳虎耳付喪神美少女。
身体が闘争を求めている。
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次の話は2023年3月27日19時に投稿予定です。




