表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か
154/251

レベル125-2 先を見据えた話が出来るのはそれだけの力がついてきたからでしょう

 現在のところ、土地の購入(というより、人が住める設備の建築)にまわせる金がない。

 妖ネズミを倒す事で日銭を稼ぐ事は出来るが、必要になる費用を手に入れるには至らない。

 やろうとすれば、最低でも妖犬を相手にしないと無理がある。

 それにしたって、相当な数を相手にせねばならない。

 トオル達のレベルで狙えるのはそのあたりである。

 となれば、これを効率よく倒していかねばならない。

 そのために、ある程度のレベルの人間をそれなりに揃えなくてはならなかった。



「この前みたいな人数じゃきついしな」

「そうだね。

 やっぱり、七人とか八人とか。

 それくらいいないとつらいね」

 その場にいたレンも口を挟んでくる。

 実際に妖犬を相手にした経験があるだけに色々切実である。

「レベルも4くらいないとつらいし」

「だよな」

 そこが分かれ目のようだった。

 レベル3ではギリギリだ。

 レベル4の人間がいないとつらい。

「となると、今いる連中がレベル4になるまで待たないと」

「冬までかかるね」

「そうだな」

 一年で、いいとこレベル4までしか上がらない。

 それも、相当上手くいった場合であろう。

 トオル達が指導した者達も、レベル3がほとんどでレベル4は少ない。

 先にレベル4を増やそうと思うが、それも時間がかかる。

「こりゃ、ある程度レベルの上がってるのを入れるしかないかな」

「でも、そんな奴がすぐに来てくれる?」

「そうなんだよな」

 人集めはかくも難しい。

「せめて、兵隊やってる奴が来てくれればいいんだけど」

「それだと報酬の取り分が面倒にならない?」

「まったくその通りだ」

 トオル達がトモノリの兵士になった者達と同調してやらない理由がそこにある。

 上に立つ者が違うだけに、変に共同して作業をしても面倒が多い。

 呉越同舟ほどいがみ合ってなくても、船頭多くして船山に上るになりかねない。

 そうなるくらいなら、別々に行動していた方がよい。

「やっぱり、レベルを上げるしかないか」

 最終的にはそうなる。

 それから妖犬に目標を移して、資金を貯める。

 どれくらいで資金が貯まるかは、計算してみないと分からないが、一年くらいは確実にかかるだろう。

 となると、自分達の拠点を持つのは二年ほど先の事になる。

「遠いなあ…………」

 現実の厳しさに泣けてきた。



 嘆いていても仕方ないので、やれる事に手をつけていく。

 当面の目標であるレベルアップも目指していく。

 それと同時に、将来のための資金作りも目指していく。

 具体的には、一団として徴収する費用の増加になる。

 稼ぎの中で端数になる部分を集めていただけだが、今後はもう少し多めに徴収する事になる。

 全員に分配する前の段階で、ある程度の金額を一団に入れる事にする。

 ただ、二手に分かれてる今、金銭の管理をする必要が出てくる。

 とりあえず、素材売却の時に、手にした金額から一定額を一団に入れるのが一番面倒がない。

(でも、会計出来る奴をおいておかないとな)

 またもそこに行き当たった。

 どうしても人が必要になってくる。

 稼ぎを増やそうとすればするほど、必要な人数が増えていく。

(当分は妖ネズミ相手に頑張ればいいだろうけど)

 その先を考えるとどうしてもそうなる。

 一団をある程度の規模にしていくなら、戦闘以外の部分も必要になる。

 まだ先の事とはいえ、それも考えていかねばならない。



 妖ネズミだって、そのうち初心者相手のモンスターとなるかもしれない。

 今は貴重なメシの種であるが、妖犬を相手にするようになれば、そこも変わる。

 まずはそこでレベルを上げて、それから稼げるモンスターに移行していく。

 その最初の段階として、妖ネズミには頑張ってもらう。

 また、妖犬相手を越えた次も考えていかねばならない。

 妖ネズミより稼げるが、それでもまだ足りない。

 一人一人が稼げるようになるには、どうしてもより稼げるモンスターを相手にしていく事になる。

 強力で大型のモンスターを視野にいれねばならない。

 レベル10以上が必要とされるものたちだが、それを倒していけるようにならないと、稼ぎを増やす事は出来ない。

 そこまでやるつもりはなかったが、稼ぎの安定を求めるならそれも必要になる。

 それが出来るようになるか分からなかったが、考えの一つとして控えておく事にした。

 この先どうなるか分からないのだし。

(こうするしかないのかな)

 稼ぎの安定と増大を考えた時からこの問題はつきまとう。

 強くなるしかないのか?

 強いものを倒すしかないのか?

 それが無理だから出来る範囲でがんばろうとしていたのだが、そこから段々逸脱していく。

 何でこうなったのかとすら思う。

(まあ、それが出来るようになってきてるんだろうな……)

 確実に強くなっている。

 トオルのレベルもどんどん上がっている。

 だからこそ、諦めていた事が可能性としてとらえられるようになった。

 成長と言えばよいだろう。

 それに裏打ちされた自信のあらわれでもある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ