プロローグ
一部、内容を書き換えました。
僕の心、君にあげる――。
寝台に横たわるダイアンはそう言って、色とりどりの配線に繋がれた青白い手をそっと伸ばした。
まるで一縷の望みを手繰り寄せるように、その手は隣で眠る少年の手を力なく握りしめた。
穏やかに伝わる体温は虚な体に流れ込み、ゆっくりと少年の心を満たしてゆく。
静寂の広がる室内には荒々しい呼吸音とともに、時折耳障りな電子音が聞こえる。
しばらくすると、手のひらに伝わった温もりは色褪せてゆき、責めるような甲高い音だけが刻々と鳴り響く。いつしか諦めたように静けさが戻ると、色の無い世界へと誘われた。
この瞬間、懐かしい少女の笑い声と優しい眼差しが、まるで走馬灯のように脳裏へと飛び込んできた。
長い夢から覚めたような、ひとときのうたた寝から目覚めたような不思議な感覚。
暗闇に差し込む光を徐々に受け入れたはずなのに、ぼやけた視界に追い討ちをかけるかのように雨が降りだす。
それは、自分を煌々と照らした光のせいなのか。
飛び込んできた少女の眼差しが忘れられないからなのか。
はたまた握ってくれた手の温もりを失ったからなのか……。
ただ唯一わかったことは、降り出した雨は温かかった。
この作品に興味を持っていただきありがとうございます!今後とも精進してまいりますのでご声援のほどよろしくおねがいいたします!!




